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漫画を描いた。
まじでまとまりが無さすぎて何が書きたかったのかわからなくなってる。
小学五年生だった。私は、漫画を描いた。漫画とは名ばかりの、紙を六等分のマスに分けただけのもの。セリフは横向きの文字で、キャラクターの顔の向きはほぼ全部同じ。それが五ページ。自分のオリジナルキャラの、内輪ノリの漫画だった。
自信満々だったから、同級生に見せた。「めっちゃ面白いよ」という言葉を私はそのまま信じた。お世辞だったのかなんて、今になってはわからない。朧げな記憶を、脳は勝手に補正しているのかもしれない。
「小学生図工コンクール」と文字が印刷されたクリアファイルを、かつての教科書類の中から見つけた。小学五年のときに、図工で描いた絵でなんらかの賞をとったときの景品のクリアファイル。中身は、漫画とはいえないあの五枚だった。
散乱した部屋で、ひとりそれを眺めていた。描いたときに何度も見返したそれは、すこし黄ばんで埃っぽい。紙に震える指をそわせる。これが、私の原点だったのだ。きっと。
卓上に、それをそっと置き並べた。原稿の入った茶色の紙封筒と、書店で買った漫画家セットと、折れたペンと。
漫画家を志すことなんてもうやめだ。そう思って握ったGペンは、いともたやすく真っ二つになったのだった。こんなに簡単だったのかと、そのあっさりさに呆然とした。
私が筆を下ろしたとしても、世界はなにも変わらない。何度も読み切りを送って、一度だけ漫画賞を取って。それから編集がついて、でも芳しい結果はそれまでだった。
それでも、少年マンガ誌は毎号買っていた。好きだったから。
買わなくなったのは、半年くらい前だっただろうか。あのときの漫画賞で私よりも下の賞にあった名前を、その表紙に見つけてから。新連載と冠して表紙を飾るその名前に、きらきらした目をこちらに向けるキャラクターに、嫌気がさした。破り捨てたい衝動に襲われて、吐き気がして、ぜんぶ耐えて、それでコンビニを飛び出した。
気づけば夜になっている。八時半。母がそろそろ仕事から帰ってくる。
料理は私がすることになっていた。冷蔵庫を見て、カレーを作ろうと思った。カレールウに、人参、玉葱、豚肉、ごく普通のカレーだ。
カレールウを確認する。それから人参を切った。玉葱を切った。とん、とん、小気味良いリズムが生まれた。
ふっとカレーの匂いが鼻をくすぐった。その匂いで、思い出してしまった。
カレーは、一番最初に描いた読み切りの、あの子の大好物。疲れた時はカレーが食べたくなって。あの子がカレーをかきこんで、「おいしい」と笑う顔の描き方を、私は知っている。私しか知らないまま。
やるせない気持ちに襲われた。
ごめん。ごめんね。
瞬きを繰り返した。視界が滲んだのは、たぶん玉葱のせい。
まとめるのが難しい😓 急にカレーの話になってよくわかんなくなったな
世の中、漫画が多すぎる。漫画家も同じだけいる。その中で有名になれるのなんて一握りなんだよなぁと思ってた。