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きゅうばん
エロくないけど、フェチに全振り。
心臓検診。約2300文字
小学校に入学して数日が経った頃、「心臓検診」がありました。
心臓検診とは、一体どのようなものでしょうか。心臓がちゃんと動いているかどうか調べるという、心臓に特化した検査です。
小学校になると、運動量が飛躍的にアップしていきます。水泳学習、シャトルラン、運動会、持久走など。
心肺機能に負担がかかる運動が多くなりますから、心臓に病気がないか、不整脈がないか、授業開始前に心臓を調べる、というのが心臓検診の趣旨です。
小学1年生は全員心臓検診を受けなければならないと法律で決まっているということで、彼らはみな教室から列を成して図工室に向かいました。
当時のその子たちは、まだ入学したばかりなので、普段図工室とは一体何をするところなのかわかりませんでした。印象をあげれば、汚い。教室よりも広いけど、机や床が汚い。そういったところでしょう。
もう心臓検診は、始まっているようでした。
彫刻刀で傷つけられ、絵の具の飛び散った図工室の長いテーブルの上を、テーブルクロスを敷くように、白いシーツがかけられていました。
そうやって簡易ベッドを作り、検査中の生徒たちは硬い机の上で寝転んでいます。
検査をしている人たちはみな、上半身の体操服をめくられ、白い胸を出していました。
図工室の硬い簡易ベッドは横に並べられており、1番、2番、3番……という風に数字がつけられています。白衣を着た看護師さんが、ベッドの周りにいて、電子機器を操っていました。
図工室の隅の方で体育座りになるように指示されました。
新小学生たちは、男女混合でそのようにし、目の前で今まさにやっている心臓検診について、興味深く眺めました。
特に説明をするわけでもなく、出席番号順で看護師に呼ばれ、簡易ベッドの上に寝転んでいきました。
ついにその子の出番になりました。
その子は5番のベッドに案内されました。
看護師は女性のかたで、名前を確認してから、頭はこっちで足はそっちね、と仰向けになるように指示されました。また、胸をはだけるようにも言われました。
その子は体操服のみを着ていました。
下着は教室で脱いできて、素肌に体操服というものでした。
その子は女の子でしたが、まだ小学一年生と年齢が低いこともあって、肌着のない服装に違和感を持つことはありませんでした。もちろん乳首の感度も普通でした。
ともかく簡易ベッドで寝転がってから、看護師の言う通り体操服を首元へ引き上げるように、裾を持ってめくりました。お腹、へそ……、が見えてきます。それ以上は恥ずかしかったのかやめたようでした。
その子は、自分の胸は人に見せてはいけない部分だと思ったことはありませんでしたが、胸に対してなぜか恥ずかしさを覚えました。
上半身を自ら露出するこの行為に、若干の恥じらいを覚えて中途半端なめくり方をしました。へその上あたりで止め、胸は隠しました。
看護師が振り向き、その子を覗くように頭を下げました。
「もうちょっと上げましょうね〜」
と言って、上げ方の甘い体操服を掴んでその子の首元まで引き上げました。
この時に初めて、その子の平らな胸が公然に公開されました。ということはもちろん、乳首の色も人に見られるようになりました。
看護師は、その後取るに足らないという風にして次の工程の準備をしています。
しかし、先ほど言った通り、ここは図工室。
仕切りはなく、近くに順番待ちをしている同年齢の子供たちが体育座りをして待っています。男もいます、女もいます。
先ほどの順番待ちをしていたその子の通り、興味深く検査をしていた子供を見ていました。
入口からまた新たな集団が入ったり、検査を終えた者がチラリとその子の無防備な胸や乳首の色をみたりしていました。
看護師は、大きな洗濯バサミを持っていました。それで、左右の手足を挟みました。
痛いほどではありませんでしたが、それでその子は、少なくとも身体はカチコチに緊張していました。身動きが取れなくなったからです。
本邦初公開された乳首も、本人の緊張を受けて、少し硬くなっていました。
「アルコール消毒しますね」
看護師は、特に気にすることなく、胸全体を消毒綿で拭きました。
電極をつける範囲をアルコール綿で拭います。アルコールが乾く時のひんやり感を味わいました。そして、胸の上と脇腹に電極をつけていきます。
目視では視認できなかったのか、看護師の指は、その子の胸を触れていました。
その子の鎖骨のところから、下にかけて。
とん、とん、とん。
指で軽く押して、肋骨と肋骨の隙間を数えていました。正確な場所を確認したあとに、丁寧に電極を付けました。
電極は、吸盤タイプのものでした。
付ける時に皮膚の表面が引っ張られ続けます。なんかくすぐったい感じがします。
それが四つも五つもあり、脇腹にも装着します。その子の身体は、緊張で固まっていましたが、そのくすぐったさによって、幾分か力が抜けたようでした。
しかし、
「動かないでくださいね〜」
と、看護師が声を掛けると、ようやく検査が始まるのかと、身を固めました。
検査中、ドットプリンターのような起動音が鳴り、何やら紙を吐き出しているようです。看護師はそれを集中してみており、今まさに自分の心臓を検査されているという感覚を抱きました。
取付けられた胸の電極を見ると、呼吸で上下運動をする動きとは別のものが見られました。ピクッピクッと、細かく動いています。
これが心臓の動きなのだと気づきました。
トクン、トクン……。
目を閉じると、いつもは感じないはずの鼓動が、聞こえたような気がしました。
一分程度で心電図検査は終了しました。
電極を一気に取り去り、手足の洗濯バサミが外されました。
その子はふうと息を吐き、体操服を下げ、上体を起こしてベッドの上から立ち上がりました。
襟元を持ち上げて、胸を見下ろすと、うっすら跡が残っています。吸盤の跡でした。
その子は特に心配するわけでもなく、図工室から廊下へ、でていきました。
プロット
学校の内科検診や心臓検診 小中学生
1.教室で体操服1枚になって図工室に入る。
2.緊張した面持ちで、仰向けでそのまま寝る
3.体操服がたくし上げられて胸やおへそがあらわになる
4.身体をチェックされてアルコール消毒される
5.吸盤を付けていく
6.心電図検診
ちゃんと規則正しく動いているかな
7.吸盤を外される