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空に浮いたら。22
麗王はそれから、風と遊ぶ日々を過ごした。風に合わせて小説を読んだり、風を無理やり外遊びに連れ出したり.......
大人っぽい風は、麗王にとって同い年のような親近感があった。
そんなとき.........
「え、それほんと!?」
少し離れたところから、他の女子の会話が聞こえてきた。
「ねえ、彩花、それってほんとなの?」
(.......彩花!?)
麗王は駆け出していた。風のこと、周りの女子のことなんて気にせずに。足が動いてしまったのだ。
(彩花..............)
声を出す瞬間に、気づいた。
もし彩花が自分のことを知らなかったら。変人だと避けられるのではないか、と。
「ねえ、りぃ。」
彩花が隣の子を見ながらう。
「私、この男の子知ってる。」
その時に彩花の表情が冷たかったのは、誰も気づかなかった。
「じゃあ友達ってことだね!よろしくね、男の子!」
「男の子じゃなくて...........」
「唐沢 麗王。君は......?」
これから希望.........の旅が始まる..............................?
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「私は彩花 日和。みんなからは日和って呼ばれてる。」
「私は千賀屋 梨里。ちょっと嫌だけどみんなからはりぃって呼ばれてる。」
「「よろしくね。」」
違う家、違う道、そして違う景色.........そして『出会い』も違う色。
(千賀屋 梨里..........前の記憶にはなかった。彩花の近くに居た人物で似てる人なんて一人も..........)
居た。梨里に似た人物。
クラスの隅にいた女子。少人数のグループで話していたのを覚えている。時々彩花を睨んでいたことも。
(何かあったのか..............?)
「麗王ーー!!いきなり駆け出して...........どこ行ったのーー!!」
風の声がした。しかし麗王は日和との再開、梨里への興味へとで気づかなかった。
「麗...........」
そこで風が目にしたのは____________________
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『俺友達居ないんだよなぁ...........』
『だから風と話せるの嬉しいわw』
『風はすっごい大人っぽいよな!』
『まあこれからも仲良くしようぜ』
『え?どうせ他に友達居るんでしょ?』
『んー。今のところは居ないかな』
『会って少し仕方ってないのにいっぱい喋れてすごい?ありがと』
(言ったのに...........................友達居ないって。ありがとって。言ったのに言ったのに言ったのに言ったのに!!!!!!!!!!!)
そこで風が目にしたのは___________________
初対面の女子と楽しそうに話している麗王だった。
「................っ!!!!!!!!!!!!!!」
風はとっさに壁に隠れ、ボロボロと大粒の涙をこぼした。誰もが体験した、初めての『初恋』そして『嫉妬』。そして『失恋』................................?
千賀屋 梨里→りぃりさん。名前を似せるのが難しいのでりぃをあだ名で出現させました。
あと、まだ空に浮いたら。と空に浮きたい。に参加したい人募集です!!!