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第4話[炎と水の争い]
前回までのあらすじ。
入学式の翌日は“戦闘テスト”で、内容は学年全員(100人)でバトロワをするというものだった。
気が重いルカに対し、戦闘に自信大アリのハドは順調に相手を倒していく。
そのままどんどん倒していき、残り12人になり他の相手を探すハドだが、いきなり爆発音がフィールド全体に響き渡り、怒鳴り声と煽る声が繰り返される。一体何が__!?
ドーーーーーン!
ハド「!?」
ハド(な…何だいきなり…!?)
フレイ「あんたねぇ…!いちいちついて来るんじゃないわよ!最初っから最後まで!」
カイル「いや、だからさっきから言ってるだろ?“偶然同じ方に向かっただけ”だって…w」
フレイ「なら何で同じ方に向かって魔法を放つのよ!?」
カイル「だーかーら、俺もたまたま同じ敵を狙ってたんだってばw」
フレイ「そもそもこの会話で笑ってる時点でおかしいのよ!|揶揄《からか》うのも|大概《たいがい》にしなさい!」
ハド(あいつら…|バトロワ中《こんなとき》でも|喧嘩?し合って《やりあって》やがる…汗)
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ちなみに|カイルとフレイ《この二人》はバトロワ中ほぼずっと言い争って(?)ます。
2人とも(特にフレイ)、喉渇かないんですかね…?
…いや、カイルは仮に喉乾いても自分の能力で水作れるわ…
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フレイ「“|炎の弾《ファイヤーボール》”!!」
カイル「無駄だってばw“|水の弾《ウォーターボール》”」
2人の魔法はぶつかり合って綺麗さっぱり消えた。
ハド(…!?)
普通、違う属性同士の魔法がぶつかり合ったら消えるには消えるが、多少なりとも力の量が違うため、どちらかの魔法が残ったりするものなのだ。
だが、今2人の魔法は綺麗に消えた。ということは__
ハド(__2人の魔力の量が全く同じだったということ)
双子の俺とアドですらできない芸当なのだ。
もしかしたらあの2人には何かあるのかもしれない。
ハド(…まさか…カイルが魔力操作の天才とか…?)
ランクもA+らしいし、あり得るかもしれない。
…いや、でもそれは不可能なことのはずだ。あの賢者にしかできないことで有名なのだ。
やはり偶然なのか…?
フレイ「…“|炎の矢《ファイヤーアロー》”」
ハド「うお!?」
急にこっちに攻撃してきた。とっさに避ける。
カイル「外してやんの笑」
フレイ「外したんじゃない、あいつが避けたの。(圧)」
フレイ「…何よ、さっきからずーっとこっち見つめてきて」
ハド「いや何も?仲良いんだなーって…笑」
フレイ「誰がこんな奴と…!」
カイル「酷すぎわろた笑」
フレイ「ついてくんな!!」
カイル「方向が同じだけですよー?あれあれ自意識過剰ですか?あれれれれれ???(煽)w」
フレイ「うっっざい!!!」
カイル「ふはっwごめんてw」
フレイ「……もういい。“|地獄の業火《ヘル・インフェルノ》”」
カイル「うおい!?それは__!!」
フレイの雰囲気が変わったかと思うと、急にカイルの顔色が変わる。
…俺も何かやばい雰囲気は感じた。
ハド(…!?)
瞬間、辺り一帯が炎の海になった。
とっさに自身の周りに結界を張るが、結界越しに熱いのが伝わってくる。
|雪魔法の使い手《ヘイル》がいれば助かったかもしれないが、もう自分で倒してしまった。
ハド(くっそ、あいつら…)
教師「フレイ=ホワードがアメリア=グリーンを倒しました、残り11人」
教師「フレイ=ホワードがモブを倒しました、残り10人
カイル「あっっ…つ!」
フレイ「そりゃ炎だし当たり前。」
フレイ「__はあ。ほんっとに頭にくる…」
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ちなみに現在のこの3人のダメージは…
ハドリアン=リー ダメージ数値 “50/200”
カイル=ケリー ダメージ数値 “150/200”
フレイ=ホワード ダメージ数値 “80/200”
です。で、フレイの炎でカイルのダメージは溜まっていってます。
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ハド(……!?)
ふと自分のダメージ数値が視界に入り、思わず目を見開く。
ハド(…数値が…上がっていってる…!?)
結界越しに炎の熱さが伝わってくるのは確かだが、ダメージも溜まっているとは…
ハド(…って、それどころじゃねぇ)
カイルの属性は水のはず。
でも消さない……いや、消せないんだ。熱すぎて。
…だがこの状態のままだとカイルは脱落してしまう。
そうなった場合、フレイの炎を消せる者はきっといなくなってしまう…!!
ハド(…それは困る)
正直今のままだと結界も壊れそうだ。
このままでも熱すぎるくらいなのに結果が壊れなんてしたら…
…でも闇属性の俺に出来ることなんて……
《カイル=ケリー ダメージ数値 “190/200”》
その時、カイルが口を開いて何かを呟いた。
そして急に辺り一帯に大量の水が流れ込み、広がっていた炎が消えた。
ハド(!?)
カイル「……っわ、悪かった。|揶揄《からか》いすぎたよ」
フレイ「…っは、分かればいいのよ」
…あんな大量の炎を一瞬で…。
いくら水属性とはいえ、凄いな。あいつら両方化け物じゃねぇか。
…いや、そもそも能力界の常識ではレベルがAに到達してる時点で化け物だけどな。
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カイルside
(※時はちょっと遡り…)
俺とフレイは幼馴染だ。
フレイの反応が面白くてよく|揶揄《からか》ってしまうが、フレイも一応付き合ってはくれる。
やっぱ優しいんだなぁ…とか思ったりもするが決して口には出さない。
「いつものお返し!」とかなんとか言って煽られるのが目に見えてる。
だから今後も俺が真剣な事をいうことはないだろう。
さて、バトロワ中ですが…
正直知らん奴とか勝率ない奴とかと戦うよりフレイと絡んでる方が楽しい。うん。
フレイ「ついてくんな!!」
カイル「方向が同じだけですよー?あれあれ自意識過剰ですか?あれれれれれ???(煽)w」
今俺滑舌めっちゃ良かったことない?w
フレイ「うっっざい!!!」
カイル「ふはっwごめんてw」
…フレイからキレそうな雰囲気を感じ取ったのでそろそろやめとこ。
なんか笑いが止まらんせいで今謝ったのが冗談みたいに聞こえてそうな気が__
フレイ「……もういい。“|地獄の業火《ヘル・インフェルノ》”」
カイル「うおい!?それは__!!」
…“|地獄の業火《ヘル・インフェルノ》”。炎属性の中でも特段に強い魔法らしい。
何年か前にフレイに教えてもらったことがある。
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〜カイルとフレイ 幼少期〜
フレイ「ね、知ってる?“|地獄の業火《ヘル・インフェルノ》”って技!」
カイル「なんかかっこいいな…wどんな技なの?」
フレイ「炎属性の魔法で、いっちばん強いくらいのまほーなんだって!」
カイル「へぇ〜!凄いね!」
フレイ「おねーちゃんに教えてもらったの!私もしゅーとくしてカイルを倒してやる!」
カイル「おー?やるのかー?w」
フレイ「今はまだ使えないからむりだよw」
フレイ「だから…来年!来年までに使えるようになるから待ってて!」
カイル「じゃーおれは水属性で対抗できるまほー覚えてくる!」
フレイ「約束ね!」
カイル「うん!」
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〜現在〜
結局色々あったり難しかったりして俺もフレイも“来年”に習得できなかったからあの約束はナシになったけど…
いつかその“約束”を果たせるように…ただそれだけのために習得に力を入れていた。
だから今なら“水属性で対抗できる魔法”を使えるようになった。
カイル(…そっか…フレイも覚えてたのかな…)
ちょっと嬉しい…かも?
…ただ、さすが炎属性最強の魔法だ。
熱すぎて身体が|怯《ひる》む。肌が焼けただれそう……まるで灼熱地獄だ。
…魔法が放てない。
…でも…
カイル(…せっかく…使えるようになってくれたんだ…)
何で習得したことを教えてくれなかったかは知らないが、俺も対抗しなければならない。
カイル「……っは…はぁ…」
集中しろ…全身の魔力を掌に持ってくるんだ…
カイル「…“…集え、水の精霊よ…”」
フレイ「……!?」
フレイ(え、詠唱魔法…!?)
カイル「…“我に力を__”」
カイル「__“|洪水《フラッシュフラッド》…!」
瞬間、頭上にかざした右手から大量の水が放出されていく。
その水は、見事にフレイの炎を全てかき消した。
カイル(…とりあえず今は“やりすぎ”って怒るところじゃないな…)
カイル「…わ、悪かった。|揶揄《からか》いすぎたよ…」
カイル(…ま、魔力消費えっぐ…フレイも上級中の上級魔法使ってくるとかガチじゃん…)
息が切れている。疲弊しきった体はところどころが|軋《きし》む。
…きっと、一気に魔力を使いすぎたせいで魔力切れに近い状態になっているのだ。
俺のダメージ数値は190/200。今攻撃されたら防御が間に合わず、確実に脱落するだろう。
フレイ「…っは、分かればいいのよ」
…許してくれたっぽい。
とりあえず今後調子に乗りすぎないようにしよう。
(そう思っても結局反応が面白くて何回も調子に乗ってはキレられてる)
…いや、でも|揶揄《からか》わないってのは無理だな。面白いし。()
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フレイside
フレイ(…また、消された…最大限ってくらいありったけの魔力込めたのに…)
フレイ(…でも、あの詠唱魔法…)
フレイ(……覚えてくれてたんだ、あの約束)
フレイ(…少し嬉しいかも。)
…ってか!私やばい!
ちょっと頭に血が|上《のぼ》ってただけなのにやりすぎた…!
カイルのダメージ数値“190/200”って…あと10だけじゃん…!
フレイ(…やばい…嫌われる…?)
フレイ(…てか喉乾いた…)
ずっと言い合いしてたから…
フレイ(……痛っ…!?)
急に右手に痛みが走る。右手をみると少し焼けていた。
フレイ(…自分の炎で自分の身体を焼いてしまうなんて…)
フレイ(…まだまだ三流の炎使い)
フレイ(…でも、頑張ったよね?)
フレイ(……お姉ちゃん)
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ルカside
ルカ『…うわあ』
ノア「やってるねぇ|カイルとフレイ《 あのふたり》…w」
ルカ『炎の海になったのにカイルが|脱落したら《落ちたら》どうしようかと思った…』
ルカ『まあ|炎の海《あれ》で|脱落していった《落ちてった》人もいたけど…w」
ノア「まあカイルならやってくれると思ってた…」
ルカ『で、本当は?笑』
ノア「カイルが|脱落して《落ちて》ルカがバレないように消す未来が見えてた笑笑」
ルカ『だろうね…笑』
ノア「まあ魔法だけ通さない結界張ってるからこっちに被害は来ないけど、笑」
ルカ『それはそう、傍観してれば自然と勝ちそう』
ノア「や、ルカとノア残ってるし多分その時はフレイも残るから勝負はつかないでしょ」
ルカ『確かにそうじゃん笑』
ノア「てかフレイ手火傷してない…?」
ルカ『えほんとじゃん』
ノア「…あ、焼けてること気づいた」
ルカ『逆に今まで気づかなかったの大丈夫なのか…?』
ノア「まあ…めっちゃ集中してたとか」
ルカ『あーね…|上級《あんな》魔法使ったら手足|痺《しび》れたりしててもおかしくはない…笑』
ノア『…てか触れなかったけどどーやってるのそれ…」
ルカ『“それ”…あー、話し方ね』
ルカ『まあ…|念話《ねんわ》』
ノア「すご、」
ルカ『学年一位の人に「すご」って言われてもなぁ…』
ノア「いや魔力測定の魔導具壊した規格外の人にそんな事言われてもなぁ…」
ルカ『いやあれは|脆《もろ》いから、』
ノア「そもそも魔導具は壊せる物じゃないんだよなぁ…」
ノア「結界やら抵抗力やらが魔道具にあるはずなんだけど…笑笑」
ルカ『いや壊したことある人に言われてもなぁ…』
ノア「え、何で知ってるん?笑」
ルカ『ノアの家付近用事で通りかかってちょっと覗きに行った時に…』
ノア「え、笑」
ルカ『その時怒られてるノアと|傍《かたわら》にある粉々の魔導具を見た』
ノア「いつの間に…笑」
ルカ『てかノアも絶対あの魔導具壊すって、|脆《もろ》いもん』
ノア「じゃーハドも壊せそう?笑」
ルカ『いやあの人はー…どーだろ』
ノア「3位と7位と8位の人が壊してるのに2位が壊せないのは笑いものになるね笑」
ルカ『その理論でいったら4〜6位の人が壊せないの笑いものになることになるけど笑』
ノア「や、ルカは本気出してないでしょ入学試験」
ルカ『何故知っている、笑』
ノア「そーだろうなとは思ってた笑」
ノア「“結論:みんな強い”!笑」
ルカ『いやだからそれを1位の人が言ったって説得力とかないんよ…』
ノア「皮肉とか嫌味に聞こえる?」
ルカ『まあ人によってはそーだろうね』
ノア「つまりルカは感じない、と…」
ルカ『まあノア知ってるぽいけど私入学試験本気出してないし、』
ノア「100位中の7位で本気出してないとか言ってるよ…笑」
ルカ『とか言いつつノアも本気は出してないでしょ、』
ノア「何で知ってるん??笑笑」
ルカ『いやこれは勘』
ノア「勘かぁ、笑笑」
ノア「ルカと近い席がいいなーって思って本気出さなかったんだけどなんか1位だった、笑」
ルカ『ああ…本気出して低かった人達のこと馬鹿にしてるわ…笑笑』
ノア「いやしてないしてないw」
ルカ「www」
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備考
・フレイには姉がいる。姉のことは良く思っているっぽい。
・カイルとフレイは幼馴染。
・フレイはちょっと(?)自分に厳しい。
・ルカは念話ができる。
・入学試験1位(ノア)と7位(ルカ)だが、2人とも本気は出してない。((え怖
はい。なんと物語の主人公のはずのルカの登場場面がノアとの会話(という名の雑談)だけです。((
ノアとルカの絡みめっちゃ書きやすすぎて気づいたらめっちゃ書いてる…ってなった()
カイルが魔力操作の天才とか一瞬ハドに思われてましたが、そーいう訳ではないです。
なぜかカイルとフレイの魔法はぴったり消えるのです。何故かは本人達にも分かりません。
きっと魔力密度とかが同じなんですよ(((
アメリア…フレイの炎で脱落とか可哀想…笑
狙われてた訳じゃなくて流れ弾みたいなものだから余計になぁ…w
5500文字越えててわろた((
まあでも3000〜4000くらいがちょうどいいって声もまあまあ多いしいいか。←おい5000余裕で超えてr((
…「他の意見は?」って?
いやまだアンケートの募集期間終わってませんし。((
2023年11月11日までですよ〜まだ答えてないって方はお願いします!!!
利き手の指の火傷治りました!ぱちぱち!(きつい)(キコエナイナー…)
まあ治ったと言っても痛みがなくなったってだけで痕はめっちゃ残ってます。
親に「痛々しい痕だなぁ…」って言われたけど痛々しい痕ってなんだろ()
いや痛々しいの意味は分かるんですよ。ただ“痛々しい痕”って具体的にどんな痕を指すんだろって思った。
それを親に言ったら「細けぇなぁ…」って言われた、、
…とりあえず私の指よ、変な痕つけてごめんなさい(??)
ごめんなさーいが聞こえなーい!(えー!)
(…このネタ分かる人いるのかな、、私は昨日知りましたけど、、(え))
ご閲覧ありがとうございました。