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【コラボ編前編】文化祭へご招待
「お疲れ。今日はもう帰っていいよ。」
禮士先輩はにこやかにそう言って、依頼金が入った封筒を俺に渡す。
お辞儀をしてから封筒を鞄に入れ、拠点を出た。
出た瞬間疲れがドッと俺を襲う。
くっそ疲れた。
けど、よし。なぜなら今回はいつもより依頼金額が高かったから!!
疲れた体が逆に軽くなるようにテンションが高くなると、無償にスキップをし始めた。
スキップやったの何年ぶりだ?
角を曲がるとき、角の先に誰かがいる気がした。
何だか雫のときもこんな感じだったような…。
俺は角を曲がる直前、咄嗟に避けようと角から離れると、なんとか避けた。
横を見ると、小さい灰色の髪の人と大きいエメラルド色の髪の人が歩いていた。
が、歩き方はなんか大きい方が小さい方を守ってるって感じだな。
小さい方はめっちゃ驚いてる顔してる。
って、その制服…。
「文化祭が近い高校の制服…」
そう呟くと、2人は振り返り驚いた顔をして近づいてきた。
「僕らのこと知ってるの?」
「お前、初対面の人が知ってるわけないだろ」
「あ、そっかー」
「知ってるというか、聞いたというかって感じです。」
俺が知っている理由は、この前翔惺に言われたからだ。
「そういえば、■■高校文化祭あるらしいよ。」
「?なんで翔惺が知ってるんだよ。」
「そりゃあ雅より友達多いから。」
「マウント取りやがったな。」
「本当の事でしょ?」
「僕らの高校の文化祭行きたいんですか?」
大きい方が言う。
「いや、なんとなく聞いただけで、」
「お前どこ校の人?」
小さいほうが割り込む。
「|彗遥《すいよう》高校、です。」
急になんだろう。怖い。殺し屋やってるこっちの方が怖いんだろうけど。
「彗高って確か2か月後に文化祭ありますよね?」
「まぁ、はい。」
なんだ。何が言いたいんだ…。
「彗高の文化祭に行かせてくれるんだったら招待しますよ?」
「え」
「あー確かに!よく彗高の文化祭クオリティ高いって聞くもんね。」
ちょ
「彗高の偏差値70越えだもんな。真面目な人しかいないんだろ。」
待って??
「あの本当に良いんですか?」
別にめちゃめちゃ行きたかったわけじゃなかったけど、折角機会があるんだったら行くしかないよな。
「全然いいですよ。むしろこっちが気になってるんで。」
「…ありがとうございます?」
そう言うと、大きい方が「あ、そうだ自己紹介してないね。」と言い、続けた。
「僕は海原流夢です。」
るむ…珍しそうな名だな。
「俺は成夜霧真。」
かっこいい名だな。
「櫻江雅です。」
なんか自分の名前に自信をなくす…。
「よろしくねー。」
「よろしくお願いします。」
「固いなー。タメ口でいいよ。」
「ほとんど同じ年だろ?」
「…よろしく。」
「そういえばキミって学校帰り?」
「バイト(仕事だけど…)帰り。」
「えこんな遅くまでか。」
「偉いねー。ちなみに何円稼いだの?」
「えっと…今日は15万。いつもは5万位。」
「高くね?」
「まさか闇バイト…?」
「ちげーよ。(いや、闇バイトか?そういえば闇バイトに近い仕事してんな…。)上司に気に入られてるんだ(嘘)。」
「すげぇ。」
「そっちはなんでここに?」
「アイス食べて、うろうろして公園で花火してた。」
「花火って季節ちょっと外れてるくね?」
「スーパーに売れ残ってたから買ったんだ。」
「5割引き!」
「安っ半分じゃねーか!」
「季節外れの花火も、中々悪くなかったな。」
「へー。」
違う高校の文化祭、自分が行くのは初めてだな。
慣れない事だけど、結構楽しみだ。
2人は文化祭で一体何をやるんだろう。3階でやることしか知らない。
先に訊いとけばよかったな。
まぁどうにかなるだろう。
今回コラボさせていただいたのは、ノルラ様の「は?普通、男が少女役やらないだろッッッ???」です。
コラボありがとうございます!後半もお楽しみ!!