そしてまた、その王は星を眺める

風が吹き、昼間の暑さで火照った体は少しだけ涼しくなった。 最近は秋になったというのに、全然涼しくならないので、久々に喜ばしい気持ちになった。 「秋の夜長とは言うけど、まだまだ夏じゃないか…。」 そういえば、と思い返すと本を手に読書を楽しむつもりが、結局深夜まで涼しくはならず、 睡魔が来てしまい、そのままオレ様は朝の3時頃まで眠りこけていたらしい。 ふと窓の外を見やる。 うっすらと瞬く沢山の光の粒。 それが何なのか、理解するまでそう時間はかからなかった。 気がつけば体を起こし、バルコニーに向かっていた。 朝3時、夜中だというのに、なぜか眠くはならなかった。 --- 誰もいないバルコニー。 ただ、静かに、ぼんやりと星を見る。 その中でもひときわ明るい星がいくつかあった。 オレ様はそれらを見ながら、ふと、部下やライバルたちのことを思い浮かべていた。 「あのピンクっぽい星はカービィで、オレンジに少し青っぽい色が入ったあれはバンワドか…。」 回想の中で思い浮かぶ、彼らとの思い出に、なんだか少し微笑してしまうのだった。 10分程たち、オレ様はまたベッドに横たわった。 星しか知らないその寝顔は、あのわかもののように幸せに満たされた、そんな笑顔だったという。