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Tom and Jerry Chase〜二次創作〜第六話 番外編〜クリスマス
ある夜、みんなでカードゲームをしていると、チェリーがふと呟いた。
🍒「もうすぐクリスマスだねぇ。今年のプレゼントどうしようかなぁ」
と。
おれはそれを聞き、もうすぐクリスマスなんだと実感する。
『今年のプレゼントどうしようかな』
か。
おれたちは毎年、クリスマスになるとプレゼント交換をする。
去年は割とすぐに決まったが...
今年は物価高のせいで、安くて喜ばれそうなものがなかなか見つからない。
おれもどうしようかな。と考えていると唐突に
🍃「探偵ちゃぁんww負け確でちゅねぇ〜www」
ロビンにそう言われて、ハッと我に帰った。
恐る恐る手札を見ると────
───上の空で手札の駆け引きをしていたせいで、手札が壊滅的になっていた。
★────人生終了のお知らせ。パーリナイ!
のこととは、まさにこのことだろう。
数日後
🔍「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"‼︎‼︎決まんねェェェェェェェェェェェェェ‼︎‼︎‼︎」
おれはじぶんの部屋でこう叫んだ。
プレゼントが決まらない。
他の男子に宛てたプレゼント・ちびっ子二人・マッスルさんに宛てたプレゼントは決まったが、
あのクソ暴力女のだけは決まらない。
スマホで
『女子 クリスマス プレゼント 何あげる』
や
『女子 クリスマス もらって嬉しいもの』
等のキーワードを入れて検索しているが、イマイチピンとくるものがヒットしない。
🔍(もう何もあげなくてもいいんじゃねーの?)
そう思ってしまうほどに見つからない。
でも────去年プレゼントを貰っておいて、何も渡さないと言うのも少し嫌だ。
そう思ったおれは、もう少し探してみることにした。
数分後────
🔍(そういや、去年何貰ったっけ?)
唐突にそう思った。
引き出しをガサると、メモとシャーペンが出てきた
🍒『────仕事に役立つかな...って思ったから』
彼女はプレゼントを渡す際に、そう呟いた。
• ・ ・・・・
『仕事に役立つかな』
そうだ。何か彼女にとって役立つものを渡せいいばんじゃないか。
その考えに行き着いた。
チェリーにとって役立つもの────
家事 買い物 ちびっ子たちと公園で遊ぶ────
そこまで考えて、ハッとする。
そうか、これがあった。
─────────────────クリスマス当日🎄────────────────────
おれは、何かの物音で目を覚ました。
空気がいつもより冷え込んでいる気がして、カーテンを開ける。
その目に飛び込んできたのは
一面真っ白の、雪景色。
🔍(コレが、ホワイトクリスマスってヤツなのかな)
と思った。
二度寝する気にもなれないので、さっさと一階に降りる。
────と
🔍「なんでお前ら全員リビングにいるんだよ!?」
そこには、おれ以外のヤツら全員がリビングにいた。
こたつに入ってうとうとしていたり、スマホで遊んでる奴もいれば、ただボケっとしているだけの奴もいる。
その光景をボーッと見ていると
🍒「なにボーッとしてんのよ!早く着替えてきなよ!ご飯できてるんだから!」
と後ろからチェリーに思いっきり叫ばれた。
おれのすぐ後ろ────振り向けば顔がぶつかってしまうほど近くにいた。
よくわからないが、暴れ出した心臓を押さえながら、おれはリビングを出た。
🍒「プレゼント交換、はじめるよ〜」
チェリーの一声で、プレゼント交換を開始する。
おれはまず、他の男子と交換することにした。
🍃「ジャンケンで勝った人にはあげまちぇ〜んw」
🗡️「それプレゼント交換の必要あるか?」
🏴☠️「wwwwwwそれなぁwww」
こんな会話もあったが、すんなり交換終了。
次にちびっ子二人にプレゼントを渡し────
残るはクソ暴力女だけだ。
🔍&🍒「......................。」
おれとチェリー間では、気まずい空気が流れるだけ。
コレじゃあ一生渡せない気がする。
一旦頭を冷やそうと思って、リビングを出ようとすると────
🍒「探偵、シャーペン落としたよ。」
🔍「...!」
🍒「あと、はいコレ。どーぞ」
シャーペンと一緒に、紙袋も渡された。
その中身は────
🔍(チェリーに渡してもらったんなら、おれも渡さなきゃな)
そう決意したものの、どう渡せばいいのかわからない。
わからないまま一階にいき、チェリーを探す。
キッチンにいるチェリーに向かって────
腹・式・呼・吸★で
🔍「メリィィィィィィィィィィクリスマァァァァァァァァァァス!!!!!!!!!」
🍒「!?!?」
そう叫ぶや否や、思いっきり紙袋を投げる。
それはチェリーの後頭部に当たって、床に落ちた。
まだ、直接は渡せていない。
来年は、直接渡せるようにしよう。
視点変わる。(🍒)
🔍「メリィィィィィィィィィィクリスマァァァァァァァァァァス!!!!!!!!!」
🍒「!?」
少し離れたところで、探偵が思いっきり叫び、何かを投げた。
振り向き、投げたものを拾い上げる。
その紙袋に入っていたものは
『マフラー』
だった。
もふもふしていて、薄いピンク色で、端っこにはさくらんぼの刺繍がされていた。
すごく、嬉しかった。
🍒(でも、私、これの紺色verで、端っこに虫眼鏡の刺繍が入った奴、探偵にあげたんだけど...)
まあ、いいか。
試しにもらったマフラーを首に巻いてみる
それは、今まで使ったマフラーの中で
一番、暖かかった気がした。