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ゲーム世界
ゲーム世界は私の居場所。
現実世界ではみんなにおいて行かれてボッチだけど、ゲーム世界でなら私はトップクラスの魔法使い。
現実世界では友達なんか一人もいないけど、ゲーム世界でなら友達はたくさん。
ゲーム世界は唯一の私の居場所。
私、|長瀬由梨《ながせゆり》。友達が一人もいないボッチの高校二年生。
ボッチだから学校に行っても楽しくないけど、親の為にも行かなきゃいけない。
義務教育は中学までなんだから、行かなくてもいいと思うんだけどね。
私は心の中で愚痴を吐きながら支度をした。
髪と制服を整えると私は鞄をもって玄関へと歩いた。
「行ってきます」
ボソッと伝えると玄関の扉を開けた。
顔をあげれば雲一つない快晴の空が目の前に広がっている。
私は目線を自分の靴へと下げ、トボトボ学校への道を歩いた。
途中で近所の人に出会うと会釈をする。
それ以上は何もしない。
車の多い通りへと出ると同じ高校の生徒たちが集まっていた。
「愛菜、今日のテスト勉強してきた?」
「え?テストなんてあったん?」
「忘れてたん⁉ヤバいやんけ」
すぐ隣でテストがどうとか話す先輩二人組。
「帰りたいぜ」
「まだ学校にもついてないぞ」
帰りたいと騒ぐ後輩とそれに突っ込むもう一人の後輩。
みんな楽しそうに笑っている。
でも私には関係ない。
その時信号が青になった。
私は人混みに押されるままに信号を渡った。
また歩くと学校に着いた。
毎日私を出迎える高校の門を抜け今度は教室へと向かった。
二階へと上がり私のクラスの二年C組の前に来た。
私は扉を開け教室に入った。
私を出迎える人は当然いないためすぐに席に着いた。
教科書を机に入れ、先生が来た時からは飛ぶように時間が過ぎていった。
といっても楽しくて時間が飛ぶように過ぎたのではなく、ボーッとしたままだ。
昼ご飯も購買で買ったあんパンを食べ、午後の授業も午前と同じように過ごした。
そして帰り。
私は大急ぎで学校を飛び出した。
早く帰ってゲームに没頭したい。
その一心で足を動かし続けた。
家に着くと鍵をこじ開け自分部屋へ転がり込んだ。
私は鞄をベッドへ放り投げ、パソコンへと直行した。
ゲームの私専用のメール欄を覗くと今日もたくさんの友達からのメールが届いていた。
私は微笑んでゲームの世界へと|飛び込んだ《ダイブした》。
今回の話は女子高校生のお話です。
彼女はゲームの世界だけが居場所で、現実世界ではボッチです。
思い付きで書いたので内容はすっからかんだと思いますが、楽しんでいただけたでしょうか。