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極寒異変ノ章 弐
「はあ…冗談じゃないわ。異変なんて起こしてないし…もう嫌になっちゃう。いい加減にして、わたしは起こしてないわ」
「言いがかりなんざやめなさいよ!わたしたちが困ってるの!」
楓亜は深い溜息をついた。
「しばらく我慢して。どっかの世界の管理がずたずたのずさんな状態なの。温暖化の影響とかを受けて、こっちの世界の管理が甘くなってるのよ…姉さんと管理するのも一苦労な状態。さあ、どうしたらいいかしら?」
「うぐっ…」
「しばらくはそっちのサニーさんとやらが天気を操って調節してくださいな。わたしたちは忙しいの」
紅、どうするの…と紅のほうを向く。すると、
「ならこっちもだ。分身を作ってやる」
と言った。
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「えぇえ!冗談じゃない!」
紅につれてこられた彼女・アバター・ドッペル。
「確かに、彼女ならぴったりだわ。よく見つけてきたわね」
「嘘!やめてよっ!さっさと魔法封じの魔法を解きなさい!」
彼女の能力は『分身を操る程度の能力』。楓亜の分身を作って、管理してもらおうというもくろみなのだ。
「お前は管理しないんだからいいだろ!」
「嫌!だって、分身を管理するんでしょ?ってことはよ?間接的に管理してるじゃないの!」
「やかましいわね…じゃあ、ぬあにずたずたにされてきなさい」
「やだあぁああっ!!」
ドッペル曰く、操る系の魔法は体力を大幅消耗してしまうらしい。でも、ぬあの攻撃を受けたらずたずたになって、跡形も微塵もなくなってしまう。
つまり、彼女に拒否権はないのである。
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「よかったわ、これで季節が戻った」
にこにこと微笑むぬあ。わたしは花を眺めて、「そうだなぁ」とつぶやいた。