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ある日の昼休み(リクエスト)
奥田Side
ある日の昼休み。私は理科室にいた。殺せんせーにもっと効く薬がないか試していたのだ。
ガラガラ
理科室の扉が開く。
「あ、いたいた!奥田さん!」
カルマ君が来たようだ。
「カルマ君?どうしたんですか?」
頭を掻きながら、彼は答える。
「これ、殺せんせーが奥田さんに渡せって。」
紙を差し出す。何か大切な書類だろうか。
「ありがとうございます」
紙を受け取る。紙には『私を殺す薬を作ろう!ー上手にできるかな?ー』と書かれている。隣に顔が殺せんせーのタコがいた。キメラ………。でも、何故また私にこの紙を渡してきたのだろう?この薬は一度殺せんせーに試したものではないか。
「奥田さんって昼休みはいつもここにいるの?」
さっきまで立っていたカルマ君が私の目の前の椅子に座る。
「まぁ…そうですね。他にも殺せんせーに効く薬はないか、探しているので。」
「すごいね、やっぱ理科が好きなんだ?」
「はい!あ、そうだ。せっかくなので……。」
私はカルマ君に少し待ってもらうように言ってから、実験器具を取り出す。アルコールランプ、マッチ、オタマ、割りばし、諸々の薬品。カルマ君の前に持ってきて、準備を始める。
「何か作るんだ?」
「はい、カルメ焼きを作ろうかと。」
私はテキパキカルメ焼きを作る準備をしていく。カルマ君はそれを黙ってみている。
こんな時間が、私は好きだなぁ。
「これで……後は混ぜるだけですね」
「俺、やってみてもいい?」
「はい!どうぞ」
オタマと割り箸を渡す。
「ありがと」
カルマ君が思いっきり混ぜる。
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殺せんせーSide
「ヌルフフフ」
奥田さんとカルマ君は今頃仲良くやっているだろう。はやくラブラブカップルを3年E組に!!
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奥田Side
「わぁ、すごい。膨らんできたね」
「カルマ君の混ぜるスピードがちょうどよかったんですよ」
後はオタマからカルメ焼きを取り出すだけ。カルマ君からオタマをもらってカルメ焼きを取り出そうとする。
「アッツ…少し待ちましょう」
ずっと熱していたので、オタマもカルメ焼きも熱々だ。出来たてホヤホヤのあったかいカルメ焼きをカルマ君に渡したかったが、もう少し待たなければいけないようだ。
私は目の前に座っているカルマくんをぼーっと眺める。カルマ君ってイケメンだなぁ。
「そろそろ冷めたんじゃない?」
「あっ!そうですね!やってみましょう!」
オタマをキッチンペーパーの上でひっくり返す。きれいな形のカルメ焼きがお玉から出てくる。
キッチンペーパーでカルメ焼きを包んでカルマ君に渡した。
「え?いいの?」
「はい!変に待たせちゃいましたから」
「ふーん…ありがと。じゃあ…」
カルマ君はカルメ焼きを受け取り、半分に割る。
「半分は奥田さんに」
「あ、ありがとうございます」
私がカルメ焼きを受け取った直後、チャイムが昼休みの終わりを告げた。
「じゃ、またね奥田さん」
カルマ君は颯爽と教室に帰っていった。
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赤羽Side
「あ、カルマ!」
渚がやって来る。
「奥田さんとはうまくいってる?」
「……え、ちょ、ま……え?」
「殺せんせーが教えてくれたんだよ」
なんの屈託もない笑顔で答える。
「あのタコ……」
赤羽業。彼の顔が真っ赤になっていることにはクラスにいた者、皆が気づいていた。
どうですかね……