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𝐏𝐚𝐫𝐭 𝟐〖"オリキャラ"の5人〗
「そーいやここどこ?」
えくれあ「唐突ぅ。」
「和音、何か分かる?」
うち──てん は、姉・えくれあ のツッコミをスルーして、和音に話を振った。
「え、無視?」って聞こえてくるのは気のせい。うん。
和音「知らないよー。ただ短カフェで自主企画参加しよーと思ってただけなのに、急に画面が光って気付いたらここだよ?」
「あー、うちと同じだぁ」
和音にも分からないらしい。
?「ここだよここ! ボクらが出逢った場所!」
突然聞こえてきた声に、三人ともびくりとする。
知らない声が続く。
?「なんか…花増えてね?」
?「心なしかそう見えるわね……ってあら、先客?」
?「初めましてぇ〜。」
高校生……大学生くらいかな、の5人の見知らぬ誰かがしげみの影から現れる。
一番目に喋ったのが、
クリーム色に近い髪に少しだけ水色のメッシュを入れ、薄めのカーディガンを羽織った人。
目もクリーム色で、真珠の様な形をしたイヤリングをしている。
二番目に喋ったのが、
黒い目と髪に赤いインナーの髪、白のシャツに赤のネクタイを締め、黒のスーツを着た人。
前髪はぱっつんで、雫型のイヤリングをつけている。落ち着いた感じ。
三番目に喋ったのが、
黄緑色に桜色のグラデーションの髪をハーフアップに結い、おしゃれなワンピースを着ている、大人びた人。
薄い|靄《もや》がかかったようなイヤリングをつけている。目は綺麗な黄緑色だ。
四番目に喋ったのが、
薄い茶に白いメッシュが入っている髪と茶目に、パーカーを羽織っている人。
雪の結晶型のイヤリングをつけていて、ふわっとした話し方だ。
喋らずに四人の後ろに立っているのは、
青みを帯びた黒色が、腰辺りまであるロングヘアで、目の下までの長い前髪の人。
ハイライトのない黒の右目がのぞいていて、首にはヘッドフォンをかけている。
前髪で隠れた左目には包帯が巻いてあるけど、厨二病……って感じではなさそう。
全員じゃないくて二人だけど……**見覚えがある。**
彼らは……**うちとえくれあのオリキャラだ**。
「しず…むぐっ」
急に口を塞がれた。
振り向くとそこにはえくれあ。
「__何!?__」
えくれあ「__いいからちょっと黙ってろ!!__」
「__…?どうした?__」
えくれあ「初めまして〜! 皆さんはお友達ですか?」
えくれあはなぜか現れた自分のオリキャラに対して、さも初対面の人に話しかけるように笑顔で喋り始める。
?「友達、というか……仲間の方が正しいかな。キミたちは?」
クリーム色の髪の人が答えてくれ、話を振られた。
えくれあ「私とこの黒髪ツインは姉妹、こっちの|白髪《はくはつ》の子は親友です!」
こいつ、やりおるな。コミュ症のくせに←
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「貴方たち、お名前教えてもらってもいい?」
私、えくれあのオリキャラの一人、"霞"が訊いてきた。
「私はえくれあでーす。」
「えくれあ? 珍しい名前だな。どこが苗字なんだ?」
"雫"に言われて気付く。
地球と同じように、この世界でも『苗字 名前』、もしくは『名前・苗字』という構成になっているんだった。
まずい、どうしようか…。
「あ、間違えた。えくれあって言うのはあだ名で、本名は"|志笑《しえ》くれあ"です!」
あだ名を間違えて言ってしまったふうにして誤魔化したけど…。
てん と和音も合わせてくれるかな?
「初めまして! "|桜音《さくらね》 |和音《わおん》"です!これからよろしくね〜!」
ナイス、和音……!
「こんちゃー、"|笹構《ささこう》てん"だよー__ん__! あ、小さいけどこれでも小学5年生だからね!? よろしくゥ!」
よかった…。
てんのことだから、ワンチャン空気読んでないかと……((
というか二人はユーザー名をそのまま名前にしても違和感無いな。
|私《えくれあ》は雫に珍しい名前って言われたのに……。
と、どーでも良いことを考えていたとき。
「……ん? 二人は姉妹って言ってたよね? 姉妹なのに別々の苗字なの?」
"露"に指摘されてしまった。
(あーー!!)
そっか…! どうしよう!
「あ〜〜……えっと、それはあんまり聞かないであげて欲しいな。私達にも|事情《じじょー》という物がですね……。」
和音が天才的なフォローをしてくれた。
ありがとう、親友よ……!
「そ、そっか! ごめんね、容易く聞いちゃって!」
多分五人は、誤解してる。
親が離婚し別々に引き取られて、片方が苗字を変えたのかな……とか、想像しているのだろう。
本当は全然そんなことない。
一緒の家に暮らす仲良し姉妹なのに……。
(ごめんよ、五人とも〜!)
てんの書く小説の語彙力が低いせいか(みあねよ)、必然的にこっちの語彙力が高く見える。
……年齢の差がどうしても出るんだよ。うん。
あと、あの狂ったテンションは再現できなかった。
というか再現したくな……何も言ってない。