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ホムラくんと取り巻く人々の愉快な日常
うちの子のキャラ定めのために書いたグダグダ会話。
【登場人物】
・ホムラ(|暁 焔《シャオ イェン》)
高校生。日本人と中国人のハーフ。
日本生まれ日本育ち。
愛称のホムラは名前の日本語読み。
家は中華料理屋だが、料理スキルが壊滅的でいつも厨房を爆発させてしまうので、皿洗いに徹している。
私服がマフィアみたい(本人はかっこいいと思っている)。
趣味は変なキーホルダー集め。
同じクラスのトキとは親友。
モモカ(|桃花《タオファ》)という中学生の妹がおり、とても大切に思っている。
・モモカ(|暁 桃花《シャオ タオファ》)
ホムラの妹。中学生。
モモカという愛称で呼ばれる。
兄とは違ってしっかり者で料理がとても上手。
父の中華料理屋を継ぐために日々修行中。
同じクラスのクレハとは親友。
・トキ(|楓堂 朱鷺《ふうどう とき》)
高校生。|妖《あやかし》祓いを生業としている。
京都府出身。
いつも落ち着いている。
同じクラスのホムラとは親友。
クレハ(|紅華《くれは》)という中学生の妹がいる。
・クレハ(|楓堂 紅華《ふうどう くれは》)
トキの妹。中学生。
兄と似ていつも落ち着いており、やけに達観している。
同じクラスのモモカとは親友で、モモカの相談に乗る事が多い。
しかしマイペースで感性が周りとどことなくずれているので、アドバイスをしても全く参考にならない事もある。
料理スキルに関してはホムラと並ぶほど壊滅的。
※ホムラとモモカ、トキとクレハという兄妹がいて、兄同士と妹同士でそれぞれ親友ということです。
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(福引しに商店街に来てるホムラとモモカ)
モモカ「で、どれ狙ってるの?」
ホムラ「国内ペア旅行券。選べる行先」
モモカ「1等じゃん。無理だと思うけど頑張ってお兄ちゃん」
ホムラ「よ〜しお兄ちゃん頑張る」
「次の方どうぞ〜」
モモカ「いけお兄ちゃん!」
ホムラ「うお〜〜!」
ガラガラガラ…………コロンコロンッ
ホムラ「黄色だ!」
「おめでとうございま〜す!5等のハンディファンですね」
ホムラ「なんだ5等か……」
モモカ「まだ5回あるよお兄ちゃん!」
ホムラ「よし、もう一回!」
ガラガラガラ…………コロンコロンッ
モモカ「あ〜また黄色!」
「ハンディファンですね〜おめでとうございます!」
ホムラ「ぐぬ……次だ!」
ガラガラガラ…………コロンコロンッ
ホムラ「くっ黄色……!」
「すごい、またハンディファンですね」
ホムラ「まだだ!」
ガラガラガラ…………コロンコロンッ
ホムラ「黄色い……」
「またまたハンディファンです!」
ホムラ「怖い!!モモカ一回引いて!」
モモカ「わ、わかった」
ガラガラガラ…………コロンコロンッ
モモカ「白だ」
「6等のポケットティッシュですね〜」
モモカ「他のもちゃんと出るよ!ラストお兄ちゃん頑張って!」
ホムラ「うおおお沖縄〜〜!!」
ガラガラガラ………………
コロンコロンッ
ホムラ「………………」
「……ハンディファンですね〜」
モモカ「お兄ぢゃぁん」
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ホムラ「せっかくなら色コンプしたかった……」
モモカ「5回引いて5色のうちの4色って嫌なダブり方だよね」
ホムラ「俺沖縄行きたかったぁ」
モモカ「まあまあ、沖縄は今度夏休みにでも家族で行こうよ。でもラーメン無料券は欲しかったかも〜」
ホムラ「フッ……俺が腕によりをかけて作るよ……」
モモカ「お兄ちゃんは何もしないで」
ホムラ「かなしい」
後に町中で「扇風機のお兄ちゃん」「ハンディファン男」などという呼び名が広まった。
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(翌日の早朝、暁家の厨房にて)
ドカーンッッッ(爆発音)
モモカ「何やってんのお兄ちゃん!!」
ホムラ「わかんない……なんか爆発した……」
モモカ「今度はどんなゲテモノ作ってたの……」
ホムラ「ラーメン作る練習しようと思って」
モモカ「もー、お兄ちゃん1人じゃ危険なんだからあたしに言ってよね」
ホムラ「俺幼稚園児じゃん」
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(朝、中学)
クレハ「あら、モモカはんおはよう」
モモカ「おはよ!もー聞いてよクレハちゃん!」
クレハ「落ち着いてモモカはん。ここ寝癖ついてんで」
モモカ「ギャッお恥ずかしい……」
クレハ「ふふ、ほんでどないしたの?」
モモカ「今朝またお兄ちゃんが厨房爆発させたの。何もしないでって言ってるのに」
クレハ「まあまあ、朝から賑やかでええやないの」
モモカ「ちっともよくないよ!片付けも大変だし、換気扇つけててもなかなか焦げくさいのが消えないし……ほんと大変なんだから」
クレハ「難儀やねぇ。ちなみに今度は何作ろうとしてはったの?」
モモカ「ラーメンだって」
クレハ「ラーメンなぁ……ウチもこの前な、うどん作ろ思たら鍋ごと焦がしてしもて」
モモカ「普通焦げなくない?」
クレハ「ほんで昨日はカレー作ろうとしたんやけど」
モモカ「嫌な予感しかない」
クレハ「急に鍋が爆発した思たらなんや瓦礫みたいなのが出来てしもてな?」
モモカ「あーお兄ちゃんもやった事あるそれ」
クレハ「台所出禁にされてしもたわ」
モモカ「あーあ!友達までお兄ちゃんにそっくり!」
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(一方その頃、高校)
ホムラ「トキおっはー」
トキ「おはよホムラはん……ってなんでびしょ濡れ?」
ホムラ「今朝厨房爆発させたんだけど、家出る直前になって自分が焦げくさい事に気付いて急いで風呂入ってきた」
トキ「何してんのほんま……」
ホムラ「筆記用具全部忘れたから借して」
トキ「ジュース奢ってくれるなら」
ホムラ「うん奢る。めっちゃ奢る」
トキ「ならええよ」
ホムラ「あ゙り゙が゙どゔゲッゴン゙じで」
トキ「キモい」
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(その後、高校の昼休み)
ホムラ「なぁトキ、これ貰ってくんね?」
トキ「何?」
ホムラ「夏は涼しい!冬は寒い!カバンに入れて持ち歩ける画期的な小型扇風機、その名も!」
トキ「ハンディファンなんて珍しいもんやないしなんで5個もあんの……ちょっと購買でパン買うてくるわ」
ホムラ「ちょ待って待って話聞いてお願い」
トキ「はぁ……」
ホムラ「これさぁ、商店街の福引5回引いたら5個当てちゃってさ」
トキ「それしか入ってへんのとちゃう?」
ホムラ「いや違うんだよ。モモカも1回引いたんだけど、その時は普通にポケットティッシュだったよ」
トキ「ならポケットティッシュのほうが奇跡なんちゃう?」
ホムラ「そんな福引ある?怖……」
トキ「こっちの台詞やねんけど」
ホムラ「いやでも……前のお客さんも後ろのお客さんもポケットティッシュだったよ」
トキ「つまりホムラはんが引いた時だけ当たるって?」
ホムラ「そうかもしれない……ハンディファンを5箱抱えて歩いてる時、モモカに『お兄ちゃんって何なの?』って言われた」
トキ「うん……ほんまに何なん?」
ホムラ「で、気味が悪いからトキにあげようと思って」
トキ「なんで俺なん?」
ホムラ「お前しかいないんだって!貰ってくれよぉ〜頼むよぉ〜!これがあると不気味で夜も7時間しか眠れないんだよぉ〜!!」
トキ「十分眠れとるがな」
ホムラ「は?いつもはスッキリ10時間睡眠だよ」
トキ「ああそう……ええ事やな。それはどうでもええけど、そのハンディファンには特になんも憑いてへんよ」
ホムラ「え……まじで?呪いのハンディファンなんじゃなくて?」
トキ「単純にあんたの運がおかしかったか、それか……」
ホムラ「それか?」
トキ「その時、一時的に何かがホムラはんに憑いてはった可能性は大いにある」
ホムラ「何かってなんだよぉ〜怖いよぉ〜6時間睡眠になっちゃうよぉ〜」
トキ「心配いらへんよ。多分“福妖”や」
ホムラ「ふくよう?」
トキ「おん、俺が普段祓っとるのは“|禍妖《かよう》”。つまり災いを呼ぶ、人に害をなす悪い妖や」
ホムラ「ふくようってのは?」
トキ「幸福の福に妖で“福妖”。祓う必要のない、簡単に言えば良い妖やな。そいつがおると些細な幸運が連続するんよ」
ホムラ「へぇ、例えばどんな?」
トキ「せやなぁ……いつも売り切れてるメロンパンが買えたり、電車がピッタリ来たり、信号がタイミングよく青に変わったり、傘忘れた日に限って雨がやんだり……」
ホムラ「ちょっとしたラッキー」
トキ「いたずら好きで気まぐれな奴なんよ。幸運をぽんと置いたらすぐどっか行ってまう」
ホムラ「じゃあ俺が連続でハンディファン当てたのは……」
トキ「福妖のいたずらやない?みんなの反応を面白がってたんかもしれへんね」
ホムラ「うーん、でもさすがに5個もいらないんだけど。モモカはマイハンディファン持ってるし……もうこの際全部貰ってくんね?」
トキ「全部はいらんわぁ……まあでも、3個までなら貰ったるわ」
ホムラ「え、いいのか?」
トキ「クレハが使うんちゃう?知らんけど」
ホムラ「ほんとに大丈夫……?」
トキ「人助けやと思って特別に貰ったるわ。感謝しぃや」
ホムラ「ト、トキ……お前ってやつは……!好きだ!結婚してくれッッッ」
トキ「きっしょ」