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幼馴染はアイドルです!?(仮)
お久しぶりです!
ゆゆの新シリーズの幕開けですが、この話の説明を少ししますね
主人公の幼馴染は有名人気グループの男の子。
人気グループはフィクションです!
はい、もう何がしたかったのかもわかんない説明しゅーりょー!
では、本編をどうぞお楽しみあれ
朝、私はいつも通りに登校してきた。
けど、後ろは何かとうるさくて、振り返ると中心には見覚えのある顔があった。彼はこちらを見て微笑んだ。
そして、私の目の前で立ち止まり、見下ろしてきた。
「澪ちゃん。おはよう」
「・・・・・・|太刀蔵くん《たちぐらくん》おはよう」
私は彼と目を合わせず10度くらいのお辞儀をして離れた。
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太刀蔵くんと私は、幼馴染というやらで小さい頃からずっと二人で一つみたいな関係だった。
小学校の頃の彼は体が弱くて体育も苦手で私の後ろに隠れては小さく笑ってた。私も彼に笑いかけていたし、何かと物事だって覚えの悪かった彼に教えてあげてた。
けど、中学生になった頃から変わっていった。
太刀蔵くんは一気に背が伸びて私を追い抜かしていったし、顔だってイケメンになって、人当たりが良くて性格が良いし、勉強だってできるようになった彼は周りからモテたのだ。
大人びた美しい顔立ちに女の子たちはキャーキャー言って彼を取り囲んだ。そして、訳もないのにずっと隣で太刀蔵くんと一緒にいる私は女子から嫌われた。
だから、彼とは距離を取った。
名前呼びだったけど、苗字呼びに変えて目だって合わせようとも思わない。
けど、本格的にバラバラになったのは高校一年の頃だ。
友人とノリで応募したアイドルグループのオーディションに受かった彼はアイドルデビューを果たして、しかもそれが超人気グループになった。
だから、私は彼といる意味なんてない。
欲しいものを何でも手に入れられる彼に小さい頃頼ってた私は要らないはずだ。
彼と私が一緒にいて幸せになることなんぞない。
みんな不都合だから、離れた、
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太刀蔵くんのグループメンバーは全員高校生でしかも送り迎えが楽なためおんなじ学校にいるのだ。
だから彼らが全員集合していると人が集まる。
「みおお?」
友人が私の名前を呼んだ。
ああ、ぼーっとしてた、ちゃんとしてなきゃ、、、、、、高校では頑張るって決めたんだから。
「どしたの?」
「え?いや考え事」
「そっかぁ。私さ、彼氏できたからこれからあんま会えない」
「巴ちゃんって3月に彼氏できたって言ってなかった?」
「んー別れた」
巴ちゃんはモテるからいいよね。
あとさ、別に約束してる訳じゃないし、わざわざ報告いらないし、巴ちゃんなしでも私はやってけるもん。
なんて捻くれたことを考えて否定する。
「凄いね、それじゃ」
用事があると嘘をついて図書館に逃げ込んだ。
みんな楽しそうだ。
恋だの愛だのと青春してる。
私は、どうなんだろう、一人が嫌で下手くそなうわべだけの友情築いてバレないようにってコソコソ逃げ回ってる。
きっと、巴ちゃんも他のみんなも私のこと知ったら離れてっちゃうだろう。
下を向いて歩いてると誰かとぶつかった。
「きゃっ、すみません」
「だ、大丈夫!?」
私の視界に飛び込んできたのは美しい顔だった。
「えっと、2組の富谷さんだっけ?大丈夫?」
美しい顔は心配そうに目尻を下げて私を見た、ぶつかってしまった相手の人は男性で私でも知っている学校の有名人だった。
「・・・・・・|YU-KI《ゆーき》」
「知ってくれてるんだ、嬉しいな。けどここは学校だし牧野でいいよ」
太刀蔵くんの所属する男女混合グループのメンバーの一人のYU-KIくん、私の友達でも推してる!と言ってる女の子がいるほど人気者のイケメン。
普通の女の子なら、この場面にときめくだろう。
だって学校の王子様とぶつかって優しい顔で見下ろされてるんだから
「牧野くん、ぶつかってしまい申し訳ありません。私が下を見て歩いていたのが悪かったんです。本当に大丈夫ですので、ご迷惑をかけしました」
私は朝の太刀蔵くんへのお辞儀より80度深いお辞儀をしてその場を立ち去ろうとしたのに、牧野はそうさせてくれなかった。
「富谷さんって面白いんだね、ねえ今暇?」
私の左腕を掴んで牧野は微笑んだ。
誰かに見られたらどうしてくれるんだろうか、私の安全を彼は保証できるのか?
王子様と話すなんて周りの女子からの些細ないじめが一週間は続くレベルなんだから、そんなことは絶対嫌だ。
「申し訳ありません」
丁重にお辞儀をすると、左腕と牧野の右腕を引き離そうとするが、意外に牧野は力が強く掘り解けない。
それにさらに私の腕を掴む力が強くなったように感じた。
「もう一回聞くね…今暇でしょ」
勝手に人の都合を決めつけ暇でしょなんていうなんてこの男はロクな男ではないだろう。
どうせ、顔だけの人間だ。
「ねえ、俺、暇だから、ちょっと付き合ってよ」
牧野は美しく整った顔をいたずらを考える幼い少年のように変化させると私の左腕を掴んだまま歩き出そうとした。
「ええええ…あの、着いていくんで腕は離してもらえます?」
私は牧野と一緒にいるところを誰かに見られたら私の中学での失敗を活かした夢の高校生活が綺麗さっぱり消えて、女子に呼び出されては
『牧野くんとの仲いーのぉ?』やら
『二人は釣り合わないから譲ってよぉ〜』やら
女子に冷たい目で見られ見下されることは確かだろう。
あゝ。思い出すだけで嫌だ。
「んー…どーしよっかな」
「離れてついて行くのでお願いします」
私は人に見えない図書館の影で深々とお辞儀をして頼み込むと牧野は「そっか。いいよ」と、笑って了承してくれた。
そうだろう。
彼も私といて変な噂をたてられるのは不利益だし、私と居ることは、彼にとって利益ではない。
私はただ…彼の暇潰し相手に選ばれただけ、偶然近くにいただけ…
少し長かったですが最後まで読んでくれたお方、ありがとうございます。
もう一つのシリーズも頑張って執筆中なので応援してくれると嬉しいです。
じゃあ。おつゆゆー!