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猫の手紙
瑪瑙。
はいけい、だっけ?
ニンゲンが大事なときに使う、おまじないみたいなやつ。
よくわかんないからそのまま進めるね。
キミはどうせ、暗い部屋で光る画面を見つめたまま動いてないんでしょ?それ何が楽しいんだろ。
ボクはキミの飼い猫でもなんでもない。
でも、キミから漂ってる空気があまりにも透明で、消えてしまいそうで。
こう言うとちょっと綺麗だけど、ボクはそれが不安なんだ。
だから、元気を出してもらえるようにがんばるね。
ニンゲンって不思議だよね。
今をほったらかして、「昨日」とか「明日」とか意味わかんないことばっかり。
だからそんなこと今は考えないで。
深呼吸して、ボクに顔をうずめてみて。……そうそう、「猫吸い」ってやつ。
そして喉をゴロゴロ鳴らす。
……あ、ニンゲンは喉、鳴らないんだっけ。
じゃあそのままで良いから、あったかい布団にくるまって。このまま寝ても大丈夫。
キミが眠りにつくまで、足元でボクが見守ってるから。
これで良し。
キミが起きたとき、ボクのことを夢だと思って、忘れてしまっても良い。
でもふとしたとき、足元がぽかぽかしたら。
それがボクからの「大丈夫」の合図だから。
それじゃあ、またね。名前も知らないキミへ。
けいぐ、で合ってる?