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ミラーワールドへようこそ 9
エメランに家のお礼をし終わった2人は、この町にしばらくいることにした。快適であり、安全だからだ。
「お礼も言い終わったし、町でショッピングでもする?」「でも、ここのお金なんて、私持ってないよ?」
「…ねぇ、僕だって少しくらい持ってるよ?」「そっか!ねぇ、スクエア、お金ってどんな見た目してるの?」
「百聞は一見にしかず!見せてあげるよ!」そう言ってスクエアが取り出したのは、金色に輝く小さな石。
「銅に、金箔を貼って作られたものなんだ。」
「えっ、金箔?高価じゃない?こんなに、たくさん使っちゃっていいの?」
「うん。ここではそこらへんにもあるよ。
キラキラしてて、『お金』って分かりやすいから、金箔にしたんだって。」「ふーん…。」
「ちょっと探してみてもいい?金!」「うん、ちょっと町から出たらあると思うよ!」「行こ!」「うん!」
そうして町から出た2人は、金鉱石を探し始めた。「ないかなぁ〜。」
「あ、ちなみにさっきの硬貨は、10ミラー硬貨だよ〜。
他の硬貨も胡夜の世界と同じようにわりふられてるんじゃないかな、価値!」
「そうなんだ!…そういえば、ミラーって、私たちで言う『円』ってこと?」
「そうだと思うよ!あっ、あったよ!金鉱石!」「わ、ほんとだっ!すごーい!」
「これは換金所で50ミラーに変えてもらえるから、拾う人が多いんだよね。」「これで50ミラー!?」
「サイズ的にそうなるかなぁ〜。もう少し大きかったら100ミラーいくかも。」「100ミラーかぁ…。」
「金鉱石はあまり高価じゃないからね。お金に金箔が使われてる意味もわかったでしょ?」「そうだね…。」
「じゃ、もう少し集めて、交換しに行こっか。」そう言って黙々と金鉱石を掘りだすスクエア。
「うん、頑張ろ!」胡夜もそう言って、金鉱石を掘り始めた。 そして30分後…。
この地域は金鉱石が見つかりやすい地域だそうで、2人でも、相当な数が集まった。
「よし、じゃあ行こっか。」「うん!」2人は町に戻り、地図を見ながら銀行へ向かった。
金鉱石が放つ輝く光は眩しいため、すこし厚手の布袋に入れて持ち運ぶようなので、
エメランから、「金鉱石を拾ったらこの袋に入れてください。眩しいので。」
と、渡された袋に入れて持ち運ぶことにした。
換金所に着くと、換金係にミラー硬貨に交換してもらった。手に入れたのは合計で800ミラー。
それを400ミラーずつ分けることにした。この町は低価らしく、10ミラーから食材を買えた。
この町では大金だ。
ー儲けがないのでは、と心配になるが、店の人や商人は、
「低価で売っているが、少しのミラーで生活できるから、問題はない。10ミラーで売れば10ミラーで買える。」と答える。会社もいくつかあるらしく、会社員もミラーを稼げる。社長は、会社で稼いだミラーの5分の1ほどをもらえるので、暮らしに不便はない。
ミラーがなくても、生活支援や、ミラーの提供などで暮らしていける。
平和で、清潔で、暮らしに不便もなく、住人も健康なこの町は、平均寿命が150歳。
この町の種族は平均寿命が元々高く、衰えも比較的遅かったが、大きな争いが起きてしまった。
そして、それをしずめた者がいたらしい。そのおかげで、平和になり、種族が発展し、種族が協力して町を発展させた。
スクエアは、図書館で借りた本の『ブルー・フォレスト町のミラーについて・歴史』という章を読んでいた。
「争いをしずめた者、別名『エメラルドの守護者』か…。2人が消えたことに関係あったり……。しないか。」
スクエアは栞を挟み、本を閉じた。「スクエア、ご飯食べに行こ!」玄関から胡夜が、声をかけた。
「うん、行こうか!」スクエアは椅子をしまい、鞄を背負いこみ、玄関の方へ走って行った。
後半本パートが多かったですね、2人がしばらく登場しませんでした…(⌒-⌒; )
金鉱石を胡夜の世界に持って帰ったら、親が驚くでしょうね…。全然完結しませんが、ご了承ください…。
暖かな目で読んでくださると幸いです^ - ^