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さよなら同盟 (空白なし) 弐
じゃあもうっ…
死なせてよ、?
一等星に、なりたいの…!
寒いのに、何故かないこは袖を捲る。
それで、大きく空に手を伸ばす。
もう、朝なのに、満天の星だなと
今更思う、。
そこで、見えたんだ。
あ、ないこもなんだ、って、
ないこでも、やるんだ、って、思った。
自分の、罪だと思ってたのに、ふっと心が軽くなって、
存在が許された気がしたんだ。
「ないこがやってるなら、大丈夫」
「ないこがこうしてたからこうする」
「ないこみたいにすれば大丈夫」
そんな考えが頭をよぎった。
全部、いつも俺が考えてること。
自分の意思を持ってないな、って思った。
ないこは意見を出してくれるのに
ないこは頑張ってるのに
何時も俺は「ないこと同じ。」っていう。
そんな自分捨て去りたい。
あ、これって、ないこに___してるんだ。
じゃあないこがいないと生きていけないじゃん、
桃)まろが話すターンだよ
青)あ…、ごめん、
桃)ん?まろ、どうしたの、?
青)あ、ううん、なんもないで、
幻聴かな、
でも、なんか話さなきゃ、
と思って気づいたことを言ってしまった。
青)ぁれ、?ないこ、手首切《りすか》してんの、?
正直、こんなこと言っていいのか、と思った。
何時もは、「ないこと同じ。」って黙ってる癖に、
こう云う時だけうるさくて、
やっぱ死んでしまえよって思う
桃)ぇ、あ、うん…!疲れちゃって笑
ほら。ないこも、こまってるじゃん、
青)俺も、笑
言ってみて気づいた。
俺って、なんも考えてないじゃん。
「俺も」。って言われて、なんて返す、?
「一緒だね、嬉しい」、なんて、このことについては言えないし
「うわ、俺より酷いね、大丈夫、?」とも
「俺よりは、してなくて偉いね、」言い難いはず。
俺は、返答する相手を考えてない。
ないことは、違う。
ないこはこう云う時、なんて云うだろう。
俺も切ってるよ、って云いたい時。
「俺もだよ、。まろがしてるなんて、びっくり。
まろは、体大切にしそうなのに、」
自然と、ないこの声が聞こえたような気になる。
ないこは何時も、俺と比べる時。
「まろは__だから、すごいね」
って、俺のことを褒める。
其れで俺が、
「そんなことないで、」
って、謙遜する。
ないこはそれを、
読んでたんだ。
さっきの例でも、「そんなことないで」って、言えちゃうじゃん。
ないこは、なんて返すだろう。
「俺も、笶」って言われたら、なんで返すだろう、。
桃)まろは、腕切《あむか》なんだね、
新しい風が吹くような、
暖かい空気が漂った。
_______________ないこSide
まろが同じ心情なんじゃないかって、思って、
袖をわざと捲ったんだ。
想定してたことが返ってきて、なんだか心が弾んだ。
まろも死にたいんじゃないかって、思ったら、
その醜い腕さえも愛せてしまう。
こんな俺、、まろは嫌かな、笑
青)暴露《ばれ》にくい、から。
、暴露《バレ》にくい、ね
俺には、いってくれればいいのに。暴露《ばら》せばいいのに。
死にたいなら、死にたいって。
辛いなら、辛いって。
一緒に死のうよ、
ねぇ
ねぇ
まろ
まろだけは俺のこと好きっていってくれたじゃん、っ
桃)そう、だね。確かに、暴露《ばれ》ないね、
ここで、へんなこと言ったら
まろに嫌われちゃうから。
話を合わせた。
青)ないこも、切ってるってことは、なんかあったん、?
痛いところを突かれる
でも、ここで「死にたい」って言ったら
まろも共感してくれるんじゃないかな、
桃)う~ん、…
地球《この世》に、飽きちゃって、笶
少し、長めの沈黙が続く。
変なこと、言っちゃったかな
まろは、何て返してくれるかな、
そういえば、我ながら、いつもよりも考えずに、言いたいことがまとまった。
いや、言いたいことが、決まっていたんだ
いつもは、嫌われたくなくて、言わなきゃいけないことを考えて、
言っても怒られないような
好かれるようなことしか言えなくて、
なんて言えばいいのかを考えて、
言うことがまとまんないから。
なのに、嫌われちゃうの。
なんで、?
でももう、嫌われたっていいや。
一人で死んだっていいや。
ぁ、俺って、
本当に死にたいんだ。
そう思ったら、なんか
もう
全てがどうでもよく思えて
明日にでも死のうかな、って。
もちろん、まろも一緒がいい。
青)ぇ…、?
ないこも、飽きたの、?
予想外だったけれど、
期待していた言葉が、
きみの声に乗せて届く。
青)じゃあ、!俺と同じやね、笶
やった。待ってた言葉だ。
まろに伝えられた。
まろがわかってくれた。
まろが…
いや
まろと。
一緒に死ねるんだ。
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一緒に死ぬことが
さよなら同盟
の条件_______。