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全てあなたの選択です。 No.3
こちらの都合により追記です…!
えっとNo.1にて、食堂でルラちゃんが変なおっさんに殴られちゃう、みたいなシーンがあったと思います。
あのブラコンシスコン組がB棟だと人数が合わないって言う訳で、あの兄妹はC棟の囚人さんっていう事にします!
そのため、食堂では主にB棟とC棟、A棟とD棟がペアで食事をすると思ってもらえると助かります!
たまにA棟とC棟、B棟とD棟がペアになります。
なんでこんなにグチャグチャなのかは、気にしないで下さい。
こうでもしないと、色々辻褄が合わなかったんです。
意味がよく分からなかったら、もう分からないで大丈夫です!
あと勝手に棟ごとに分けていますが、それは絡み台詞が無いキャラをどう扱えばいいか分からなかった末路なので気にしないでもらえたら嬉しいです!
絡んでほしいという希望も上手く組み合わせているため、問題ないと思います!
まぁ、なんとかなるだろうの精神です。
ならなくても怒らないで、いや怒れるはずないよなァ!?
俺言ったからなぁ!?希望叶わん事もあるって!!!なぁ!?(情緒不安定)
「聞いてくださいよ、マックさんってば酷いんですよ?」
今朝の続きと言うべきか、またフィリップは見回り中に、ダル絡みされていた。
誰とは言わないが、白髪の三つ編みの男に。
「朝食の時、彼の真正面で食事をしていたら三つ編み三つ編みって呼ばれて、あぁ悲しい。せっかく監獄中のみの友人、まさに特別な関係なんですから私の事を名前で読んでくれても良いのに…。もしかして彼はシャイなんでしょうか?」
現在は囚人達の自由時間のため、自身の棟から出なければある程度の移動は認められている。
中々優しい規則だとは思うが、最も平和で楽な時間でもある。
D棟の担当の場合はこんな時間クソ喰らえだろうが。
「いやぁ難しい事も多いけれど、友情は美しい!!見えない絆で結ばれているがきっとそれはキラキラしたものなんでしょう!それは一体どんな姿か…、フフ、想像してだけでも感動してしまいそうですよ…!!」
相変わらずシラは見回り中のフィリップの後ろをつけている。
もちろんフィリップは話をまるで聞いていない。
朝と変わらぬ様子でバインダーを手に持ち、囚人の数を確認している。
だが、いつもよりも顔が死んでいる。
冷酷や悪魔、死人だったりと散々言われているが、フィリップにも感情はある。
無論、薄すぎて四捨五入すれば無いに等しい程だが。
そんなフィリップがこんな顔をするのだ。
気付かないうちに溜まった日頃のストレスも相まって、今日は朝から反乱の鎮圧、その後本部にも立ち寄った。
一般人ならすでにハゲている頃だろう。
「フィリップさん、聴いていますか?我々にもその美しい絆があると思うでしょう?」
とうとうシラはフィリップへ答えを求めてきた。
フィリップは早歩きで背を向けたまま口を開く。
「いえ、全く。」
答えは当然NO。
選択肢が2つあれば、両方NOであってもおかしくない。
「そうですよね、やはり私達には絆に結ばれている。…貴方もそう思っていると信じていましたよ。」
シラのまさかの言葉に、フィリップは思わず足を止める。
今度はしっかりとシラの顔を見て、
「いえ、だから友人では、」
と言った所で、シラは静かにと言わんばかりに、人差し指を立てフィリップの唇を抑える。
「大丈夫、言わなくても分かりますとも。私もこの素晴らしい絆に感動しています…!本当、ここに来て正解だった!」
少なくともフィリップからすれば全くもって大丈夫ではない。
そもそもこの拘置所は出会いのためのものではない。
指を折るかのような力でフィリップはシラの指を掴み、
「いや、少しは人の話を、」
と言うものの、
次はその発言を気にしないかのようにシラは笑みを浮かべ、
「フフフ、ここまで気が合うなんて、親友になれる時も近いでしょうね…!!この調子なら、マックさんとももっと仲良く出来そうです!」
と言った。
「……。」
フィリップは諦めた。
多分自分に似た誰かと勘違いしているんだ、と自己解釈で解決させようとすら思っている。
何も聞かなかった事にして、フィリップはまた足を進めていく。
後ろのシラは何かまだ話しているが、耳にすら通っていないようだった。
すると少しした所で、右目の隠れた気弱そうな少女と長髪の執事服の男が近くまで駆け寄ってきた。
気弱そうな少女が囚人服を着ているのに対して、長髪の男は執事服を着ている事から男の方はアンドロイドだ。
「あ、あの!えと、フィリップさん、こんにちは…。その…、今日は良い天気ですね…?」
右目が髪で隠れた少女は、ぎこちない様子でフィリップに声をかける。
看守に会話どころか挨拶をするのは非常に珍しい。
もちろんそれだけが目的ではないため、どうとも言いづらいが少なくとも正しい教育を受けていたのは確かだ。
「こんにちは、看守。」
少女に続いて、執事服のアンドロイドも丁寧に頭を下げて挨拶をする。
特にこのアンドロイドがよく出来ており、少女に挨拶をするよう促しているのも彼だ。
「…こんにちは。」
フィリップは2人を前に足を止め、素知らぬ顔をしているが、もちろん彼らの事は知っている。
片目隠れの少女はフワシェ・ヴァナロと言い、公衆の場で喧嘩の挙句、相手に暴力などを振るったとされ暴行罪・傷害罪で逮捕。
彼女の隣にいる執事服の男、ラナロも、その喧嘩に加担したとし、ここに入れられた。
たかだか喧嘩。本来なら2年やそこら牢に入れられるだけで済む。
それでもアンドロイドも関われば、死刑を渡される。
これを正義と見るか、理不尽と見るかは人によって変わるが、何を言ってもそれが法となればどうしようも出来ない。
だが、彼女達はそれで片付ける訳にはいかないようだった。
「それで…、どうしましたか?」
フィリップは一度ため息を見せてから、2人にそう問う。
2人は顔を見合わせて頷き、次第にアンドロイドが口を開いた。
「看守、私たちは罪を犯しておりません。証拠はありませんが本当です。」
「ほんとに!私やってないんです!信じてください……!」
ラナロに続きフワがフィリップに縋るように伝える。
そう、彼らは自身の罪を冤罪だと訴えているのだ。
確か、この2人がここへ来てからすぐ、数日に1回は必ず、看守にそれを訴えている。
ただ、たった一度『私がやりました。』と認めたものを取り消すのは難しい。
ここにいるという事は尋問の際、主人である彼女がそう言ってしまったのだろう。
尋問にはアンドロイドの意見はろくに通されない。
アンドロイドはあくまで主人に忠実なものだから。
つまり、必然的に彼女は圧に負けて白旗を上げてしまった事が推測出来る。
その白旗を下ろすのは難しい、という訳だ。
「以前も言いましたが、」
フィリップがその言葉を落とした途端、フワの肩は一瞬ビクリと跳ねた。
ラナロも噛み締めるような悲しい表情を見せる。
「貴方方の話が正しいとして、私には釈放させる権利も力もありません。本部に話をしても、マトモに話を聞かないどころか、下手をすれば私の首が飛んでしまう。」
静かな冷たい空気が辺りを包む。
それには周囲で会話をしていた囚人達も気付いたようで、いそいそと離れ始める。
誰もが、今度は撃ち殺されるのではないか、と思ってしまう程の冷たさだったからだ。
それでも、優しい命を持ったアンドロイドは希望を捨てない目でフィリップの顔を見つめる。
何度拒まれようと、今更諦める訳にはいかなかったのだ。今まで主人のために戦ってきたのだ。
ここまで健気に主人を守るアンドロイドがいただろうか。
シラはフィリップの背中で頭をグリグリ押し付けているだけで何も言わなかった。
そもそも話を聞いているのかすら怪しい。
フィリップは自身の冤罪を訴える2人を交互に見て、次第に足を進める。
シラも黙って後をついていくと、急に足を止めたフィリップに自身の体をぶつけた。
「明日、本部にも話をしておきますが、期待はしないように。」
看守のその言葉に、嬉しさで溢れた2人の笑顔も見ないまま、フィリップは早々と立ち去ってしまった。
「もっと適当にあしらうのかと思ってました。」
ふと、シラが話を終えたフィリップの背中にゴツゴツと頭をぶつけながら言った。
「何故です?彼らはそもそも法に障る事はしていない。真実を聞き入れるのは当然でしょう。」
「そうかもしれませんが…、それでも貴方の首が飛ぶのは嫌ですねぇ…。」
「犠牲は生まれるものですよ。それに看守は人手不足なので簡単には撃たれません。」
「昔はよく撃たれていたんでしたっけ?」
「…それなりには。」
微かにフィリップの右手が、強くペンを握った。
左手に持ったバインダーにも、力がこもったようにも見える。
その様子にシラは気付いていたが、いつもと変わらない調子で、
「いっそ、私が本部の連中を殺しましょうか?貴方が望めば、いつでも殺して差し上げます。」
と冗談には聞こえづらい事を発言する。
やりかねそうなのだ。ここが牢獄だから一層。
フィリップは、表情を変えず人数を確認を続ける。
「私は本部を恨んでいる訳ではないので…。そもそも人殺しはいけません。」
「へぇ、…人殺しの私は嫌いですか?」
シラの言葉にフィリップは足を止め、数秒の沈黙の後、
「……………分かりません。」
とだけ応えた。
「曖昧ですねぇ…。こういうのは、はっきりしておいた方が身のためですよ?ほら、知らないうちに相手を勘違いさせてしまう。」
シラがハハハと軽いアドバイスを寄越すと、フィリップは少しだけ悩んだ末やっと口を開いた。
「嫌いであれば話はしていませんよ。」
シラの顔を見てそう告げると、また足を前へ出して、進んで行く。
シラは一瞬固まったが、次第に嬉しそうな笑顔を見せる。
それ以上彼は何も言わず、ただ無言で彼の後ろを雛鳥のように歩いていった。
好んで話をしたい訳でもないので、好きでもない……、とフィリップが言わなかったせいで、若干1名を勘違いさせてしまっている。
お気付きの通り、すでに手遅れのようだ。
幸せそうな笑顔を向けてくるシラに、嫌な気しか抱かないフィリップ。
だがその気が何かを特定する事も出来ず、またバインダーに顔を向け、気にしない事にした。
それが賢明の判断と言えるだろうか。
斜陽はネオシンセシアの街を照らし、悠々と没んでいった。
その時丁度夕食の時間を知らせる鐘がB棟に鳴り響いた。
あれ、おっかしいな…。
自分のメモ帳で書いた時の字数と合わない…。
なんで増えてるんだ…?普通減るんじゃ……。
あれ、…まぁ良いか。
なんとなく分かってた人もいるかもしれませんが、A棟には罪がマシだったり性格に特別難がある訳ではない人が多め。
B棟C棟は罪がそれなりに重いけど性格にあまり難がない、素直に従う人たちが多い。
D棟はアタオカが多いって感じです。
自身のキャラどこかなって予想したりして楽しんで下さい。
ちなみに個人的な主観と共に、絡みを良い感じに出来るように分けたため、変更は出来ないです。
でもストーリー上では大して関係ないと思います。多分。
また、フィリップは他の看守と違い、前回のように、他の棟で反乱が起きた際、要請されたりします。
まぁ銃を使い慣れてるため、死者が多数出た時の特攻隊員とでも思って貰えればしっくりくるかと。
それに加え、フィリップのみ日替わりで他の棟で看守をします。要するに、決まった棟を担当している訳ではないってことです。
しかし、前回、B棟の責任者はフィリップ、と言いましたが、それには間違いないです。あぁ、もう分からなくなってきそう。
まぁ、何か聞きたい事があれば気軽に質問してください。
こういうの、あまり皆さんに伝えずに脳内で解決してしまうので、気になることはぜひ聞いてくださいね。
次回の次回ぐらいには、別日になっていると思うので、次の棟です。
…いや、もう次回のうちに別の棟行くべきか…?
まぁ今後の事も考えて、次回には…いや、うん、次回には別の棟に行かせます。