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ロストワンの号哭
※フィクションです
ガチです
こんなはずじゃなかった
こんな
こんな人生なはずじゃ
幸せでいたい
もっと生きていたい
でもすべての責任から逃れたかった
でも逃れられないから
誰か
僕を
---
刃渡り数センチの不信感が
僕の心を挙句の果てには
刺してしまって
病弱な哀が飛び出すから
思わず僕は泣き叫んだ
僕のノンフィクションの物語
僕は数学と理科が好きだ。
点数は悪いけど。
その代わり、国語はどうもダメで嫌いだった。
点数はいいんだが。
僕の考えはいつも正しくなくて
どれが正解なのか考えていても
全て
本当に
違うんだ
何もかも
僕はこんなにも真剣で
もがいて
必死に生きて
でも
|現実《ノンフィクション》は
僕の全部を否定した
できることは全てやった
できる限りの努力をした
こんな僕にも何かの才能はあると信じて
でも、全部うまくいかなかった
今日の宿題は
まさに無個性な僕のことで
みんな僕をあざ笑う
僕の心は
ココロは
この生活には何の不自由もなく
学校にも行けていて
毎日が|楽しい《違う》
|楽しい《違う》
|しんどくもない《違う》
僕の発する言葉には、嘘が混じる
今日も起きなければいけないのかと思った
|別に死にたいとか、寂しいとか《違う》
|そんなんじゃない《違う》
そんなもんじゃない
『黒板のこの漢字が読めますか』
「|はい《違う》」
『あの子の心象は読めますか』
「|はい《違う》」
『その心を黒く染めたのは』
「僕じゃない」
違う
「僕じゃない!」
おい
「誰なんだよ」
ねぇ
「僕じゃ…」
『そろばんでこの式は解けますか』
「|はい《違う》」
ずっと頑張ってきた
『あの子の首の輪は解けますか』
「…いいえ」
見当違いの努力をして
「僕たちこのまんまでいいんですか」
『…』
おいどうすんだよ
「…うわぁぁあああああん…!」
もうどうだっていいや
いつまで経ったって僕たちは
『黒板のこの漢字は読めますか』
「はい」
『大丈夫ですか』
「はい…」
存在な催眠に酔っていて
どうしようもない位の驕傲を
--- ずっと ---
「……はい。」
匿っていたんだ
本当にどうしようもなくて
一度大声で泣いてみたい
でもそれは赦されないことで
何をやっても
どうやっても
僕には見当違いの努力しかできなかった
過不足ない不自由ないこの生活でも
「………はい。」
いつまでたったらこんな
|責任《人生》から解放されるのだろうか
僕は一回、マンションの屋上に行ったことがある
でもその瞬間、僕は死にたくないって思ってしまう
そうでもしなきゃ生きようと思えない僕は、必死に|生きる《此処にいる》意味を探していて
『黒板のこの漢字は読めますか』
「…はい」
『あなたの首の輪も解けますか』
「…」
「僕たちこのまんまで、いいんですか…」
『…』
おいどうすんだよ
「…」
「もっと生きたかったな」
もうどうだっていいや
『面積比の公式言えますか』
「いいえ」
『子供のころの夢は言えますか』
「いいえ」
その夢すら溝に捨てたのは
おい誰なんだよ
「もう知ってんだろ」
「いつになりゃ、大人になれますか」
「そもそも大人とは一体全体何ですか」
「どなたに伺えばいいんですか…」
おいどうすんだよ
「…さよなら…」
--- もうどうだっていいや ---