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月夜の陰る日 第一話 魔界に転生⁉
NaØ
ここは、忍の里。
年々優秀な忍者を育て、とても有名な場所であった。
そこで暮らすものは皆忍者であり、優秀だった―。
「こらぁ!怜、きちんとクナイの持ち方を覚えなさぁい!」
怒鳴り声が聞こえる。
その後、どこかふわふわした可愛らしい声がした。
「えぇ〜、手の大きさが合わなすぎてうまく持てないよぉ〜」
「せ、先生。この子は生まれつき成長が遅いんです。少し加減したらど・・・」
「だまらっしゃい!」
ビリビリとした空気が流れた。
ほんの少しの時間なのに、重苦しく長い時間のようだった。
「体の大きさ、成長速度なんて関係ないんだ!なら別でカバーすればいい!そのことをこの子が分かっていないんだから、仕方ないだろ!」
そして先生らしき人は、怜の頭を掴んだ。
「っぐ・・・いたい・・・」
怜は苦しそうな顔をした。
先生は構わず壁へ投げて叩きつけた。
「あんたみたいなやる気無しは、忍の里から出ていきな!そして、もう二度と来るんじゃあないよ!」
その時すでに怜は頭を強く打ち付けたショックで死んでいた。
そして、しばらくして怜は目がさめた。
「あれ・・・?」
空は紫色が濃く、黒い雲が多い。
コウモリがそこらへんに飛んでいて、風が「ヒューヒュー」と五月蠅いほど鳴っている。
「荒れ地だ・・・砂にしては、紫色だし・・・一体ここは・・・?」
「ん?誰だろ?」
影が近づいてくる。
その子のきているTシャツには「N」とでかでかとかいてあった。
「君は・・・?」
やっと重い口がひらいた。
そして目の前の子がいう。
「私は萌原ぬえ、魔界のツアーガイドとして働いてるわ。」
「ぬえさんか・・・僕は、横井怜って言います。怜でいいです。」
そしてぬえさんが手をちょいちょいと動かした。
どうやら、「ついてきて」ということらしい。
そしてついてってみるとやがて大きい都会街に出た。
「ようこそいらっしゃい、魔凶へ・・・」
「えっ、いや、そんな都市ないよ!僕がいたのは忍の里だよ!急にどこに来ちゃったんだろ・・・?」
怜は驚いた。
「あら、あなた自覚してないのね。あなた、転生したのよ。」
「ええええええええええええ!」
[つづく]