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迷い
…個性って?
年下3人が加盟したての頃__
俺、岩本照は、リーダーとしての方向性を見失っていた。
元々、6人でさえも同じ方向にまとめて一つのグループ__SnowManとして引っ張っていくのが大変だった。
それなのに、まとめる対象が9人になったら。
それはもう大変なわけで。
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周りの人達からすれば、SnowManは
「9人の個性が輝き溢れるグループ」。
リーダーとして、余裕を無くした俺からすれば、SnowMan
「メンバーの個性の主張が激しすぎるグループ」。
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余裕のない日々を送っていく中で、遂に9人での会議。
8人は、「いい意見が出そう」「面白そう」と期待していた。
俺は、「喧嘩が巻き起こる」と思っていた。
スタッフさん抜きでの会議。
辰哉「ん、てことで会議始めまーす」
最年長ふっかの掛け声。
ふっかは比較的落ち着いており、方向性が明確な意見が多い。
大介「はーい!」
佐久間の明るい返事。
普段はムードメーカー。会議でもその性格は輝いており、佐久間が欠けたらきっと会議は沈黙で終わってしまうであろう。
翔太「んで?今日は何すんの?」
ペンをくるくると手の上で遊ばせて聞く翔太。
会議では基本口数少なめだけど、意見がある時は躊躇せず出してくれる。
涼太「まぁまぁ、それは今から話してくれるでしょ」
宥める舘さん。
会議は真剣に考えてくれて、間違った意見が出されても相手に不快な思いをさせないままさりげなく元の道に戻してくれる。
亮平「えーっと………なんだっけ」
考え込む阿部。
SnowManの頭脳担当という肩書き通り、細かいところまで考えられた意見を出してくれる。
康二「なんなんや?」
聞く康二。
実際に一緒に会議をしたことは無い。
けれど、バラエティ担当らしく実現可能な意見ながらエンタメ性抜群の意見を出してくれるらしい。
蓮「そうやって急かさないの」
苦笑する目黒。
基本遠くから見守っているタイプだが、たまに突拍子もなく良い意見を出してくれるらしい。
ラウール「始まるまでが長いよ〜」
真面目な末っ子・ラウール。
年下としてまた斬新な意見を出してくれるらしい。
というわけで。
会議は大変なことになる予感。
その不安を抱えたまま会議は始まった。
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俺の不安__予感は的中。
大介「…え?ここは〇〇で実行するんじゃ無いの?」
辰哉「だから△△だっつったじゃん」
何回目だよ、と溜め息を吐くふっか。
大介「いや、だからそれは知ってる。でもその意見…△△はさ、メリットが少ない割にデメリットが多めだって言ったじゃん。」
辰哉「〇〇、やるのが面倒だって………」
そこで佐久間がガタンと椅子を倒して立ち上がる。
大介「何?面倒だからってやらないわけ?それでいいの?」
辰哉「だから俺は!みんなも仕事増えて忙しくなってきただろうから体調面も考慮して言ってんの!ていうか今別の話だろ?文句あるならさっき言えば良かったじゃねえか」
蓮「い、一回落ち着きましょ…?」
辰哉&大介「「目黒は黙ってろよ!」」
蓮「ビクッ‼︎す、すみません…………」
康二「やめぃ‼︎そんなに俺ら年下を怖がらせたいん?」
ラウール「そ、そうだよ、‼︎」
大介「そう言うつもりはない。関係無いっつってるだけだろ」
康二「関係無いなら俺らここにいる必要無いやん‼︎それだったら最初から呼ぶの辞めてや」
翔太「佐久間、深澤、落ち着け」
涼太「翔太の言う通り。康二も落ち着こう」
亮平「喧嘩するの辞めてってば」
辰哉「喧嘩じゃねえよ。それにお前ら関係無いつってるだろ」
照「…辞めろよ」
SnowMan−照「「「「「「「「え?」」」」」」」」
照「何をさっきから争ってるの?」
大介「それは…だから…次の企画の案…」
照「そんなことで揉めるなよ」
辰哉「だって」
照「だって、は言い訳。もうこっちの××の案でいいだろ」
亮平「だめ、それは俺らの個性捨ててるような物だって」
照「…はぁ。だから、個性の所為でこういう風に衝突すんならもう個性なんて捨てた方がいいだろ」
翔太「おい、照。馬鹿なこと言うなよ」
照「俺は事実を述べてるだけだけど」
翔太「個性を捨てる?そんなことしたらどうなるかわかってんのか」
照「わからなかったら言わねえし」
翔太「個性捨てたら人間が人間じゃなくなんの。一人ひとりが輝ける、なんて絶対に出来なくなるぞ」
照「別にもう輝かなくたっていいだろ」
蓮「やだよ、そんなの」
康二「照にぃまでおかしくなっちゃったん?輝かなかったらだめやろ‼︎」
照「面倒くさい」
ラウール「輝かないと、特徴無くてつまんないもん‼︎」
照「だーかーらー。お前らは‼︎」
SnowMan−照「「「「「「「「⁉︎」」」」」」」」
照「お前らはさ、リーダーじゃ無いからいいよな。人をまとめる必要も無い。そんなんだから全く気にせずに個性がどうの〜とか言えるんだろ?俺は違う。人をまとめることが、個性がバラバラな人達をまとめるのが、どんなに難しいのか分かるのかよ⁉︎」
辰哉「それで苦労してたの?」
照「それで、って何だよ」
辰哉「それは全員分かってることだと思う」
照「は?」
辰哉「うん。それが分かってるからこそ、みんなが個性を輝かせられるんじゃん?」
照「え…?」
辰哉「リーダー、が照だから。照じゃなかったら、こんなに安心して自分の思う事を放出できると思わないもん」
照「うん…だけど、それだったら、俺は、どう、すれば、っ、」
辰哉「照は分かってないね」
照「…」
辰哉「照には、メンバーがいるじゃん」
照「…ぇ、」
辰哉「ね?8人もの素晴らしいメンバーが。8人も頼れる人がいるんだよ?」
照「ぁ…」
ラウール「そーだよ‼︎頼ってよぉ‼︎」
照「…そっか、ごめん」
先程までの真剣な表情を緩め、ふっと笑うふっか。
辰哉「だから、一人で抱え込むなよ?もう懲り懲り」
照「…もう?」
辰哉「だって何度言っても聞かないじゃん」
翔太「ぐははぁwww」
大介「んまぁ‼︎会議は今日は終わりかなー」
亮平「佐久間が疲れただけでしょ」
涼太「まぁまぁ、俺今日弁当作ってきたから、休憩挟もうか」
ラウール「やったー‼︎ご飯‼︎食べる食べる‼︎」
蓮「………え、舘さんの料理?俺も食べたい」
康二「舘の料理やぁー‼︎はよしてや‼︎」
個性溢れる会話に思わず笑みを溢しながら、俺も後ろから着いていく。
…まとめるのは大変かもしれないけど、このグループをまとめるのはやりがいしか無いだろうな。
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個性、とは。
俺が思うに、一人ひとりの心じゃないかな。
…これは、SnowManを見て俺が思った事だけど。
個性が人と接する内に身体の一部となるものが、心じゃないかなって。
個性ってなんでしょうね。
解釈は人によって違う気がする…
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更新遅くてすみません…