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【短編小説】とある城での1日
我はこの城の王だ。今日もいつもと変わらぬ日々を過ごしている。
我の朝は早い。起きたらまず、この城に支えている下僕を呼ぶ。
この城に従えているこの下僕は、起きたら我の食事を用意しなければならない。
食事の用意を忘れれば、我がきつい仕置きをするからだ。
いつもと変わらぬこの朝食、我は嫌いではない。
しばらくすると、下僕は門から外へ出ていく。理由は知らぬ。
我は王としてそれを見送るのが毎日の日課だ。
さて、下僕の見送りも終わったことだし、城の警備でもするか。
そう思い立った我は、我の王室から城の隅々まで見回り、
敵がいないことを確認した後に昼寝をした。
夕方ごろに下僕は帰ってきた。
すると下僕は、我の髪を整え始めた。これも毎日の日課だ。
我は下僕に身を委ね、ただ髪を整わせる。
そうした後に、下僕は我に夕食を用意した。
今日は我の好物である鮪か。なかなか気が効くではないか。
我が夕食をとっている間に、下僕は風呂に入って就寝の用意をしていた。
我は今気分がいい。だから特別に同じ部屋で寝ることを許可した。
ゆっくり瞼を閉じてゆく。
こうして、我の1日は下僕と共に幸せな夢へ沈んでいった。
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私はこの家の住民だ。今日もいつもと変わらない日々を過ごしている。
私の朝は早い。なぜなら、私の愛猫のマロンに起こされるからだ。
私は起きたら、まずマロンの朝ごはんを用意する。
この間朝ごはんを忘れていたら、マロンに顔にのられてしまったからね。
いつもと変わらない朝ごはんに私は少し飽きている。
外出の用意をして、私は仕事に行こうとする。
マロンの寂しそうな声に心を痛ませながら家を出るのが毎日の日課だ。
私はこの単調な日々に飽きつつある。しかし、猫は変化を好まない。
私が飼い主であることに、彼は満足してくれているのだろうか。
そんなことを考えながら、私は仕事帰りにマグロの缶詰を買って足早に帰った。
家に入るなりマロンがお出迎えしてくれた。揺れる尻尾に心が癒される。
私は早速マロンを撫で始めた。マロンも気持ちいいのか、体を私に預けてくれる。
そうして長い時間が過ぎた後、私とマロンは夜ごはんを食べた。
大好物のマグロにマロンも喜んでくれていた。よかったよかった。
マロンがご飯を食べている間に、私はお風呂に入って寝る準備をした。
すると、機嫌がいいのか、はたまた猫特有の気まぐれなのか、
今日は一緒に寝たいようだった。私も一緒に寝たかったから嬉しいな。
ゆっくり瞼を閉じてゆく。
こうして、私の1日はマロンと共に幸せな夢へ沈んでいった。
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こんな風に、何も変わらぬ日々が、
いつまでも続くといいな。
こんにちは!「読書が好き🍵」です!
今回は初めて短編小説に挑んでみました!
意味怖とは全く違う、優しく柔らかい雰囲気で作ったつもりです!どうでしたか?
なにかアドバイスや助言があれば、是非コメントで教えてください!
では、またどこかで会いましょう!