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10 冒険にでるわよ②
みやめお #meo
「わかりました、わかりましたから、どういうスケジュールで魔王城に行くつまりですの?」
「ダンジョンクリアしながら向かうわ」
「は?」
ネオが目を丸くして素っ頓狂な声を上げた。
「お嬢様ならやりかねないことですが、大丈夫です」
「どこが」
「私たちもついていけばいいだけの話ですかから」
リリは私のほうを見ながら、また大きなため息をついた。
本当、大げさだわ。
「わかったならさっさと荷物をまとめて! 私もう行くから」
「早い」
ネオはフラーゼ家に来た初日にフラーゼ家を出たのであった。
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「ネオは一階層ぐらいの魔物なら倒せるかもしれないわね」
私を買った主人、ミリアーナが私の顔の高さに合わせて腰をかがませて言った。
「えっ。 私家事しかできないんだけど……」
「大丈夫だってば。さっきも強かったでしょ」
「弱いけど……女に負けたし」
私はぷいっとそっぽを向きながら言う。
「__それはお嬢様が強すぎるだけですよ__」
ミリアーナに聞こえないようにリリが私の耳元でささやく。
「ほら、こそこそしてないで、バレないうちに出るわよ」
「もう夜じゃん」
私はむっとして言い返す。
「夜だからでるのですよ、ネオ」
「夜逃げってこと? 謀反扱いになるよ」
私がリリに聞くとリリはにっこりとほほ笑んだ。
「お嬢様はそれをご承知なのですよ」