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期待の重さ
傷
控室の空気が氷の様にパキッと凍りついた。
ひまり 「 ごめん、でも…やめてって言ったのに… 」
つむぎ 「 ひまり…そんな…痛いよ… 」
一瞬の感情の爆発が、つむぎの腕に赤い跡を残す。
血が涙の様にゆっくり滴る。
みつき 「 ひまり、何やってるの!? 」
つむぎ 「 助けて…お願い…」
ひまりの顔が歪む。涙と怒りが入り混じり、抑えきれない感情が溢れていた。
ひまり 「 もう限界だったの…みんなの期待が重すぎて…!」
みつき 「 そんなことで暴力に走るなんて…もう、一緒にはいられない。ごめん。 」
つむぎ 「 ひまり…信じてたのに…」
部屋の空気が重く沈む。
ひまりは孤独に包まれていく。
友達の声が遠くなる。
「 ひまり…また…ひとりぼっちだね… 」
涙が頬を伝う。
もう戻れない場所に、ひまりは立っていた。