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呪術俳優
フィリー
『歌姫の部屋 ~今夜は最強も最悪も大集合SP~』
【セットの様子】
スタジオには豪華な胡蝶蘭が飾られ、上品なクラシック音楽が流れています。司会の庵歌姫(ベテラン実力派女優)が、少し緊張した面持ちでカメラを見つめています。
「皆様、こんにちは。本日のゲストは……正直、私の番組の初回にお呼びしたくはなかったのですが、世間が放っておかないということで、このお二人をお迎えしました。日本演劇界の至宝にして、現場のトラブルメーカー。トップスターの五条悟さんと、夏油傑監督です。」
(拍手の中、スタイリッシュなスーツを着こなした五条と、和装をモダンにアレンジした夏油が入場。五条はサングラスをずらしてカメラにウインク、夏油は優雅に一礼してソファに座る)
「やっほー歌姫!セット豪華だね。でも司会が歌姫だと、なんだか法事みたいで落ち着かないなぁ。」
「(ピキッ)……番組開始10秒で失礼なことを言わないでちょうだい、五条。今日はドラマ『呪術廻戦』完結記念の特別番組なの。視聴者の皆さんは、あなたたちの『素顔』が見たいのよ。」
「まあ落ち着きなよ、歌姫。悟は君が司会を務めているのが嬉しくて、照れているだけなんだよ。……ねえ悟、そのサングラス、照明が反射して私の顔が映るから外してくれないか?」
「さて、お二人が出演・演出したドラマ『呪術廻戦』。最終回の視聴率は驚異の70%超え、世界中で社会現象になりました。特に『最強の二人』が決別する過去編のシーンは、涙なしでは見られないと話題でしたが……実際はどうだったんですか?」
「あー、あの雨の中のシーン?傑が『私を殺したければ殺せ』って言うところ。あそこ、実は傑が役に入り込みすぎて、カットがかかった後も30分くらいずっと道端でうずくまっててさ。僕が『傑、お腹空いたから蕎麦食べに行こうよ』って言っても無視するんだもん。寂しかったなぁ。」
「(苦笑)あれは君が、撮影直前に私の楽屋にあった限定の和菓子を勝手に食べたからだよ。悲しいシーンなのに、口の中が甘い香りのする君の顔を見たら、役者としての矜持が試されている気がしてね。」
「……そんな低レベルな理由で、あの名シーンの裏側で火花を散らさないでくれる?」
「この世界線での『領域展開』は、役者の最高傑作の現場を指すとのことですが、お二人にとっての『領域展開』とは?」
「僕にとっては、カメラが回った瞬間に『僕以外の人間が背景に見える』時かな。あ、歌姫はいつでも背景だけどね。」
「(湯呑みを握りしめる手が震える)……五条、後で楽屋に来なさい。」
「私の『領域展開』は、監督としてモニターを見ている時、役者が私の想像を超えた『化け物』に変わる瞬間だね。特に、卒業生の乙骨くんや虎杖くんが、私の演出以上の『何か』を見せてくれた時、この業界にいて良かったと思うよ。」
「視聴者からこんな質問が届いています。『五条さんと夏油監督は、プライベートでも仲が良いのですか?』」
「仲良しだよ!昨日も二人で、ななみん(七海建人)の家に突撃して、無理やりホームパーティーしてきたし。ななみん、ずっと『私は18時以降はプライベートです、帰ってください』って言いながら、ちゃんと最高級のシャンパン開けてくれたよ。」
「彼は本当に律儀だからね。でも、悟がリビングで勝手に新作の台本を読み上げて、即興劇を始めた時は流石に困惑していたけれど。」
「七海さんが不憫でならないわ……。そういえば、卒業生の皆さんはどうされているの?」
「悠仁は今、アクション映画の主役に引っ張りだこだよ。スタントマンがいらないから、制作費が浮くってプロデューサーが喜んでた。恵は相変わらず『カメレオン俳優』として、今は内気な文学青年の役をやってるけど、裏では釘崎に振り回されてるみたい。」
「真希くんは舞台演出に興味を持ち始めたらしいね。狗巻くんは、例の『のど飴』のCM出演料で、実家のおにぎり屋をビルにしたとか。みんな立派な『プロ』として歩き出しているよ。」
「……あっという間にお時間です。最後に、お二人から全国のファンへメッセージを。」
「ドラマ『呪術廻戦』は終わりましたが、私たちの物語は続きます。これからも、皆さんの期待をいい意味で裏切るような作品を届けていきたいですね。」
「みんな!僕が『最強』でいられるのは、君たちの視線があるからだよ。これからも僕から目を離さないでね。……あ、歌姫、次の番組のゲスト、僕がもう一回出てもいいよ?」
「二度と来ないで!!さようなら!!」
でした。チャンチャン!