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RETIRE
作者の話とは一切関係なく、作者の世界線のまったくの創作です。
『結亜ちゃん可愛い~!!』
『結亜ちゃんとFFになれてほんと良かった❥』
電子音と共に次々と流れてくるDMの返信を私はためらった。
『ありがとう!!ウチも嬉しいよ❥』
本当は皆そんな事思ってないなんて知ってるよ。
でも、実際文面で来ると嬉しい。
現実でうまく行ってないから私に向けられるのは悪ばかり。
「結亜うざいよね。」
「そうそう!いっつも話の邪魔してきてさ、目障り。」
「ちょっとウチらがかまってやるとさ調子乗って暴言とか吐くの。
それが当たり前みたいに。」
「死にたいって言ってるんだから早く死ねばいいのに。」
こんな事言われたら学校にも生きたくなくなる。不登校のクソ陰キャ。
FFが私のリアルの顔見たらドン引くだろうな。お前もそこそこのブスのくせにねw
底辺同士の闘いなんてみっともない。
でもねたまにいるんだ。自分のこと勘違いして実写あげちゃうコ。
私はそういう人見ると「バーカw」って笑っちゃう。
裏垢でこっそり「🤮」っていうリアする。私は上げてないからそうやって笑ってられるの。
「みんなが実写上げてよって言うから上げた。」
それで普通上げるかよ。少しでも自分のこと可愛いって思っててそれをみんなに見せたくてしかたないから上げるの。個人情報漏洩してるけどだいじょうぶそ?
こんなにさ嫌な思いしてるのにネットやめられないのはなんでだろ。
…リアルで居場所ないからか。
ネットしか私を認めてくれないからか。
でも、ネットで失ったこともたくさんある。
私はずっとG-TARKのりんな君が大好きだった。
りんな君とキラ君のカップリングも大好きだった。
それ関連でネッ友になった子もいた。りんな君に関しては同担拒否だったけどフォロー来たら返さないと嫌われそうでプロフの「しゅな君に関しては同担拒否❥」って所を消してフォロー許可した。
『りんな君好きなんだ!私も!
これからよろしくお願いしますっ』
よろしくじゃないから。先にプロフよんで絡んでこいよ。そんな思いを潰して
『そうなの!りんな君かっこいいよね~!
MISAちゃんも好きなの?こちらこそ仲良くしてくれると嬉しいな!』
『大好き!特にりんキラコンビ最高』
カップリングまで同じだったなんて…その時点だったと思う。私が自分の気持ちを押し殺し初めたときは。りんキラコンビは私だけのものだけどここでうまくいきていくためにはきっと多少の我慢も必要だよね。りんキラコンビが好きということを隠して半年ぐらい仲良く関わってた。
もう私は限界だった。日々のつぶやきとかもりんキラコンビの話をしないようにしたし推してる2人組を聞かれたときは別のコンビを言っていた。
もう、充分我慢したと思う。私、頑張ったと思う。
自分のフォロワーの欄を押して「MISA」というユーザーを探し「フォローを外す」所を選択した。
もう関わりたくなかったから「ミュート」「ブロック」もした。
これなら私が何を投稿しても自由。ああいう女は自分のフォロー外した人をしっかり確認するから私がフォローを切ったことはすぐに分かると思った。
それでもときは流れてった。MISAから何も来ない日が続いた。
ある日、私と仲の良いぷわという子からMISA」の話を聞いた。
『突 然 ご め ん ね 💦
M I S A っ て 子 、 結 亜 ち ゃ ん 知 っ て る ?
そ の 子 が こ ん な 文 面 送 っ て き た の …
何 か 合 っ た な ら 話 聞 く よ ?
う ち の こ と は い つ で も 頼 っ て ね !』
可愛さだけ重視した空白だらけの読みづらい文を読んで私はびっくりした。
『結亜きもい。
急にあいつブロって来たんだけど
りんなの同担とかきつい。どー考えても結亜にりんなは似合ってないでしょ。
ぷわに言ってごめんm(_ _)mどーせリアルでも友達いないくせにw
ぷわもフォロー切ったほうが良いと思うよ。きもいし。結亜そういうやつだった。』
こんな文面の写真も送られてきたんだから。
…結局信じた私が馬鹿だった。
送られてきた「好き」も「嬉しい」も全部仮面だった。
こいつらはどこまで言っても結局人間なんだ。
言うならさ、直接言ってくればいいじゃんか。
別にぷわ越しじゃなくてもさ。
だからといって私が直接言えるかって言ったらそうじゃない。
私だって知らんぷりをして「MISA」なんて居たっけ?って感じで強制的に脳みそをシャットダウンさせる。お互い弱い。こいつもどうせ弱い。リアルでは私と同じ。
そんなやつがよく言ってこられるよな。そんな人からの「好き」を信じた私も馬鹿だよな。
もう私は限界だ。
『もう、死にたい。
私はずっと隠してきた。嫌われたくなくて。でももう限界が来たの。
どうして悪口を言うの?どうして黙っておくことが出来ないの?どうして好きを共有できないの?
どうして対して好きでもないくせに好きとか言って関係作ろうとするの?
こんな結亜でごめんなさい。私をフォローしてくれたFFさんありがとう。』
結局かまってもらいたいだけでこんな文面を送った。
数時間後あのアプリを開いてみると「🤮」のリアがされていた。
アカウント名は…MISASABU…みささぶ…MISAサブ。
MISAのサブ垢だ。私にも回り回って来た。加害者っていう罪の重さを感じた。
私はMISAを許さない。復讐心で固まった私の心はぷわの「❤」が送られてきても変わることはなかった。