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『未来の私へ』
私なら未来の自分に手紙を書くとき…何を書くだろう。
{大学生の文田愛菜}
「…あった、自分への手紙」
小学6年生の時に自分に宛てて書いた手紙だ。
疲れがたまって今すぐにでも寝たいのに、手紙を読みたくて仕方がなかった。
手紙を開いてみると、そこには少し丸く小さい文字が便箋に並んでいた。
『未来の愛菜へ
元気でいますか。愛する人はできましたか。自分のやりたいことは出来ていますか。
親友の結夏とは…未来でも仲良くしていますか。
正直、自分への手紙なんて何を書けばいいか分かりません。
でも、これだけは言えます。
人生、楽しんで生きてほしいです。
6年生の頃の自分を覚えていますか。
親友の結夏がクラスの女子にいじめられていたこと…覚えていますか。
あれから先生が気付いて、いじめていた人たちに注意してくれたけれど、
今でも結夏は冷たい視線や言葉を浴びさせられることがあります。
これを読むのがいつかは分からないけれど、私は未来に
いじめがなくなることを願います。
…私の方の世界に来てくれてありがとうございました。
記憶を忘れているなら…私は不思議なことを言っていると思います。
未来の私の時間をいじめなんかのことで削ってしまってごめんなさい。
その時に解決できなくてごめんなさい。
その分の時間、楽しく生きてください。
ありがとう。 6年生の愛菜より』
そういえば、6年生の頃…そんなことがあったな。
助けてくれたのは…確か実習で小学校に来ていた先生だったな。
名前は…なんだったっけ。
記憶が遠いせいでもう覚えていない。
思い出したいのにな…。
ちなみに私は、小学校の教員になるために勉強をする普通の大学生だ。
「字を読んだら、なんか眠くなってきちゃったな。」
そのまま私は疲れのたまった体を休ませようと、ベットに倒れ込んだ。
すると手紙を読んだせいか、こんな夢を見た。
「ここは…どこ?」
目を覚ますとそこは、自分の部屋じゃなかった。
でも、何か見覚えがある。
思い出した。ここは…私が学生の頃住んでいた町だ。
でも、今いるのは知らない家で…なんなら一人暮らしだ。
ドアの前に何かメモがある。
『今日は大学じゃなくて小学校行きだよ!楽しみな母校!』
これって…未来?来年からは実習が始まるとか岡崎せんせーが言ってたな。
んーまあこれ夢の中だと思うし、とりあえず学校行ってみるか!
「今日からこの学年の手伝いをしてくれる、文田愛菜先生です!」
「大学から来ました、文田愛菜です。是非いろんなこと話してください!
よろしくお願いします!」
そう言った時、ひそひそ声が聞こえた。
「文田愛菜って…同姓同名のやついるよな?」
「愛菜ちゃん、この人、知ってるの?」
「え…?知らないよ」
この声…聞いたことある。文田愛菜って…過去の私と同じ容姿だし…
しかも、過去の私の隣には結夏もいる。
まさか、私、過去に来ちゃったの⁉
「文田先生は2週間、この学校に滞在してくれます。」
って、驚いてる場合じゃない。
いじめられていたのは…この期間のはず。
せっかくここに戻って来たから、結夏を助けなきゃ!
休み時間。
「私と同じ名前の人がいるって聞いたんですけど…何組にいますか?」
「あぁ、彼女は6年2組にいますよ。やっぱり、同姓同名だと気になりますよねw」
やっぱり、私がいたのは6年2組…
でも、これは夢のはず。現実には何も関係ないはずなのに。
でも、たすけたいと思う気持ちが強いのは何でだろう。
そう考えているうちに、クラスの前に着いた。
後ろのドアから静かに入ってみると、誰も私のことに気づいてくれなかった。
そこで見た光景は、どこかで見たことがあった。
「ねぇねぇ、結夏ちゃん、何で私のペンケースが、
結夏ちゃんの机に入ってるのかなぁ?みんな、おかしいよね!」
いじめの主犯格がみんなに同意を求める。
「えー、結夏ちゃんがそんなことするなんて普通じゃないのぉ?」
「何で美帆にそんなことしたの?やめなよバカが」
確か…ペンケースを主犯格が結夏の机に自分で入れてとぼけたんだ。
「わ、私…そんなことしてないよ!」
「嘘なんかついても無駄無駄、先生に言いつけようか?」
「証言者ならクラスにいっぱいいるんだし!」
空気が悪くなって、私は廊下に出た。
すると、過去の私も同じタイミングで廊下に出た。
「…文田先生…?文田先生、クラスの中見てたんですか!何で黙ってたんですか!」
そう囁く過去の自分に私はこう言った。
「ちょっと、ここで話すのはあれだから、ベンチ行ってからで、いい?」
「はい…」
「いじめはいつからあったの?」
知っているけど…記憶が確かじゃないから聞いておいた。
「1カ月前くらいで…親友がいじめられてるんです。」
「そっか。ごめん、君の名前は?何て呼べばいいのか分からないんだ。」
「文田愛菜です。先生と漢字は全く同じです。」
「愛菜って呼んでもいいかな?クラスではさん付けするから。」
「…はい!」
嬉しかったのか、愛菜は声のトーンをあげて言った。
「話…続けますね。
私には友達がいない、というか…いじめられている結夏って子しか
友達がいなかったんです。でも、今は友達っていうことすら禁止されてて…
先生のいないところで陰湿にやってるいじめなので先生も気付いてくれなくて。
先生ならどうにかしてくれますよね!」
「当たり前だよ。私がどうにかする。証言は愛菜にも手伝ってもらう前提でね。」
「手伝えることがあったら何でもします!」
「話を聞かせてくれてありがとう。今日はとりあえずいじめを止めるために、
様子見しようか。さっき後ろのドアから入ってバレなかったけど…
流石に前から入ったらいいかな?」
「はい!じゃあ、明日もこの時間に話したり…できませんか?」
「もちろん。じゃあ、またクラスでね。」
前の扉から教室に入ると、生徒たちが急に仲良くしだした。
「あ、文田先生だ!」
「文田先生も一緒に喋らない?」
「ふふ、先生は忙しいからなー、今日だけだよー?」
「はぁい」
正直、主犯格たちと話すのは全く楽しくなかったけど、楽しそうに見せた。
偽笑いなんて何回したことか。
やっぱり過去に嫌いだった人たちと話すって気まずい。
{6年生の文田愛菜}
休み時間。昨日文田先生と約束した場所にまた行く。
すると、もう先生は先にベンチで待っていた。
「遅くなってごめんなさい!授業が長引いちゃって…」
「全然大丈夫だよ、それより…今日は私から愛菜に話したいことがあって。」
「何ですか?」
いじめのことかな?私はそう予想した。
「私と愛菜って同姓同名でしょ?私たちって…何か関係あったりしないかな?」
「確かにずっと思ってました。顔のパーツ…目の少し茶色っぽい色も似てますね。
…これがリアルドッペルゲンガーですかね?」
「ドッペルゲンガーにしては年齢差とかあるよね…」
「先生って大学生とは言ってましたけど、年齢はいくつですか?
失礼だとは分かってます。」
「21歳だよ。まだこの歳だから気を遣わなくていいのにw」
「私、小学校の先生を目指す女性を夢で見たことがあって。
その時見た先生と今の先生、一致してるんです。
私たち、お互いの未来と過去…時空を超えて何回も会ってるんじゃないかって…
ごめんなさい、変なこと言ってますよね、私。」
「嘘じゃないよ、きっと。私も未来の世界から来たみたいで。
どうせ来たならって思って…結夏のいじめを止めに来たんだよ。」
衝撃の事実だった。
私が未来を見た時はただの夢だと思っていたのに。
一夜で終わったはずの夢。先生は連続で日を体験しているんだ。
「じゃあ、先生は本当の世界では何日も眠り続けたり…してるってこと?」
「それは…分からない。この世界の出来事自体、一夜の夢の出来事ってことに
なってるのかもしれないし。なんならこれが本当の事かなんて私には分からない。」
「あ、もうすぐで次の授業の時間だ。先生、また明日もここで、いいですか?」
「了解、じゃあね。私は次、4組の授業見に行くから。」
そう言って先生は微笑んでくれた。
でも、振り返る時には少し悩んでいるようにも見えた。
{大学生の文田愛菜}
まさかもう1人の愛菜もタイムトラベル?を経験していたなんて。
といっても、私は1年後の自分と6年生の頃の自分の世界っていう
意味分からない立場ではあるんだけど。
まずこれってどういう原理のタイムトラベルなのか。
そして…愛菜に言われて気付いたこと。このとき、本当の現実では
どれくらいの月日が流れているのか。
そのままの時間なら…私は2日近く眠り続けていることになる。
急がず、でも出来るだけ早く問題を解決して自分の世界に帰ろう。
「文田先生、文田先生?」
「え!あ、どうしたの?」
「先生大丈夫?で、ここの算数の問題分からないから教えてほしいんだ。」
「えっと、ここはこうして、こうして…」
私、やっぱり疲れたままだ。
ってことは現実世界では長い時間寝てる可能性が高いかも⁉
次の日。
もう一回休み時間に静かに2組に入ると、やっぱり結夏はいじめられていた。
でも今日は前とは違うことが起こった。
「ねえ、美帆。美帆ってば。実習生来てるって。バレちゃうじゃん!」
「うわ、せ、先生!今のは学芸会の演技の練習なんですよ!」
「そうなんだ!ちなみにそれって何の劇?台本あるなら演技指導するよ?
私こう見えて演技とか映画とか好きだからね。」
圧をかける、と。
「今日は台本持ってきてなくて…ごめんなさい!」
あーあ、これ私自体嫌われたかもなぁw
「バレバレだよ。いじめでしょ?様子見するだけで酷くないなら先生には
言わないでおくから。」
「…やっぱりバレバレだったんですね。ペンケースの時も確か見てましたっけ?」
わざと6年生の愛菜が言った。
「嘘!見られていたなら言ってよ!」
「いや、状況分かってないと思って…ごめん、美帆。」
「まあまあ、これまでとこれからの君たちの反応は今まで通りにするから
安心していいよ。じゃあ私は次の授業に行ってくるよ。」
「あの先生…不思議な人。」
「意味が分からないんだけど。」
「まさか、先生にチクったりしないよね?もしもチクられたらどうしようね…」
「証拠は?って聞けばいいでしょ。」
そんな言葉を聞きながら私はクラスから出た。
放課後になってまた私は教室をのぞいてみた。
誰もいないと思うんだろうなぁ…
そう思っていたら、まだ生徒たちが残っていた。
「愛菜のせいで実習生にバレたじゃん!どうしてくれんの?」
「美帆。愛菜って結夏と親友って言ってたじゃん?愛菜、結夏の代わりに
いじめられてくれるんじゃない?」
「えっ…」
まずい。こんなことになるなんて。
私が来たから…休み時間に実習生にもバレてるって話をしたから…
そして、放課後にこんなことが起きていたなんて。
当時の私には分かっていなかったんだ。
「愛菜のことはいじめないで。私がずっといじめられればいいんでしょ…!」
「嫌だ、私はいじめなんてもの終わらせてやりたい!」
「その口、閉じてもらおうかなー?
みんなー!明日から対象交代で愛菜になりまーす!」
美帆が明るいトーンで、でも冷たく言い放った。
今私が口を出したら…
相手は子供のはずなのに、怯えの気持ちが大きいせいで生徒たちに怒れなかった。
職員室。私は6年2組ではなく、3組の担任の綾瀬園子にいじめのことを聞いてみた。
「ちなみに、今の6年生の学年って過去にいじめとか起こりましたか?」
「起こってはいないけど…気が強い感じのグループはあるわ…
なんで聞いたの?何かあった?」
「いいえ、私…小学校の頃いじめを受けていたんです。なので、生徒たちに
自分の経験した思いをしてほしくないなって思ったんです。」
「文田先生は優しいですね。」
「そうですか?…ありがとうございます。
…じゃあ、お先に失礼しまーす。」
そう言って私は一人暮らしの家に帰った。
考えて、考えて、考えて…
そうしているうちに私はいつの間にか眠っていたんだ。
「んん…って、もう朝⁉勤務行かなきゃ!」
完全に寝坊した。自転車で着く距離だからいいんだけど…
時間ないし朝飯食べなくていいや!
「おはようございまーす」
「おはよー」
生徒たちが次々に教室に入ってくる。
そして、愛菜が教室に入ってきた時。
みんなが元気なことを確認して、書類を整理しようとかばんに手を伸ばした瞬間。
「わっ…」
滑って頭を床に打ち付けたあと、私は気を失ってしまった。
「ん、んん…っ!」
あれ、ここどこだ?私は学校にいたはずじゃ…
白い天井…元の世界に帰ってきたの⁉
「あ、文田先生。起きたんですね。」
そんな期待はすぐに消えた。
どうやらここは保健室だったみたいだ。
「6年3組の生徒が倒れた先生を見て、私のところに駆けつけてきてくれたんです。
体調、大丈夫ですか?」
「…疲れてただけです。昨日遅くまで考え事してて。」
6年2組と6年3組では私への態度がまるで違う。
3組の子たちは優しくしてくれて、みんなが仲間思いだ。
でも2組は、グループが綺麗に分かれていて、私にも生徒と同じ対応、いや、
なんとも思っていないような感じがした。
「もう少し休んでおいた方がいいんじゃないですか?」
「大丈夫です。先生方にも迷惑をお掛けしているので。」
はあ、やっぱり朝ごはん食べなかったのと夜更かししてたのがいけなかったかな?
6年3組…ではなく、6年2組に戻った時。
「先生、先生!」
誰かが私に向けて小声で呼びかけている。
見回すと、すぐ近くにそれらしき女の子が…って、結夏じゃん!
「どうしたの?」
「私の友達で、先生と同姓同名の愛菜ちゃんがいじめられてるの…知ってる?
この前先生が現場の目撃しているの知ってるの、私と愛菜ちゃんだけなんだ。
…私、愛菜ちゃんを助けたい。いじめを終わらせたい。
でも、先生に言う勇気もない…どうしたらいいですか?」
「君たちの友情はいいね。まさか飯塚さんも愛菜のことを助けようとしてたなんて。
愛菜も飯塚さんのことを助けたいって言ってたよ。」
「なら…かばっていじめられてるんですか。」
「それは分からないけど…飯塚結夏。あなたには親友を助けることができる?
先生に言うことは出来る?私も一緒に言うよ。
でも、あなたが話を始めないと私は援護しない。君のために。」
私がやるんじゃなくて、結夏にやってほしい。
私が行ったら、何の経験にもならないし、先生もいじめっ子たちのしていたことに
気付けないから。
「休み時間でいいですか?」
「うん。」
会話が終わって、またクラス全体を見回す。
休み時間。
「結夏のかわりにいじめを受けるんでしょ?早く豚の鳴きまねしなよ?」
「美帆に逆らうなんてありえない!元々は見てるだけだったけど、自分が
受けれるなんて珍しいからね!心を強くするため…感謝しなよ!」
そんな理由はこじ付けに過ぎない。
「受けないよ、そんなの。大体、理由だってこじ付けでしょ?
私のことなんてほおっておいたら?」
「っ!ほんっっっっっとムカつくなあああああこいつ…!」
「おかしい人だなぁ、意味分かんない。」
「私の時よりもいじめがひどくなってる…?」
「本当は言葉以外で仕返ししたかったけれど、こうするしかないんだ。
学校内だけどスマホ出して…音声を録音っと。」
タチの悪すぎるいじめは、終わりだ。
職員室。
「先生、お話があります。」
結夏が話しかける。
「どうしたの?わざわざ職員室まで…それに、文田先生までどうしたんですか?」
「このクラスにいじめが起きていたこと…知っていましたか。」
「えっ…本当なの⁉それは。今すぐ教室へ行かないと。」
再びクラスに戻ってきた。
「飯塚さん、先生に詳細を教えて。」
「…私は数日前まで、陰湿ないじめを受けていました…
」
話が終わって。先生はすごく驚いている様子だった。
「文田先生はそれをご存じだったんですね?」
「はい、そうです。でも、私自身には自信がなくて…証言者の飯塚さんと
先生に報告することになりました。」
そう言うと、先生は深くうなずいて。
「クラス内にいじめっ子もいることですし、今から呼び出しますか。」
先生も考えを決めてくれたようだ。
「野島さん、青村さん、安井さん、文田さん…」
何人かの名前が呼ばれて。
「野島さん、あなたは、文田さんをいじめましたか?」
「何でそんなこと急に聞かれるんですか?w」
「あなたたちは先生のいない間にいじめをしていた…しかも対象は数日前まで
飯塚さんが受けていた…私はそう、文田先生と飯塚さんから聞きましたよ?」
「先生、嘘つくなんて最低ですね?」
「私ら、なんもしてないのに!ひどーい!」
いじめを認めないなんて…性格が悪すぎる!最低なのはそっちだ!
「じゃあ、野島さんたち、今から私…ただの実習生・文田愛菜が証拠を
出してあげようか?」
そう言ったとたん、いじめっ子たちの顔が青ざめたように感じた。
スマホを取り出す。
「ちょ、先生なんで生徒の前でスマホ見せてるの⁉校則に反してるんじゃない⁉」
「文句がうるさいなぁ!これ見せたら何も言わなくなるくせにさ!w」
私は、いじめの様子をビデオ撮影していた。
「っ……な、なんで…」
いじめっ子たちは、それからいじめたことを認めた。
次の日の休み時間。
なんとなくベンチに行ってみると、そこには愛菜がいた。
「やっぱり来ると思いましたよ。」
「愛菜の言うとおりだ、先生本当に来たね。」
「愛菜…あれから本当にいじめはなくなったの?」
「なくなったに決まってますよ!」
「よかった。」
安心すると、どこからか熱いものがこみあげてきて…
「先生、急にどうしたんですか⁉涙出てますよ⁉」
「全てが繋がったから…なんか懐かしくて、ね…」
黙って愛菜は私の言葉の続きを待つ。
「愛菜、あなたは…本当に私の過去で…結夏は…過去の私の親友だったんだね…!」
「当たり前ですよ。私…大きくなったら先生になりますね。
…過去に戻って結夏を助けます。」
「ありがとね、本当に。」
あれから実習の期間が終わって。
「じゃあ、またね、愛菜。未来で待ってるから。」
「分かりました。いつか…また心で会いましょう。」
「帰るタイミングがいつになるかは分からないけれど
とりあえず家に帰るよ…さよなら!」
私が校門を出た瞬間。
時空が歪んで…
「先生、先生…!」
愛菜が泣き崩れたのを最後に、私は元の世界に帰って来た。
あの時間はたった一夜で終わっていたらしく…
でも夢ではなかった。
なぜなら…
『未来の愛菜へ
元気でいますか。愛する人はできましたか。自分のやりたいことは出来ていますか。
親友の結夏とは…未来でも仲良くしていますか。
正直、自分への手紙なんて何を書けばいいか分かりません。
でも、これだけは言えます。
人生、楽しんで生きてほしいです。
6年生の頃の自分を覚えていますか。
親友の結夏がクラスの女子にいじめられていたこと…覚えていますか。
あれから先生が気付いて、いじめていた人たちに注意してくれたけれど、
今でも結夏は冷たい視線や言葉を浴びさせられることがあります。
これを読むのがいつかは分からないけれど、私は未来に
いじめがなくなることを願います。
…私の方の世界に来てくれてありがとうございました。
記憶を忘れているなら…私は不思議なことを言っていると思います。
未来の私の時間をいじめなんかのことで削ってしまってごめんなさい。
その時に解決できなくてごめんなさい。
その分の時間、楽しく生きてください。
ありがとう。
{追記}
私、今あなたの心の中にいるよ。
6年生の愛菜より』
文章が増えていたから。
「はぁ…今日も一日頑張ろう!」
自分を奮い立たせて、家を出る。
8240文字でした!
最後の手紙の部分は最初と比べてね!追記が増えてるよ!
思ったよりも感動系にはならなかった…