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「大好き」の約束
おさね
私には昔から好きな子がいた。
流星街に住んでいた時からの幼馴染で、金色の髪と翡翠色の瞳を輝かせながらこちらを見つめるおとこのこ。少し能天気で泣き虫だけど、本当は芯が強くて人一倍優しいのだった。
その子と昔、2人だけの約束をした。
「これ、あげる!」
そう言って渡されたのは少し大きめのおもちゃの指輪だった。
「俺、#おさね#のことだいすき。大人になったら、俺と結婚してくれる?」
私はもちろんこう返事した。
「もちろん!私もだいすきだよ」
そうして左手の薬指に指輪をはめようとした・・・が、やっぱりサイズが合わず、見事にブカブカだった。落ち込むその子に私がこんな提案をした。
「じゃあ、大人になるまで私この指輪預かっとくから、これがぴったりになるくらい大きくなったらもう一度私に指輪をはめてよ。大好きだよって言ってさ!」
その子はパァァァッと顔を輝かせて
「わかった!俺絶対にもう一回はめてあげるから。約束するよ」
「うん!絶対に約束だよ」
そう言って指切りをした。
今思えばただの子供のお遊びだ。あの子もきっと覚えていないだろう。そう、私は今の仕事に集中しないと。
私は今マフィアンコミュニティに所属している。今度の仕事はヨークシンシティ。オークションのお宝を狙う「幻影旅団」という盗賊から品物を守り、旅団の討伐も視野に入れるというかなりの重要任務である。
正直幻影旅団のことは詳しく知らないが、恐ろしく強いらしい。今回は命がけかもしれない。
そんな事を考えながら迎えた任務当日。なかなか敵が現れず不思議に思っていると突如として仲間の1人が暴走し出した。
よく見ると首筋に念のこもったアンテナが刺さっている。操作系か。厄介だ。そしてやはり強い。他の仲間は全滅だし、私も避けるのが精一杯だ。
すると、たまたま体を掠めた攻撃がシャツを破き隠しておいたネックレスがあらわになった。あの子にもらった指輪を無くさないようにネックレスにしたものだ。
その瞬間、操られていた味方は急に力が抜けたようにその場に倒れ込んだ。あたりに響く音は銃声の余韻と遠くから聞こえる都市の喧騒だけ。…だと思っていると声が聞こえた。
「その指輪、#おさね#?・・・#おさね#なの?」
弱々しく問いかけるその声に聞き覚えがあった。
「シャ…ル?」
するとシャルはあの時と同じようにかおをパァァァッと輝かせて泣きながら私を抱きしめた。今何が起きているのかわからなかった私はシャルの腕の中でしばらくフリーズしていた。
「#おさね#っっ!ごめん!#おさね#が連れてかれた時側にいられなくて、#おさね#のこと守れなくて・・・」
私はまだ混乱していた。どういう事!?シャルはあの時のシャルで…、でもここには幻影旅団しか居ないはず…そこでハッと気がついた。
「シャルもしかして幻影旅団にっ!?」
「うん、そうだよっ」
何の躊躇いもなく答える。するとシャルは私をひょいと抱き抱えて
「じゃ、いこっか!!」
ものすごい速さで走り出した。いろいろな出来事が一気に起こりすぎたショックで私は気絶した。
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目が覚めた時、私はコンクリートの天井を見つめていた。あたりはまだ夜中で、満月が雲の隙間から見え隠れしている。
「ん、シャルの匂い・・・って、シャルっっ!!」
ガバッと起き上がると、ベッドの横にシャルが座っていた。
「あっ、目が覚めたんだね!よかったよ〜」
にっこり笑うシャルを見て少し落ち着く・・・訳がなかった。
これまで何をしていたのか、ここはどこなのか、なぜ私を連れ去ったのか、聞きたいことは山ほどあったがうまく言葉が出てこなかった。
何ともいえない空気の中で先に口を開いたのはシャルだった。
「いや〜、まさか#おさね#に敵として会うとはおもってなかったよ。あっ、そう言えば言ってなかったけど、ここは幻影旅団のアジト。俺の部屋だよ。」
やばい、そろそろ混乱しそうだ。いや、もう混乱してるけどそうじゃなくて・・・。必死に頭を整理して私は言う。
「何で私をここに連れてきたの?」
「・・・その指輪。約束、覚えてるんでしょ?」
「!」
「ずいぶん大人っぽくなったね。メイクとかしちゃってさ。指輪ももうブカブカじゃないんじゃないかな?・・・こんな出会い方になっちゃったけど、迎えにきたよ」
その瞬間、いろんな思いと共に涙が溢れてきた。シャルと離れて暮らしてた時の気持ち、シャルとの約束を考え指輪を見つめていた時の気持ち、そして、シャルが私を迎えに来てくれた嬉しさ。
そんな私をシャルは優しく抱きしめた。私が泣き止むまでずっとそうしていてくれた。そして、私のネックレスを外し、指輪を取り出す。
「大好きだよ#おさね#、俺と結婚してくれる?」
「もちろんっ!」
左手の薬指に指輪が通っていく。今度はぴったりだ。シャルはにっこり笑って私を抱きしめた。
シャルは昔とは変わった。私を包む腕は逞しく、背も私より高くなってしまった。でもこの笑顔からは昔のシャルと変わらない、優しさや暖かさを感じた。
いつのまにか雲は晴れ、柔らかな月の光が私たちを包み込んでいた。
「シャル、約束を守ってくれてありがとう。これまでも、これからも、ずっと大好きだよ」
「俺も、一生をかけて君を幸せにする。大好きだよ」
読んでくださりありがとうございました。シャルナークばっかりになってしまっているので別キャラでも投稿しようかなと思っています。
おさね No.2