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少しづつ、恋する5秒前。 莉桜side
侑李に恋したのは3年前。
8月の、中1の頃。朝7時50分、電車に乗った。
そんな中、あたしは見つけてしまった。
―ち、痴漢...!?
親友の、茉莉たん。いや、茉莉が痴漢にあっていた。どうすることもできない。
仕方ないので、恐る恐る隣に立っていた人に声をかけた。
「す、すみません。あの子の痴漢を、どうか助けていただけませんか...?」
隣の人は、ハッとした。気づいたのだ。茉莉と、痴漢していたおじさんの存在に。
隣の人は、気づいたらずかずか歩いていった。
「おい、お前何してんだよ?」
よく見たら、ガタイがいい。制服の上からわかる、努力の賜物である筋肉。
細身ながら、ガッチリしている。
おじさんも気づいたのか、ガクガクして言葉を失っている。
隣の人がこっちを向いた。笑顔でこういった。
「ありがとう」
一般的で、無愛想な言葉。その一言で、心が動く。
--- 恋を、している。 ---
3年後、高校が被った。本当に偶々だ。
名前は、侑李とわかった。見れば見るほど、心が躍る。
バスケの、試合に勝った瞬間。
あたしは、思わず叫ぶ。
「約束、守ってくれるよね!???!??!?」
笑顔で答えは帰ってこなかった。
あたしは、もやもやする気持ちを残して試合後の侑李に話しかけた。
「ねぇ...約束...」
「あのときの、答えだけどさ。」
うん、と答える。心の準備はできた。振られても、いきてける。その考えで、次の言葉を待つ。
一刹那。
二刹那。
長い時間に感じる。冷や汗をかいた。
「―俺と、付き合ってください。」
試合後もあるだろうけど、汗と涙でぐちゃぐちゃの赤い顔がもっと赤くなっている。
「...はいっ!!!」
元気よく、答えた。
皆からのヒューヒュー声が聞こえる。
でも、皆は知らない。
侑李、あなたもしらないだろうけど
--- あたしの恋は、3年前から始まってたんだよ。 ---