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ニセモノサン、マタネ
ニセモノサン、ソレハキミダッタ。
ニセモノサン、マタネ
20xx年。
ある女性科学者がクローン技術を生み出した。
街にはクローンが溢れかえり、それが日常となった。
だが、自殺・行方不明者が多発した。
死にたけりゃ偽物を置けばいい。
独りになりたけりゃ偽物を置けばいい。
20yy年。
クローンが殺人を犯した。そのきっかけとなったアーティストは逮捕され、遺体やら行方不明者の場所を吐かせた。
だが、一人の少女の行方だけは頑なに話さなかった。
結局話さないまま諦めて、いや死んだと断定したのか死刑が決定した。
そう、世間には伝わっていたのだ。
「この出来事からもう24年ですか。随分経ちますねえ。そろそろ、吐いたらどうですか?」
ある男警官が諭すように呟いた。
「オレハニセモノワカラナイ。」
犯人であるアーティストは自分は偽物であると主張している。
「そんな嘘に我々ずっと騙されてきたんです。
逃した人数で言えば、全国合わせて二万人。もう騙されません。」
「ソンナノ、シラナイ。…ニセモノサン、マタネ。」
「は?」ーend