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1.FRYの最強ムードメーカー!
今回は紅 杏視線。
「あっっっ……つぅ……」
フラフラしながらも一生懸命足を上げる。足を進める。走る。
っていうか、これもう、罰だよ! ひどいよ! 殺そうとしてる!?
そう思いつつも、周りの空気が「走れ」と言っているような気がする。私の意思とは関係なく、足が勝手に歩を進める。
も、もうだめぇ……。
座り込んでしまいそうになった、その時!
「|杏《あん》!!」
ひょい、と体を持ち上げられた。
心配そうに覗き込んでいるのは――
「し、|椎菜《しいな》~~~っ!!」
私の所属しているアイドルグループ、**FRY**のダンスボーカル、|榎 椎菜《えのき しいな》だ。
メンバーのみんなから可愛がられる存在であり、ライブで豹変する姿。そのギャップがファンの心を掴んでいる。
私が思わず抱き着いてしまうと
「ちょ、苦しいよっ。ていうか暑い!」
と言われてしまった。むむ、確かに暑い。
……ふぇっ? 何よ、|読者たち《あんたたち》。私のこと、もしかして疑ってる!?
そ、そーいえば暑すぎて何も言ってなかった……。
私はアヤシイ存在じゃないからっ。FRYのダンス担当、|紅 杏《くれない あん》! FRYの、最強ムードメーカーだよっ☆
……は? あんたたちまだ疑ってんの!? 「そもそもFRYってなに?」って!?
ゴホン。説明しよう!!
FRYとは、超大人気アイドルグループ! ネットやテレビで彼女たちの姿を見ないことはない、とまで言われてるんだからっ!
私はそこの最強ムードメーカー! すごいでしょっ。ドヤ
「……杏? なんで一人でどやってるの?」
……ハッ!! そうだ、ここに椎菜がいた!
実は私、結構イタいやつなんだよね。それが理由で小学校のころに少しイジメにあっていたんだ。
「なんでもないっ。椎菜! あと何周?」
「えっ、あと……二周、だっけ……?」
「うわっ、早っ!? なんで!?」
「……杏が、そこらへんでぼーっとしてたからだよ……」
的確にツッコまれたけど、まあいいや!!
私はあと四周、気合いを入れ直して頑張るぞっ!
おー!!
次回は杏ではないFRYのメンバー視線です!
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