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目が覚めたら転生してました。それはいいとしてなんでスライム娘なの?
雪凪
「今日、やっとこの家から亜種族を追い出せるわ。さすがの私も生まれたばかりで追い出すのはすぐに野垂れ死んでしまうことに哀れに思ったから、一年間育ててあげたんだから感謝しなさいよね。」
と、そんな声が聞こえてきた。亜種族?生まれたばかり?一年間?一体何を言ってるの…
目を開けると、全く知らない小綺麗なおばさんがニヤニヤして視界には映っていた。
あぁ…そうか、僕は転生してしまったのか。前世の僕は見た目は普通で、クラスの陰キャでコミュ障で性別は…男性、だったはず。
意味がわからなくて、ふと天井を見つめるとキレイに手入れされているようで鏡でもないのに反射して僕の今の姿が見える。美しい水色と透き通るような白色の境目がぐちゃぐちゃの髪の毛、そして透明感のある髪の毛の両方のカラーが混ざったかのような色。
これは、高貴な家なら嫌われそうだなぁ…そういえば、このおばさんは亜種族って言ってるけど本当に人間じゃないのかな、一応人の形だけど‥
すると…
「出発するわよ、馬車を出しなさい。」
さっきのおばさんの声が遠くから聞こえてきた、そんな声がだんだん近づいてくる。
そして部屋に入ってきておばさんが僕を持ち上げる。
「今日でこいつに触れるのも最後になると思うと、せいせいするわね!!」
どうやら随分、ご機嫌のようだ。するとおばさんは僕を持ち上げたまま馬車に乗り込む。
外は夕暮れ時のような暗さで、馬車がガタンゴトンと揺れて動き始める。
しばらくすると馬車は止まって、僕を外に投げて走り去っていく。
何気に、投げられたの痛かったんだけど!?
僕は試しに前世で読んでいた小説みたいに唱えようとする、もはやテンプレみたいなものだ。
「しゅてーてぁす おーふん」
幼いからか、ただ噛んだだけなのか、うまく声が発せなかったが、ちゃんと開けたようで安心だ。
名前 コルヌミア・ラス(愛称︰?)
種族 スライム娘
レベル 1
体力 100
魔力 100
防御力 100
攻撃力 100
適正属性 無
ユニークスキル スライム化(極)、液状化(極)、擬人化(極)、薬調合、支配、液体操作
エクストラスキル 触手操作、鑑定、アイテムBOX、覇気、吸収、消化、吸収生成
加護 無
称号 半端者
状態 半液半人 右も左も判らぬ愚者(笑)
おいおい!!愚者ってなんだよ、愚者って!!かっこ笑つけるな!!
確かに何すればいいかはわからないけど…そこまで言わなくてもいいだろ。この半液半人って半分スライムで半分人ってことか?なら、このスキルにあるスライム化か、擬人化ってのを使えばこの称号も消えるのでは?
スキルって念じれば使えるんかな?
“擬人化”
すると髪の毛の水色と白色の境目が消え、真っ白な繊維の細い髪の毛になった。先程のおどろおどろしさはなくなって、可愛らしい人間の女の子の見た目になった。じゃあスライム化は?
“スライム化”
さっきとは打って変わって、真っ白な髪の毛が、海の色へと変化した。それに、髪の質感がサラサラとした質感からゼリー状のプルプルとした質感になった。+髪の毛の全てに神経が通っているような感じがする。その神経に力を込めると自由自在に動かせた。これは人前でスライム化しちゃダメだな。
「ちっ…」
あのババアムカつく!!貴族になって復讐してやる!!貴族になるには、孤児院に入って養子にもらってもらうか。
僕は復讐を決意して、ここから最も近くにあった孤児院を訪ねた。