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25話〜決戦へ〜
奏者ボカロファン
今回視点の移り変わり結構激しいです。
あと······魔宴イチグロくなった。
―火炎竜視点―
目の前に広がっているのは、魔王城最深部の···王の間の扉。
遂に僕達は、ここまで来た。
ここまで来たと言う事は、もう、後戻りは出来ないと言う事。
魔狼「······行こう。」
クレンが呟くと、扉はそれに反応した様に、ゆっくりと、音をたてて開く。
魔狼の宴の一同は、意を決して中へと足を踏み入れた。
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―レイ視点―
何故だ?
何故、アイツと連絡がつかない?
それだけじゃあない。
魔狼の宴全員と連絡がつかないなんて、そんな事今まで無かった。
まさか、一夜にして《《フウライタウンの中心街に住む、世界の保護をする組織が忽然と姿を消すなんて》》。
こうなってしまっては、もう選択肢は1つしかない。
するとそこへ、1人の女性がやって来た。
レイ「····フィーリアか。」
彼女の名は、フィーリア・ロンド・エスクリーム。
フウライタウンの一角、サブマリンシティを見守る海のガーディアン。
このタイミングでここに来た、という事は。
フィーリア「大変な事になっているわ······。ここ数日ガルーダと、いいえ···宴の皆さんと、全く連絡がつかないの。」
やはりそうか。
恐らく、フウライタウンのガーディアンズは全員、この非常事態を把握している。
―久々に、ガーディアンズの集会を行うしかなさそうだ。
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―奏者視点―
魔王「あら、貴方がボカロファンちゃんね!アタシ、ずっと待ってたわ〜。ようこそ、我が家へ!」
扉の向こう側にいたのは、友好的に私に話しかける魔王。
賭博師「__······オネェ··········???__」
ライは明らかに困惑している。
無理もない、魔王が生粋のオネェ······なのだから。
いや、あの···ロリ→ショタ→ロリ→ショタ→オネェって。
どんな魔王軍だよ、これ()
てか、なんで私に仲良さそうに話しかけてくるんだ???
我々が困惑しているのに目もくれず、魔王は楽しそうに言った。
魔王「そうだわ!貴方達の為にクッキーを焼いたの!折角ここまで来てくれたんだし、お茶会でもやりましょう!」
言われるがまま、奥の部屋に移動させられる。
そこには、魔宴のみんなの分の椅子とお茶が用意されていて、テーブルの中央にはクッキーが置かれていた。
詐欺師「毒入ってるんj」
作者「いや、分析したけど入ってない。普通のクッキーみたい。」
ダイスが言い終わる前に、狐さんが口を挟む。
恐る恐る、クッキーを食べてみる。
奏者「······!!···········美味しい···✨️」
それはものすごく美味しくて···例えるなら、ブレイドロードのクッキーみたいだった。
魔王「でしょう!?貴方達の為に作ったの!!美味しいって言ってもらえて嬉しいわ!!」
魔王は笑顔で私達を見る。
火炎竜「貴方って······。」
ガルーダが戸惑いながら、魔王に問い掛けた。
魔王「アタシ?アタシは魔王。アルファペール・ラミニュジューラよ。」
アルファペール······ラミニュジューラ···。
これが、魔王の正体···!!
賭博師「······なんで、こんな事するんだよ。ガルーダの世界がめちゃくちゃになってんだぞ?」
ライは低い声で唸る様に言った。
すると魔王は話し出す。
魔王「魔王だから、四天王だから、勇者だから、敵だから味方だから倒すべきだから······そんなのって、立派な差別じゃない??」
え···何を言っているの?
何が言いたいの?
さっぱり分からない···
魔王「だから、貴方達とオトモダチになりたいの!!」
ますます意味が分からない。
魔王だから、勇者だからって差別はよくない?
オトモダチになりたい?
本当にどういう事なの?
魔王と友達なんて···無理に決まってる。
奏者「魔王を倒す為に来たのに、友達になるなんて···そんな事出来るわけない。」
私はキッパリと断る。
すると魔王は、またポツポツと語り始めた。
魔王「アタシね、暖かいオトモダチは居ないけれど、冷たいオトモダチなら沢山いるのよ!アタシ、暖かいオトモダチがどうしても欲しいのよね···でも、みんな、断っちゃって_」
奏者「ち、ちょっと、本当にどういう事なの!?さっきから意味が分からないよ!!」
言葉を遮って叫ぶ。
魔王は私を見てニッコリと笑い、そして、近づいてきた。
魔王「え、意味?フフッ、分からない?貴方なら分かると思ったんだけれども···まぁ、いいわ。教えてあげる!」
そう言って私の腕を思い切り引っ張る。
魔王「《《こういう事》》よ!!」
次の瞬間、パキッ···という枝が折れる様な嫌な音が鳴り、私の片手に激痛が奔った。
奏者「あ······ゔぁぁ"ぁぁ"ぁぁッ!?!?!?」
見ると、片手の指が全部、折られていて···。
手を振り解こうと藻掻く。
しかし、いきなりお腹の部分に強い衝撃が加わり、骨が肉を突き破って出てくる様な感覚がした。
そして、気が付いた時には壁に叩きつけられて床に転がっていた。
奏者「ァ"······ッ······?············。」
今の一撃で肋骨は折れ、内臓も破裂したせいでうまく立てない。
クレン達の叫び声が聞こえる。
段だ···········ん·····················視界、が·······················
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―スカイ視点―
スカイ「本当、裏切り者のおにーさん達は何してんだろ〜。」
ここ数日、|裏切り者のおにーさん達《ライとダイス》を見ない。
いつもであれば、下界で他のおにーさんおねーさん達と楽しそうにしてる所が見えるんだけど。
それより、魔宴のみんなもいなくなってる。
これは絶対おかしいなと思っていた。
すると。
???「ねェ······スカイ。」
マスクをつけた、狼っぽい人がやって来た。
彼女の名前はリナ・ステイラー。
僕が持っているこの「天空の楽園」の更に上にある、天界に隣接している神獣界のガーディアン。
多分、リナが来たって事は、そういう事何だろう。
リナ「最近、ルシファーの事を···魔宴の事を見ないんだけど、何か知ってる?」
スカイ「いいや、何も···こんな事になったら、ガーディアンズ招集かかりそーだよね〜。」
なんて話をしていると、楽奏町のガーディアン、レムイア・アリケーンと、森のガーディアン、スライ・フォーレ・マジェスチューが一緒にやって来る。
レムイア「ガーディアンズの招集がかかった。急いで中心街に来る様に、と、ロウが言っていた。」
スライ「もうデザベールさんは動いてるみたいです。さぁ、行きましょう。」
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―堕天使視点―
一瞬だった。
あまりにもその動作が速すぎて、何が起こったのか、直ぐには理解出来なかった。
血溜まりの中に倒れ込むボカロファンの姿を見て、そこでようやく、魔王が攻撃を仕掛けてきたんだと、分かった。
魔狼「ボカロファンッッッ!!!!!」
クレンが叫び声をあげる。
作者「なんで······っ、さっきまで、友好的だったじゃない!!」
魔王は問いには答えなかった。
その代わりに、上から何かが降りてくる。
詐欺師「なっ······何、これ······!?」
それは、糸で吊り下げられたニンゲンの死体だった。
恐らく、我々がここに来る前にも魔王と戦った者がいるのだろう。
死体の中には、甲冑を着た者、武器を携えた者などがいた。
火炎竜「そ、そんな······っ。」
死体から流れる血が、我々を濡らしていく。
すると、キリキリと糸が締まる様な音がして、死体達が襲い掛かってきた。
賭博師「クソ···この魔王、死体も操れんのかよ!?」
魔術や武器を使い、必死に抵抗するが、相手の数が多過ぎた。
魔狼「ぐぁっ······!?」
突如クレンのうめき声が聞こえる。
その方向を向くと、双剣を持った"オトモダチ"に押し倒され胸と喉を剣で刺されて固定されている彼女の姿があった。
賭博師「クレンッ!!······うぁっ!?」
ライが助けに入ろうとするが、それを|死体《オトモダチ》達が阻む。
その間に、クレンは死体に耳を摑まれていた。
死体は首を少し傾げた後、クレンの耳を引っ張る。
魔狼「何っ······や、やめ、て···ッ······痛·······痛いっ······!」
必死の抵抗も虚しく、彼女のフワフワとした狼の耳は、ブチブチと音をたてて死体に引き千切られた。
魔狼「い"や·····あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッ!!!!」
クレンの絶叫が辺りに木霊する。
助けに行こうとしているが、死体の数が多過ぎて中々クレンのもとに行けない。
堕天使「こいつら······しつこい···っ!!」
そうこうしているうちに、もう片方の耳も千切られていた。
魔狼「い"ッ············や"めっ······痛、い"······いだい"···············っ·······。」
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―デザベール視点―
おっそい。
他のガーディアンズは何をしている?
よもや、我が邪悪たる力が急かし過ぎたのか。
そう考えていると、フィーリンがやって来た。
レイ「よぉ、まだ他の連中来て無いが······魔宴のメンバー、何処に行ったか見当つくか?」
デザベール「ふむ······見当がついていたら我は今此処におらんわ。我が邪悪たる力をもってしても見つからんとは···あいつら、何処をほっつき歩いているのだ?」
フィーリンは、それもそうだな、と返すとポケットか、煙草を1本取り出して吸い始める。
レイ「そろそろ······来る頃だとは思うけどなァ······。」
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―魔狼視点―
耳を千切られたせいで、頭が物凄く痛い。
周りのみんなが助けようとする声が聞こえてくるが、死体達がそれを邪魔している。
私の上に乗っている死体は、眼球の無い空洞な瞳で、私の事を無機質に見つめていた。
一体どれだけの「勇者」が此処に訪れ、命を落としたのだろう。
しかも、死んだら魔王の傀儡になるなんて。
そんなの、絶対に嫌だ。
魔狼「離···········してよっ!!」
刺さっている剣を無理矢理抜いて振りほどこうとすると、死体は私の喉にある剣を掴んだ。
え、まさか
ザシュッ!!
魔狼「っあ"···········ッ!?」
喉を掻っ切られ、首に激痛が奔り、斬り口から生温かい液体が大量に流れ出ていった。
口の中に鉄錆の味が広がる。
叫びたくても、助けを呼びたくても、声帯を斬られたせいでヒューヒューという空気が抜けていく様な音しか出せない。
ソイツは喉の剣を抜くと、今度は私の額に突き刺し、横に動かした。
魔狼「かっ·········!?」
頭の中に、バキバキと頭蓋骨が砕かれる音が響く。
段々力が抜けていき、視界は闇へと堕ちていった············。
to be continued······
何だろう、あちこちを書いていたらグロ描写の度合いが過激になった気がする。
血ブッシャーくらいのPG-12つけなくてもいいくらいの文章だったのに今やR-15以上の文章になってもうた。
__クレンが喉笛掻っ切られるシーンは最初喉じゃなくて額に剣ブッ刺そうかななんて考えてたけど試行錯誤の結果声帯斬られて空気漏れてる感じもいいな、ってなってこうした。クレン、ごめんね☆結局額にぶっ刺すのも捨てきれなくてこうしちゃった☆__
あ、あと、ガーディアンズを考えてくださった皆様、本当にありがとうございました!!
そして、これ程まで待たせてしまって本当に申し訳ございませんでした!!
それでは、次回もお楽しみに。