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ランクFの落ちこぼれの俺がランクSSSに成り上がった結果!?
この世界には化け物じみた能力、「異能力」が存在する。
火を出して操ったり、一瞬で別の所に移動できるテレポート、五感を奪うなど様々なものがある。
そして、その能力の強さなどによってランク付けされ、低い方からF、C、B、A、Sがある。さらに上にもランクはあるが、その域に達しているのは世界に一人しかいない。・・・いや、二人か。
簡単に分けるとランクFは無能力者でそれ以上は能力者と区別される。
能力者の中でも低レベルの奴らはランクFの無能力者をいじめてくる。
そして、かくいう俺・|叉理《またり》 |零《れい》もいじめの対象だ。
ちなみに俺は今、いじめられてる。
「がぁあ、かはっ」
腹部を蹴られ俺は悲鳴を上げる。
「こいつ、クソ弱ぇじゃんww」
「どうする?殺す?こんなザコ殺してもなんも言われねぇしよ」
「でも、サンドバックがいなくなるから殺しはしねぇよ」
「てことだ。せいぜい俺らのサンドバックとして生きてな」
・・・うるさいな。いじめられてて言うのもなんだけど、うるさい。
「チッ、シカトしてんじゃねぇよ」
そいつはそう言いながら、俺の腹部にもう一発蹴りを入れた。
けど、痛みは感じない。今まで散々やられて慣れたから。
「サンドバック?何言ってんだ。サンドバックになんのはお前らだろ?」
俺がそう言うといじめっ子たちは俺を睨んだ。
「無能力のザコが何イキってんだ?あ?」
「イキってんのはお前らだろ?」
「二度とその口聞けなくしてやるよ」
その男は言い終わると同時に俺の方へと走り出した。
「はぁ、めんどくさいな」
俺は走ってきた男の腹部を思いっきり殴った。
「ぐへぇ」
変な声を漏らしながらその男は倒れた。
「ヤローども、一斉にかかれ」
リーダー格の男がそう言うと周りにいた奴らが俺の方へと向かってきた。
「10対1、お前がこの人数に勝てるわけねぇよ」
「そんなのやってみなきゃわかんねぇだろ?」
「舐めんのも大概にしろ。俺ら全員でお前を殺す」
「できるもんならやってみろよ」
俺が挑発するとリーダー格の男が先頭を切って歩いてきた。
「正々堂々タイマンでするか?」
俺がそう聞くとこの男は答えた。
「いいぜ、やってやるよ。お前ら邪魔すんなよ?」
そう言われ、周りの奴らは少し離れた位置に移動した。
「本当に正々堂々するんだ」
茶化すように俺は言った。
「んな|狡《こす》いマネしねぇよ。ちゃんと正々堂々戦う。相手が誰でも関係ない」
「そうなんだ」
俺には関係ないけどな。
「かかってこいよ」
「上等だ」
その言葉をと同時に男はこっちに走ってきた。
やっぱそうくるよな。
俺は身を|屈《かが》め、男がこっちにたどり着くまで残り3秒といったところで地を蹴った。
「なっ!」
まぁ、急に走ってきたんだからビビるよな。
「挨拶代わりだ」
そう言いながら俺は男の腹をさっきより本気で殴った。
「ゴフッ」
そして間髪入れずに俺は男の顔面を蹴飛ばした。
ドゴォン
轟音があたりに響いた。
「で、次は誰がやられたい?」
俺がそう言うと他の奴らは逃げていった。
・・・後始末どうしよう。
とりあえずあいつに電話するか。
「もしもし、オレオレ」
俺の言葉に電話主は答えた。
『そんなくだらないことのために電話してきたの?』
「いや、なんとなくやってみたかったからさ」
『で、こんな夜中になんの用?』
「いやぁ、今日お前ん家泊まれねぇかなって」
『・・・襲う気?』
「ちげぇよ」
くだらない会話をしていると強い気配を遠くから感じた。
「ごめん。またあとでかけ直すわ」
『え?ちょっと待っ・・・・・・』
言い終わる前に俺は電話を切った。
「誰だ?お前」
その問いにその男は答えた。
「お前も知ってるはずだ」
俺の知ってる人物?誰だ。思いつかねぇ。
「ごめん、誰だっけ?」
「・・・・・・」
答えろよ。
茶番をしていると、隠れていた月明かりがその男の顔を照らした。
「・・・ガノンドロフ?」
「違う!ルーカ」
「惜しかった」
「何も惜しくねぇよ」
「んで、ルーカスが何の用だよ」
「ルーカだって言ってんだろ。俺んとこの下っ端が世話になったらしいからな、その礼だ」
「なら1000円を要求する」
「金じゃねぇよ」
「ならなんだ?スイーツか?」
「なんでお前にとっていいことで捉えてんだよ。図太い神経だな」
「なら何くれんだよ」
くだらない会話をしているのを俺は話を元に戻した。
「強いて言うなら拳?」
「んなもんいらねぇ」
「礼以前に俺は今、お前を殴りたい」
「なら俺は逃げる」
「は?逃げん・・・・」
言い終わる前に俺はその場をたった。