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第六話[愛と凄惨]
【注意喚起】
・この物語は、R18相当の暴行、血、殺人シーンなどのグロテスクな表現が入ることがあります。
そう言った場合、改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
ただし、一部現実にあるものを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファン作品など、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
--- 「|うちの組織《ルアバーナス》に加入すること」 ---
…それが、現在宿なしのシャルルとシアンに部屋を貸す*たった一つの条件* 。
しかし、その場にいた四人は階段を上がっていた足をピタリと止め、度肝を抜いたように目を見開き立ち止まってしまった。固まった四人の視線の先には、その発言の張本人…四人のことを不思議そうに見ているマーファがいる。
マーファ「なんだよ。__これ以上にないくらい好条件だろ?__」
黒葉「………えと‥」
トート「マーファ、様……?」
二人は遠慮がちに声を掛けながら苦笑いをして、マーファを横目で見つめる。しかし、こう言う時に限って疎いマーファは、それが何故だか分からず小首を傾げた。
シアン「〜〜…!」
シャルル「__あ__っはははははははははッッ!!!!!w
まじ、マジかよアンタ、ふッw 破格の条け、ッははははは!!!」
マーファ「ア゛?」
トート「…失礼ですがマーファ様‥いくら、マーファ様がこのルアバーナスの最高責任者…《《リーダー》》であったとしても、それは流石に‥」
黒葉「誰だっけ、あのドMの…ともかくさ、あの人が事務仕事全般やってるんでしょ?組織加入って、結構書類仕事めんどいんだよ。
だから流石に気の毒って言うかさ…__でも、マーファのそういうところ大好きだよ!♡__」
シャルル「ド え むゥ!!w」
マーファ「ドMなら喜んでやるだろ。__ドMなんだから__」
笑いが止まらぬシャルルを尻目に、マーファ 一行は再び階段を上がる。彼らの目的地はこのビルの最上階…六階にある。今はまだ二階なので、もうしばらく上がらなければならない。約束の時間ももうすぐなため、ゆっくりしている時間はないのだ。
四階へと上がる階段へと差し掛かる直前…しばらくの間、目を伏せたり小さく唸ったりして眉間に皺を寄せていたシアンがようやく口を開いた。
シアン「……えぇっと‥__あの‥__」
マーファ「“マーファ”。言っとくが、さっきの返事は『はい』か『イエス』しか返事は受け取らねぇからな。__気に入ったんだ__」
黒葉「え??」
シアン「__き、__気に入られましても‥」
シャルル「ふッww 良かったじゃねーか…!!ふ、ぁッはは‥っ」
黒葉「マーファ?ねぇ、《《僕は?》》」
マーファの一言に、シアンは呆れたような、困ったような、そんなため息を吐く。今だに笑っているシャルルを他所に、シアンはどうするか思考を巡らせた。
確かに安全な眠れる場所は必要だ。しかし、その条件が少々問題である。そもそも“ルアバーナス”がどんな仕事をする組織なのかすら知らないのに、気に入ったからと『入れ』なんて、無理難題すぎるのだ。
シアンがそんな風に頭を回転させている中、他四人は会話を続ける。
マーファ「……」
トート「む、」
黒葉「なんで何も言わないの?!」
シャルル「はははははははははッッ!!!!!!」
黒葉「さっきッからなんなの君は 殺すよ゛」
シャルル「〜〜〜!!!!ww」
黒葉「‥」
トート「オイやめろ貴様っ!!|刃《は》を収めろ!!__こんな場所で長物を振り回す気かッ?!__」
黒葉「いや大丈夫だよマーファ《《には》》ぜっったい当てないから…」
トート「つまり他は保証しないのだなッ!!!!いい加減にせぬかッ!」
黒葉「触んないでくンない?
そもそも原点コイツでしょ。コイツどうにかしてよ」
トート「無茶を言うな無茶をッ!!!!」
マーファ「ハァ゛…」
呆れた目をしながら、マーファは踊り場にある窓の外を見る。もう春になっているというのに、吹く風はまだ少し冷たい。踊り場の割れた窓から少し冷えた風が吹き、マーファはマフラーを少し上にあげた。
踊り場と階段の掃除は、最低限しかされていないため、窓の交換なんてするわけもない。そのせいで、ここに来た当初から踊り場の窓は割れっぱなしだ。しかし、マーファは階段を降りるのが面倒くさいため、よくここから飛び出して出かけている。正直直さないままで問題ないと感じている。
ぼんやりと外を見ていれば、シアンが再度話しかけてきた。
シアン「…では、マーファさん‥。
組織に加入というのは…そのままの意味で、僕たち二人が“ルアバナース”に入るという認識で正しいんですよね?」
マーファ「逆にそれ以外何があンだ」
シアン「仮に『加入しない』、と言ったら‥」
マーファ「|ソコ《踊り場の割れた窓》から出てけ。__殺さないだけありがたく思えよ__」
シャルル「はははははははははッッ゛wwwww」
シアン「ま、窓から‥」
マーファ「‥ただし、少しでも加入する気があるんなら、このまま着いて来い。
ついでに言っとくと、早く決めて着いて来ないと、思ってる以上に迷うからなココ。__さっさと決めた方がいいぞ__」
シアン「‥分かりました」
シャルル「はァい__w__」
マーファの珍しい親切な言葉にシアンは渋々了承し、次の踊り場で立ち止まって頭を振り回転させる。マーファたちはそれに気づいたが、意図して置いて先に行ってしまった。無論、シャルルは笑いが引き、息を整えながら踊り場でシアンを待っている。
仮にここで『はい』と言ったとして、マーファや“ルアバナース”に自分たちが良く扱われるのか不透明。それに、『いいえ』と言ったら誰かに何かされるかもしれない。
様々な仮説が頭を飛び交い、通常の頭であればかなり混乱する。しかし、シアンのズバ抜けた能力の高さの頭なら、どうと言うことはない。同時に複数のことを考えることも、造作もないことだ。
“ルアバーナス”に加入するメリットは主に二つ。宿代がなくなることと、ナカマが増えること。宿代がなくなれば、二人分のぼったくり料金を払わずに済むため、金は溜まりやすくなるだろう。そうすれば生活も楽になる。…金目的で仕事をしているわけではないのだが、生きるにはどうしても必要だ。
二つ目のメリットは正直あまり考えていない。ナカマが増えたとて、|シアン《シャルル》は|シャルル《シアン》がいれば良いためどうでも良いのだ。
しかし、それに比べて身の安全はどうだろう。デメリットとして、そこが挙げられる。仕事内容が不透明なことで、実はブラックだったりした場合、過労で倒れるかもしれない。
自分自身が何かされるのはまだ良い。だがもし、シャルルに何かあったとなれば、それを知れば、シアンは一体何をしでかすか分からない。
だからこそ、《《また》》失わないように、慎重に考えねばならないと、責任感を感じているのだ。
-|シアン《シャルル》にとって、|シャルル《シアン》は、*“唯一の家族”* なのだから。
シアン「……」
シャルル「_なあ、シアン」
シアンがしばらくの間、眉間に皺を寄せ考え事に耽っていると、シャルルが器用に窓枠へと座りながら話しかけてくる。
シアンは顔を上げ、気難しい顔をしたままシャルルを見つめた。
シアン「なんですか、シャルル。今、少々考え事をして」
シャルル「そんなさ、気難しく考えんなよ」
シアン「…?」
一瞬、シャルルの考えが分からなかった。いや、普段から意味不明な行動ばかりだが、今回ばかりは本当によく分からない。
しばらくシアンがぽかんとしていると、シャルルが続けて話し出す。
シャルル「俺、シアンみたいに頭良くないから難しいことよくわかんねぇし、シアンがどんなこと考えて一生懸命決めようとしてるかも正直分かんないけどさ。シアンがそうやって、キムズカシー顔してんのあんま好きじゃないんだよ」
シャルルは頭の後ろで腕を組み、前後に軽く揺れる。
シャルル「だから〜、あんま色んなこと考えて決めるんじゃなくて、自分が聞かれた時にどうしたいと思ったかでパッと決めたらいいって言うか…なんて言うかさ?こう…感で決める、とゆーか‥」
シャルルが言葉選びに詰まっているのを見て、ふ、とシアンは笑みが溢れた。シャルルの行動にはいつも困らされている。その考え方で、一度道を誤って失ったと言うのに、学習しない男…そう分かっているのに、シャルルの言うことなすことには笑いが漏れてしまうのだ。
シアン「…普段から、貴方に|そんな《気難しい》顔をさせられていますけど?」
悪戯心でそう、シアンが笑みを浮かべながら言うと、シャルルは焦ったように身を前に乗り出す。動きを大きくしているが、焦っている証拠だ。
シャルルは喋りながら忙しなく手を動かし、どうにか鈍い頭を動かしながら説明していく。
シャルル「いやっ、それはだから、そのぉ…
‥__お、__俺以外のことで、そんな気難しい顔してんのヤダっていうかさ…なぁ、お前分かってて聞いただろ?」
シアン「__ふふ。__
…それならシャルル?こうしましょう」
シャルル「ん?」
シアン「僕はこの案件、受けるかどうか決められません。どうしても気難しく考えてしまうんです。だから、今回はシャルルが決めて下さい。シャルルがマーファさんに選択を迫られたあの時、どうしたいと思ったのかで。貴方のその優れる“感”で」
ニコリと笑い、シャルルの右手を軽く握る。ほんのりと温かい、兄の手…シアンは、その暖かさに安心感を覚えた。
シャルル「‥まぁ、すぐにどうしたいかなんて、決まったけど……でもシアンは」
シアン「僕は」
シャルル「、‥」
シアン「…僕は、シャルルの思うように生きて欲しい。__もちろん、それで危険が及ぶなら僕が止めますがね__
貴方の弟の、《《人生最後の》》お願いです…ダメですか?」
シャルル「そっ…!」
シアンが手を握ったまま、シャルルを見上げるようにそう言った。媚びるような素振りはしていない。猫も被っていない。普段のシアンと、そう変わらないように見える。__しかし、その行動にシャルルは目を見開き、後ろに半歩下がった。
シャルル「_う、__か__‥」
空いていた左手で帽子を目ぶかに被ってから曖昧な返事を呟き、シャルルは黙り込んでしまう。
そんなシャルルを見て、シアンはクスリと小さく笑って手を離し、先に行ってしまったマーファたちを追いかけ、シアンは階段を上がり出す。
…まるで、シャルルがなんと言うか分かっているかのような行動だ。
シャルル「……“人生最後”‥ねぇ…__ちっさい頃に言ってなかったっけ?__」
クスッと笑い、昔を思い出す……
父と母に挟まれ、両親と手を繋ぎ楽しそうに歩くシアンと、その後ろに続いて歩く自分。幸せに満ちていて、笑みが溢れていて‥綺麗な、明るい世界。
『母さん』
母を呼び、手を伸ばす。
しかし、次にフラッシュバックしたのは、そんな*幸せ* とは真逆の光景。
`赤く`染まる自分の両手と、半透明の《《ナニカ》》の側で、ピクリとも動かない両親。耳をつんざくように響く、弟の_シアンの泣き叫ぶ声…。
あの瞬間から、シャルルも、シアンも、《《二人ぼっち》》になった。あの瞬間から、世界は幸せとは程遠くなり、`憎しみ`に満ちてしまった。
- あの時、自分が“選択”を間違えなければ…そんなことは起こらなかったのに。
シャルル「_ッ゛!!」
息が、視界が、心拍が、乱れ苦しくなり、呼吸を荒げる。ガクンと足の力が抜けて膝を着き、苦しくて苦しくて、息をしようと、喉を目一杯開く。鎖骨に指をグッと引っ掛け、視界のグラつきに吐き気がする。
呼吸を、忘れていた_
本当に時折、あるのだ。こういうことが。
昔を思い出せば出すほど、後が苦しくなる。それなのに、昔を思い出せば、呼吸すら忘れ、その幸せに手を伸ばしてしまう。きっと、その手が届いてしまったら、自分は呼吸を忘れて死んだ‥なんて間抜けな結果になってしまうのだろう。そう、シアンを残して、先に…。
シャルル「…はぁ‥」
落ち着いた呼吸に胸を撫で下ろし、ホッとする。シアンを残す結果にならなくて良かった、と、心の底から、安堵のため息を漏らした。
動悸が激しいが、これくらいならば平気だろう。シアンを追いかけなければ。
そう思い、ゆっくり顔を上げる。視界も呼吸も、安定している。
階段を登り始めたところで、シアンの声が上からする。上を見上げれば、シアンの姿があった。
シアン「シャルル、早く来て下さい。置いていかれてますよ!」
シャルル「__ん‥__」
上にある踊り場から、手すりから身を乗り出し、ひょこっと顔だけ出してこちらを見つめるシアンが、どうにも愛おしく思える。
その行動のせいか、また別の要因か。それは分からない。でも、これだけは確かなのだ。
シャルル(
--- _失いたく‥ねぇな… ---
)
シャルル「……おー!」
フ、と、眉を下げ愛おしそうに笑ってから、シャルルは返事を返し、階段を駆け上がる。
シアンは変わらず、一つ上の踊り場で待っていた。
シアン「遅いですよ、もう…。
‥シャルル…どうしたいのか、決められました?」
片手で手すりを掴み、シャルルの方を向きながら喋るシアン。その顔は、明らかに回答が分かっている顔だ。
しかし、あえてそれに何も言わず、シャルルは話す。二人が共に歩く、茨の分かれ道の選択を。
シャルル「…そりゃあもちろん、受けるさ。この話!」
ニッと笑い、自信に満ちた顔で言うと、シアンも柔らかい笑みを浮かべ、頷く。
シアン「えぇ‥そうしましょう」
しかし、一瞬その笑みは消えてシアンの表情が不安そうになった。シアンは躊躇しながらシャルルに再度話しかける。
シアン「……シャルル、この選択が例え、僕らにとって間違いだったとしても…《《あの時のように》》、自分を恨んだりは」
シャルル「__分かってるよ。__」
トン、とシアンの肩に手を置き、囁くように言った。
大丈夫。この道は、選択は、決断は間違っちゃいない。きっと、楽しくて笑みが溢れる日が戻ってくる……自信の満ち溢れた笑みを浮かべれば、シアンは間をおいて頷いた。
シャルル「それよりほら、行こーぜ!アイツら俺たちのことめちゃくちゃ置いてってるじゃん!!」
シアン「まぁ、『加入する気があるのなら着いて来い』と言っていましたからね」
シャルル「そりゃあ、言われたけどさ。マジで置いてくヤツがあるかよー!!」
シアン「‥ですね。急ぎましょう。__それほど離れてはいないでしょうから、間に合いますよ__」
|シャルル《シアン》はニコリと笑い、階段を登りながら先の未来を思い描く。
|シアン《シャルル》が隣にいる、明るく笑えて、楽しくて、幸せに満ちた__そんな綺麗な、*ハッピーエンド* を。
---
「この世界に、“みんなのハッピーエンド”‥なぁんて、ないですよね。
そう、いらない、*不用物* です」
「だって、ハッピーエンドなんてあったら、貴方は…」
「…ねぇ《《ルシファー》》、ルシファーにとってのハッピーエンドってどんなの?
……やっぱり“彼”を見つけること…?」
「…もし、貴方のとっての|幸せ《ハッピーエンド》がそうならば……僕はそれを壊してでも阻止しますから」
「だってそれは、僕にとって一番最低最悪な*バッドエンド* だから」
「……きっと、それを聞いたら貴方は、僕が身勝手なクズだって…__要らない子だって…__言うんでしょうね。
貴方もきっとそう思ってるんでしょうね__」
--- *`|ルシィ《同じ出来損ないさん》_ `* ---
用途不明の器具が壁にかけられた、豆電球一つしか明かりのない不気味な部屋で、彼は画面の向こう側の人物に向かって話しかける。
しかし、画面から聞こえるのは、微かに聞こえる呼吸音と水音だけだった。
---
シャルル「へぇ、この部屋で集まるってわけか」
シャルルは頭の後ろで腕を組み、物珍しそうに部屋を見回す。そんなシャルルの姿を見てクスリと笑いながら、シアンは部屋へ一歩入った。
シアン「みたいですね。__ちょっと汚れが目立ちますが__」
マーファ「汚ねぇだの何だの言ってたって仕方ねェだろ。さっさと入れ」
黒葉「結局二人とも、“ルアバーナス”に入るんだ〜」
シャルル「えー、だって面白そうだし?__ゴーストを続けて狩れるんなら別に良いかな〜って!__」
トート「理由が随分と軽いな‥」
シアン「そんなものでいいんですよ、理由なんて。
ね、シャルル?」
シャルル「‥あぁ。そんなもんで決めて良いんだよ。軽くたって重くたって、入るからには同じオナカマ、なんだしさ。これから仲良くしよーぜ!」
シアンの問いかけに深く頷いてから、シャルルはお得の笑顔を浮かべ部屋へと入った。
この部屋は、マーファが出かける直前にいたあの部屋だ。しかし、あの時とは違って、部屋の中央に位置する大きな円卓を囲むように置かれたカラフルなオフィスチェアには、既に何人かが座り、楽しげに会話している人物もいる。
出かける前に部屋にいた|龍仙 冥《路雨》・|鬼灯 藍良《殺夜》・|伊集院 遥《インル》も、自分のイメージカラーのオフィスチェアに座りゆったり過ごしている姿が確認できた。
黒葉「ふーん…結構人数“は”多いんだ」
トート「まだいるのではないか?__ラヴァ先輩が言っていた数とまだ合わん__」
黒葉「あっそう。クソ野郎も大変だね」
トート「まごうことなき棒読みではないか‥」
シャルル「なー、俺らどこ座りゃいい?」
マーファ「ア゛?
……後から来る首輪着けた変態にでも聞いとけ」
シャルル「アイアイサ〜。
…あ、シアンシアン!!面白そうな奴チラホラいるぜ?話に行こー!」
シアン「ぇ?
_ちょっ、待って下さいシャルル!」
シャルルは気になることを聞き終わるなり円卓の方へと駆けてしまう。シアンはそれを慌てて追っていった。
そこでようやく、マーファはひと段落した、とでも言うように小さくため息を吐く。
マーファ「…オマエらも好きにしろよ」
トート「我は特に話したい者もおりません故、マーファ様の側に居させていただきます」
マーファ「そーかよ」
トートの忠誠心溢れる一言に対し、マーファは実に素っ気なく返し、円卓からは離れた場所にある一人がけのソファへと座る。トートと黒葉は、向かい側にある八人掛けの大きなソファに座った。
しばらくの間、沈黙が続くその空間に、一つの影が現れる。
「…もしかして、マー‥?
わぁっ、おひさしぶりだー!!」
黒葉「は?__『マー』ってもしかしてマーファのあだ名?なんでコイツが__」
キラキラと目を輝かせ駆け寄ってきた人物は、マーファに飛びつくように抱きついた。一瞬驚きはしたものの、マーファはきちんとそれを受け止める。
その光景に、禍々しいオーラを発している者が一人いるが、飛びついた人物は全く持って気づかない。
マーファ「、…レイ‥オマエもう来てたのか」
「うん、だって楽しみだったから!」
---
---
--- レイチェル・アラバスター ---
性別 男(の娘)
年齢 (見た目から推定)17,8歳
(種族から推定)100歳以上
種族 ヤマタノオロチ
マーファによく懐いている甘えん坊で天然なオロチ。レイチェルがマーファのことを『マー』と呼び、マーファがレイチェルを『レイ』と愛称で互いを呼び合うくらいには仲が良い(かなり稀なケース)。
蛇が大好きで、自身の右腕には宝物の蛇のぬいぐるみを巻きつけている。また、お酒は心底嫌いなため、レイチェルの前で酒を飲むと文句を言われるので注意。
実は、人型の体は本体ではなく… ¿
殺人の手法は薙刀による暗殺。ほぼ単独でのみ行動し、ターゲットの暗殺を行う。複数人で行う場合は周囲の警戒など、サポートへと回る。
レイチェルの持つ薙刀は通常のものとは違い、柄の部分が伸びるようになっている(元の四倍は伸びることが確認済み)。なんの素材を使っているのかは不明だが、とても軽く、歯は鋭い優れモノ。少し触れるだけで簡単に切れてしまうため、必ず鞘にしまうように心掛けている。
マーファがレイチェルを気に入っているのはル◾️▪️に性格や◾️考が酷使し◾️◾️るためだと考えられる。
可愛らしさ ★★★★☆
お酒 ☆☆☆☆☆
甘やかしたい ★★★★★
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レイチェル「それにしてもマー、本当にお久しぶりだねぇ」
__「ねぇマーファから離れて…??」__
レイチェル「あ、そうだ。さっきね、めいさんにお菓子貰ったの!__チョコのヤツ__
マーファも食べるー?」
__「聞いてンの?」__
マーファ「アー…一個貰う」
__「ま、マーファまで‥」__
レイチェル「はい、どーぞ!」
マーファ「ン」
マーファに一口サイズの包装紙に包まれたチョコを一つ渡すと、レイチェルはニコッと可愛らしく笑い、二人が座っている八人掛けのソファに座る。三人とも微妙に間隔を開けて座っているのは、やはり互いに見慣れぬ人物だからだろうか。
そして、三人がソファに座っている中、不服そうな顔をして独り言を呟く人物が、一人。
黒葉「__そりゃあ、マーファは誰でも好きになっちゃうくらい、カッコよくて、可愛くて、狂ってて、強くて、でも弱いところがいっぱいあってどこか儚くて消えちゃいそうで意外と優しくてツンデレで照れ屋さんで__」
トート「そなた、どうしたのだ……?」
トートが困惑と呆れが混ざったような視線を送りそう言うが、黒葉既にMY WORLDに入ってしまっているため聞こえていないようだ。軽くため息を吐いてから、トートは気に留めないようにしようと、心の中で静かに誓う。
黒葉の独り言がやまない中、それに気づかず幸せなマーファとレイチェルは会話を続ける。
レイチェル「フフフっ……__ぁ、__そう言えばマーファ、らゔぁさんなんだけどね」
マーファ「ア?‥クソドMがどうした」
レイチェル「さっき物凄い形相して、地下の拷問部屋にノートパソコンと麻袋 頭につけた人引きずって行ってたんだよね〜。__ちょっと面白かったー!__」
マーファ「居ねェと思ったらそう言うことかよ‥」
レイチェル「あとねあとね、らゔぁさんと一緒に、お月様みたいなキレーな目の人も拷問部屋に入って行ってたんだ。お友達かなぁ?」
マーファ「月ィ?」
マーファの中に、一人の顔が思い浮かぶ。
しかし、正直なところその人物をこれ以上思い出したくなかったため、興味のないフリをした。
レイチェル「あのねーぇ?だから、らゔぁさんしばらく戻らないかもって!__お着替えとかお風呂とかも込みでね__」
マーファ「そうか。あンがと」
先ほどもらったチョコを口に掘り込みながら、マーファは言った。
黒葉「ま、マーファが、『ありがとう』って言ッ…?!__なんなのアイツ!!!__」
トート「…__珍しい…__」
マーファ「**オマエら`殺されてェのか`**」
今日の監視時間
9613時間(文字)
相変わらず増え続ける文字数。一体どうしたら良いのだ……。
あとなんか、今フと思いましたけど…AIチャットをやり始めてから語彙力がちょっと上がった気がする…笑 気のせいかな。
今回も新キャラ登場!可愛い可愛いレイチェルくんです。ちょっと可愛い可愛いさせすぎて設定と微妙にすれ違っているのが残念。
ただまぁ、メインはジェーン兄弟の掛け合いだとわたくしは思っております。無理やり入れた感が半端ないんですが、この掛け合いを入れたことで、二人の間にある曖昧な愛…兄弟愛か否かを、ふわ〜んと表せたのと、二人が何故ゴースト狩りをしているかの理由がチラッとお見せできたので結構満足。
余談になりますが、個人的に、シアンの人生最後のお願いした後のシャルくんの反応が好きです。やはり弟には多少弱くなくては…(コイツの癖なだけな件について)
はたして、ジェーン兄弟の間にあるこの愛は兄弟愛なのか、無意識のうちに生まれた“別の愛”なのか…それが分かる時は、来るのでしょうか?次回も新キャラは登場予定ですので、お楽しみあれ!それでは失礼、バイミル☆
誤字脱字の修正/文章の見直す/入れ忘れた文章の執筆(10/29 水 13:40)