公開中
画家に婚姻を申し込む
彼女に続いて、俺も花を添える。どうするか迷ったが、向日葵を選んだ。
「……」
エディアはただ静かに両親の墓を見つめていた。その目には薄く涙が浮かんでいる。
「お母さんは……お父さんに会えたのかな」
両親を殺した男は幽閉された。それでも、奪い壊された過去は戻すことはできない。
「俺にはわからないが、ルオラ子爵はお前の中で生きている」
筆致はもちろん、振る舞いの中に彼の面影を感じるのだ。
「ヴォルド」
彼女を抱きしめ、伝う涙を拭う。
「エディア、お前は大切な家族だ。お前の為ならなんだってする。不自由はさせない、だからどうか……俺と一生を添い遂げでくれ」