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天才ちゃん!8
少し短め。
「おはよ~しずちゃん」
「おはよ!悠ちゃん、昨日はどうだった?」
「楽しかったよ?古宇利ちゃんと江東ちゃんの仲も深まったし。」
いつも助けてくれている、高麗くんの趣味も知れた。
いつもは助けてもらうばかりだけど、これからはお返しができるかもしれない。
「そうなんだ~良かったじゃん。」
「うん。いい子たちだった。」
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「なあ、あいつ、舞ちゃんとななみんと昨日遊んでんの?」
「そうらしいね。しかも仲が深まった?じゃあ完全にあっちの仲間入りか。」
「そうみたい。それとも一方的に勘違いしているとか?」
「あぁ~、あの人のことだし、あり得るね。」
「じゃあ結局わからずじまいか。」
「まあ、あっちよりにはなっているのかもね。」
「そっか…1日遊んだだけであそこまでなるんだ…やっぱあいつ無理。」
「あたしも。あいつが男をたぶらかす限り仲良くなれなさそう。」
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「おっはよ~。」
「おはよ~。江東ちゃん。」
声をかけてくれた!嬉しい!
前は去年までに戻ったなんて考えてたけど、遥かに去年よりいいよ!
喋る人が5人もいるんだよ?これを幸せと言わずなんという?
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やべぇ、また金糸雀さん見てた。
昨日の会話が楽しかったからかな。また喋ってみたい。
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数学の授業だった。
「ここは、ここがこうでこうなるからして、これは証明されるというわけだ。」
先生の話を聞きながら、ぼんやりとする。
問題は、別に難しくもなんともない。
先生はわざわざ嫌われている私を当てないから、話を本当は聞く必要はない。
けどな、通知表はいいんだ。
どうやら、先生に嫌われているわけではないらしい。
あ、そうだ!
昨日、難しい問題集買ったんだ。
授業でできそうなくらいの、であまり時間がかかる問題がないやつ。
ふふんふーん。
あ、この問題難易度高い。私は今日は気分がいい。
昼休み。
「なにやってるの?金糸雀さん」
「え、数学の問題集。面白いよ、解いてみる?」
「面白いの?見せて。」
「あのさ…金糸雀さん、それ、大学で習うやつ。」
ありゃりゃ。高麗くんに呆れられちゃった。
「え?けど高校生でも解けるよ?」
「うーん…まあそんな人もたまにはいるかもね。」
「え?みんな出来るよ。ほら、解いてみる?」
「いや、遠慮する。」
「解けるしつまんないかー。じゃあ、こっちの問題はどう?」
「いや、俺両方解けないから。」
「嘘つかないで。じゃ、解いてみなよ。」
「うん、じゃあそうしようかな。」
………。
「そこはこれを使えばいいじゃん。」
「あ、そっか。えーと、じゃあここがこうなって、」
「で、そこからは、こうすれば?」
「いけるね。すごい…」
「すごくないよ。高麗くんも解けたじゃん。」
「うん、解けたね。金糸雀さんが解き方を教えてくれたからね。」
「一人でも解けてたと思うけどな…」
「じゃ、俺、用事あるから。」
「あ、うん。じゃあね。」
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何今の?みんなできる?だと。けっ、ほざいてろ。そんなのできるやつだけが言える詭弁だ。
授業中も内職してやがって。先生に好かれているし、先生方が教えることができないくらいにレベルが高いのかもしれないが、それでも先生に甘えているうちはだめだ。
そんなことをするくらいなら、学校に来るな。邪魔だ。
お前なんか、先生方が目にかけているだけであって、実際にはいようがいまいがかわらない、どころかいるだけで人間関係に悪影響を及ぼす。
お前がいなければ、きっとこのクラスはうまく成り立っていたんだ。
高麗くんをたぶらかしやがって。
なんでも余裕で解けるあんたと違って、高麗くんは受験勉強に忙しいんだよ。まだ部活も行っているし。それなのに、なぜあんたの我が儘に付き合ってやらなきゃならない?おかしいだろ。
ただ生活するだけで、他人に影響を与えるやつは、今後一切合切喋るな。
…才能があるんならちゃんと開花させろや。中途半端が一番ムカつく。
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