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第15話[打開]
前回までのあらすじ。
SCに来たルカ達8人は、男子グループと女子グループに分かれて行動。
そして合流しようとして一階に集まった時にSCが集団テロに乗っ取られる。
一方で3階には影が大量発生していて、ルカがノアより一足先に倒していた。
そしてほぼ無限に湧き出る影を、ルカは「“核”があるはず」と言う。
実際核はあったが、何とそこには2体の“魔族”がいた。
片方は倒すことに成功したが、もう片方にはルカのところに炎の竜巻を発生させられてから逃げられる。
生憎近くには水は無く、燃え移るであろう服が沢山。だが、とても水属性のカイルを連れてこれる状況ではない。
一体どうすれば__!?
ルカ「__ノア!個じ……ょく…!!」
ノア「…え?」
炎の轟音で聞き取り辛い。
頑張ってルカの感じから言いたいことを読み取る。
--- “個人能力を使えば…!” ---
ノア「っ!!」
成程、そういうことか。
ノアの…ノアの個人能力は___!
“原子を操る”能力__!
_炎は酸素を吸収して燃え、二酸化炭素を生み出す。
炭素原子、酸素原子、この2つを組み合わせることで発生するのが“二酸化炭素”。
そして、二酸化炭素は助燃性ではない。
つまり、二酸化炭素で炎を囲めば炎は酸素を吸えなくなって、自然と小さくなっていく。
ノア(…《個人能力発動》__!)
_結果、予想通り炎はみるみる小さくなっていき、消えた。
ルカ「ごめ、私が油断したばかりに…」
そう言いながら、ルカは肩で息をする。
ノア「いや、ノアの方こそ…そもそもノアが行こうなんて提案したからこんなことに…」
ルカ「ノアのせいじゃない。悪いのはこの状況を生み出した影や魔族と襲撃犯達。違う?」
ノア「……ううん。ありがと。“ヒーリング”」
一応無属性でもヒーリングくらいは使える。
というか能力者はヒーリングくらいは使えないと駄目だと思う。
まあ、低級治癒魔法だし。
ルカ「え、いいよこれくらい、放っとけば自然に治るって…」
ノア「絶対そう言うと思った。断固拒否するよ!?自分の体くらいちょっとは大事にして!これノア前からずっと言ってるんだけど!?」
ルカ「……ハイ…。」
ルカはもっっっと位の高い治癒魔法使えるけど、この状態で使わせる訳がない。
ノア「…あ」
ルカ「…ん、何?」
ノア「そういえば下の階にいる集団テロって確か爆弾設置_」
ルカ「あそうじゃん!あいつらぶっ飛ばさないと!!」
ノア「え、ちょ、ルカ??」
ルカ「私みんなに何も言わずに来ちゃったからすぐ行かないと…!」
ノア「いや、違う、一旦ちょっと落ち着いて??」
ノア「_ほら、あそこ。レジの下に2つと服の中にごっちゃで無数に」
ルカ「うわ本当じゃん、、ヘイルがいればなぁ…」
ヘイルは氷雪属性。
爆弾は凍らせれば処理が楽なのだ。
ノア「うーん…結界は流石に全部は無理だなぁ…」
ルカ「……別に爆破されてもいいんじゃ、?」
ノア「え?…あ、建物自体はって話?」
ルカ「そー。あ、でもここ学校から一番近いとこだから無くなると面倒かなぁ…」
ノア「……あ。」
ルカ「…ん?どした?」
ノア「…爆発まで残り8分くらい…w」
ルカ「え、やばいじゃん!?」
ノア「急げ急げ〜!w」
ルカ「いや何で笑ってるの!?w」
ノア「ルカも笑ってるじゃん…w」
---
アドside
アド(…何で私までこんな姿勢取らなきゃなんないのよ…)
不本意すぎる。
でも従わないとレイ達みたいなことになるし…
それは面倒。だから仕方なく伏せている。
アド(てかルカは本当に何処行った…?)
あの時からずっと姿が見当たらない。
ルカは流石に自分だけ逃げるみたいなことはしないだろうし…
男子達探しに行ったとか?
いや、でもさっきの騒ぎでどこにいるか分かったし…
それにルカはリアみたいに何処にどれくらいいるか少しなら分かるって言ってたからそれはないか。
○○「〜〜!〜〜〜!?」
●●「〜!〜〜〜!!」
アド(…?)
襲撃犯達が何やら焦り始めた。
顔色を変えながら無線機で何か話している。
リア「…やるなら今のうちですよ、フレイさん」(小声)
フレイ「…そうね」(小声)
フレイ「…はあ!!」
…なるほど、今の状態で能力を使うのは不可能だから体術で対抗するのね。
でも相手は成人男性だけど、大丈夫か…?
襲撃犯「がはっ…!」
フレイ「はぁっ…!!」
襲撃犯「うぐっ…」
フレイ「大丈夫だった!?早くあっちへ逃げて!」
まず人質にされている人を助けつつ他の奴らを倒すつもりかな…
…上手くいくといいけど。
リア(行くなら行ってきてください)
リアがフレイにそう目で合図をし、気づいたフレイは軽く頷いて2階へ向かった。
リア「みなさん!早くこちらへ逃げてください!」
モブ「え、?」
リア「いいから早く!」
モブ「あ、ああ!」
襲撃犯「お前…こいつがどうなってもいい__」
アド「あら、こいつってどいつのことかしら?」
襲撃犯「!?ゔぐっ…!」
襲撃犯「…お前、死にたいらしいな」
アド「…殺せるなら殺してみなさいよ」
アド(…その前に弱って倒れるでしょうけど)
襲撃犯「何を強がってい、るん、だ…?」
襲撃犯「な、なんか眠、く…」
そう言いながら襲撃犯達は次々と倒れていく。
まあ、|予《あらかじ》め発動してたからね、“|毒の霧《ポイズンミスト》”を。
通常は息がし辛くなったり出来なくなったりするだけだが、今回は眠りの追加効果を与えている。
一応|襲撃犯達《敵》付近だけに撒いたつもりだけど、客にも効くから本当に早く避難して欲しい。
助けようとしてんのに倒れられたらたまったもんじゃないわ。
…そうやって、私は|襲撃犯達《ゴミ共》の処理、リアは客を逃がす事、フレイは他の階も助けにいく事になっていた。
襲撃犯「_オラッ!!」
アド「はっ…!」
襲撃犯「が、はっ…」
うぇ、きったな。こっちに吐くな。
体術もある程度はできるから、他人と接するのがあんまり好きじゃない私としては良いポジションだ。
といっても一階に15人くらいしかいないから、もう良さそうって判断したらフレイの加勢に行こうと思ってる。
でも何で|襲撃犯達《このゴミ達》はあんなに焦ってたんだろ。
…てかまじでルカ何処行ったこのやろ。
あの人魔導具壊してるし確かバトロワ2位だし強いはずだから絶対加勢出来るはずなのに…。
---
フレイside
フレイ「はっ…はっ…!」
猛スピードで階段を駆け上がる。
こんな時にエスカレーターやエレベーターなんて使ってらんないしこっちの方が早い。
そしてすぐに2階に着いて見てみると、1階より圧倒的に人数が多かった。
でも、やるって決めたんだ。
この階にだってお客さんはいるはずだし、人質だってとられてるかもしれない。
一度時計を見る。12:52だった。
…ルカのスマホの情報からして、今回の犯行にも爆弾を大量に設置してるだろう。
そしてそれに書いてあった爆破時刻は13:00前後。
…急がなきゃ。
襲撃犯「_っ誰だ!」
フレイ「お前らなんかに名乗る名じゃない、わ!」
そう適当に流して、鳩尾に一発蹴りを食らわす。
襲撃犯「ゔっ…」
フレイ(人質らしき人は…いた!)
他の奴らが襲い掛かってくるが、全て倒して人質の方向へ向かう。
そしてすぐに背後へ周りこみ、首の後ろへ手刀を素早く振り下ろす。
襲撃犯「……っ」
人質「うわっ…!」
フレイ「っ!」
倒れそうになった女性を慌てて受け止める。
フレイ「大丈夫ですか、!?」
人質「え、ええ…ありがとう」
フレイ「すぐに逃げてくださ__」
フレイ「__!危ない…!!」
視界に撃たれそうになっている子供が入った。
咄嗟に駆け出す。
いつもの私なら子供も私も助かっていただろう。
だが、沢山倒して疲弊した身体は思うように動かない。
底から力を出して、子供に覆い被さる。
ドン___!!
銃声と共に激しい痛みが体を襲う。
私から出た赤い液体が視界に入る。
倒れながら次に見た光景は、誰かが撃たれるところだった。
ドンッッ
フレイ「__っ」
床とぶつかり、同時に鈍い音がする。
もう目は開かない。|開《ひら》けない。
…ただ、その光景と音は頭と耳にこびりついて離れない。
うわぁああああああフレイ撃たれちゃったぁあああ!!(((殴
…あ、グロいって思った方すみません。
一応これでもグロ要素はかなり減らしてるつもりです。((
そして、ノアの能力が判明!(個人能力のみ)
ノアルカに関してはまだ謎がちょいちょいありますね。(意図的)
そこは考察要素です。(?)
考察勢のファンレターとかも待ち受けてます(?)ので是非!是非!!(圧)
個人能力って何やねんって思った貴方。()
次回か次次回か次次次回に出てきます。多分。()
ご閲覧ありがとうございました。