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2話 貢献
「死刑の決まった人間の思考データを取る」
ある心理学者が言った。
「死刑の決まった人間のデータをとり、死刑囚特有の思想データとして保存する。 容疑者にその思想データが確認できたかを調べれば、死刑囚の識別は可能である。」
この案はすぐさま取り入れることになった。
それは、「国民からランダムに選んだ100名に、死刑を言い渡す。そして、周りの人に決して死刑になったと伝えてはならないと警告する。死刑をバラした場合、その日すぐに死刑を執行する。」
この条件のもと、実験は、開始した。
人権保護団体からは批判の嵐だったが、「100人の犠牲で、全国民、いや、国外逃亡によるものを考えれば、全人類が救われる」と言い切り、それ以降、反対意見に一度も取り合わなかった。
、、、これが、「貢献死刑人制度」の始まりだった。