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7話
ご飯を終えた末日と加楓は、まだ少し緊張しながらも、柔らかな布団の香りや温かい城内の空気に安心し始めていた。
私は二人を連れて、自分の部屋とは別に用意された寝室へ向かう。
「ここが、今日からあなたたちの部屋よ」
そう告げると、末日も加楓も小さな目を見開き、部屋の隅々まで見回した。
木製の床はぴかぴかに磨かれ、布団もふかふかで、暖炉の火がゆらゆらと揺れている。
「…こんなに広いの…」
末日が呟き、加楓も息を飲んだ。
二人とも、これまで狭くて冷たい場所でしか暮らしてこなかったため、目の前の景色がまるで夢のように映るのだ。
「今日はゆっくり休んでいいの。明日から少しずつ、生活に慣れていきましょうね」
私は柔らかく微笑み、布団の位置を指さす。
末日と加楓は、少し戸惑いながらも布団に腰を下ろすと、ふかふかの感触に思わず小さな声を漏らした。
「ここ…温かいね」
加楓の言葉に、末日も頷く。
二人とも、城の温かい空気と柔らかな布団に触れ、少しだけリラックスした様子。
その後、私は城内の召使いに声をかけ、明日からの生活のために必要な物を用意させた。
衣服や日用品、少しの文房具など、二人が安心して暮らせるように最低限の準備だ。
「彩音様…ありがとうございます」
末日が小さな声で言う。加楓も同じように微笑む。
私はその言葉に、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。
「まだまだ慣れないことばかりだけど、少しずつでいいのよ」
私は二人の手をそっと握ると、二人は安心したように肩を寄せた。
今日のこの夜が、二人にとって少しでも安らげる時間になれば__
そう願いながら、私はそっと部屋を後にした。
夜の城は静かだ。
外の灯りが窓から差し込み、床に淡い影を落としている。
二人が布団で体を丸め、少しずつ呼吸を整える様子を見届け、私は深く息を吐いた。
(ここから、少しずつ私たちの日常が始まるのね)
まだまだ先は長いけれど、
今日の小さな一歩が、二人にとっての安心と希望につながれば___
そう思いながら、私は今日も夜の城を歩いた。