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恋する乙女の復讐劇場1
あーもお、どうしようもなく好き。
学校。好きな人の背中を見ながら思う。
あたしの名前は夜奈(よるな)。中学2年生。
彼のことを想いぼうっとしていると、
「夜奈さん。」
突然声をかけられた。
「何っ、え、リョウくん!」
顔を上げると、そこにはあたしの好きな人–––––リョウくんの顔。
固まるあたしを見て、リョウくんは首を傾げた。
「どうしたの?」
「な、何にも。えっと、それで?」
「あ、うん、実は……。」
彼はかすかに頬を染めた。照れている見たい。
まさか、まさかだけど、あたしのことが好………
「遼花(はるか)さんの好きなタイプを教えて欲しいんだ。」
「えっ、」
遼花はあたしの1番の親友。とっても仲が良くて、いつも一緒なんだ。
「ま、待っ、え? つまり、リョウくん遼花のこと、」
好きなの?
頭の中が真っ白になる。
「…、うん。」
恥ずかしそうに頷くリョウくん。今まで見たことない表情を見れたのに、ちっとも嬉しくなかった。
「そう、なの。」
呆然としながら、言葉を続ける。
「遼花…、真面目な人が好きだよ。」
嘘だ。本当は面白くて運動が得意な人が好きって言ってた。
だけど2人が結ばれないためには、こう返事をするしかなかった。
あれ、なんだかあたしって、性格悪いみたい……。
「そっか、ありがとう!」
落ち込むあたしとは反対に、リョウくんは明るい顔。
あたしも笑顔を浮かべる。きっととても歪な笑顔。
「ううん、全然、大丈夫だよ。」