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水臼宮人狼 -3-
あ〜あ〜〜。
人狼ゲームって何だろ〜。
デスゲームもの、やっぱ面白いな〜。
縷埼はどういう設定にしようか。
この水臼宮、和風建築で床は畳。
ベッドは無く、布団で寝なければならない。
「ねぇ、デスゲームやこういう人狼ゲームではどういう人が一番に死んじゃうんだっけ?」
「え~~~影の薄い人とか?後々の中心人物なる者は残るはず。」
縷埼は、同じく寝られない友達と、夜中まで話していた。
「最初に死ぬの、夜琳君じゃないといいね〜」
「いっ、いや、あ−…うん」
この時、縷埼はそう答えたが実は心の中で
(死なないで死なないで死なないで)
と連呼していた。
「私達…、の役職って何だろ…」
縷埼の友達、咸都は服についているポッケから、人狼ゲームのカードを出す。
「でも、このカードから、微かだけど魔力を感じる…。」
_
「う〜ッ!参加しなけりゃ良かったぁ〜!!」
隣の部屋から大声が聞こえてくる。
浮巳の声だ。
何か聞き取れそうで、夜琳は隣の部屋に耳を傾ける。
「でも、良かった……、私、人狼じゃないから、人を殺さなくて済む…」
夜琳は、自分に配られたカードを見る。
_
翌日。
「皆、おはよ…」
妖蓏は、元気の無さそうな声で呼び掛ける。
真っ先に出て来たのは夜琳。
「誰か何か喋った?」
その問いに、夜琳は小さく頷く。
妖蓏は手でグッドポーズをする。
障子風扉を開いて、人狼ゲームに参加してしまった皆が出てくる。
半数が眠れなかったのか、眠たそうな顔をしている。
「何で私のだけこんな魔力が秘めてあるの!!?」
驚いた顔で浮巳が叫ぶ。
「その前に」
皆が騒ごうとした時、妖蓏が止める。
「人狼ゲーム風に、会議しよ?」
そして始まった、第一回会議。
「出て来てないのは誰?」
浮巳は皆に声を掛ける。
「あれ?粦河ちゃんは?」
「あ、そうそう」
これまでずっと黙っていた然梛が口を開く。
「昨日、誰か叫んだ?夜の…一時くらい?断末魔みたいな甲高い声で……俺、寝ぼけてた気がするから気のせいかもだけどさ」
一時?夜琳と浮巳は、寝ていたと思う。
それは縷埼も。
「聞こえたよ」
「私もそれくらいの時間に…」
皆が次々と声を上げる。
粦河の声だった、と話す者もいた。
「昨夜、行方不明となったのは、粦河ちゃんだね」
「そ、そんな…粦河…?そんなぁっ…」
周りが騒つく。
「まあ、まだ亡くなったとは限らないよ」
えー。
「人狼ゲームならさ?占い師とか騎士とか…?あと、霊媒師も狂人も…」
浮巳が問う。
「はい。私、れi」
ちょっと待て、と夜琳が制止する。
「え?」
カミングアウトしようとした蘭赤は止まる。
「一日目にCOするのは良くない。占い師、霊媒師は特に。騎士に守ってもらう手はあるが、二日目からは…」
蘭赤は「へぇ〜、めっちゃ詳しい!ありがとう」
と感心する。
「蘭赤が役職持ちなのはもうバレた。役職が騎士の者、せめて今夜は守って」
「ねぇ、吸血鬼って明かしたら駄目?」
自分のカードを見ながら、彾々が問う。
「その前に。今日は誰吊る?」
「ほんとの人狼ゲームじゃ〜ん!!」
「吊りたくない場合、何も言わなくて良いよ」
「彾々じゃない?」
浮巳が言う。
「ねぇ!?どうして!?」
彾々は怒りの声で叫んだ。
「だって、みんな、このゲームにおいて、どういう役職があるのか知らないんでしょ?」
この場の全員が頷く。
「なのに、彾々は吸血鬼って言葉喋ったの」
人狼ゲームの役職には、吸血鬼というものがあって、内容は
「第三陣営だとか。」
「第三陣営って何?」
彾々が聞く。
「人間と人狼の勝負がついた時、吸血鬼が生きていると、吸血鬼の者が勝利する。」
「つまり、市民陣営にとっても、人狼陣営にとっても、吸血鬼という役職は良くないもの。」
「ま……まじ?」
彾々は信じられない、というように呟く。
と言うことで、一日目の会議で追放する者が決まった。
彾々。
「知識差なんてずるいよぉぉぉぉぉぉおっっ!!」
物凄い形相で、奈落に落ちていった。
プロット書いてないから難しい😓
妖狐っていう役職もあるらしいけど…。
ここでは人狼です。