公開中
神様神社 8話
あの日からとてもクラスが苦手になった。
なぜなら・・・神様たちに危険視されている、『貘』の男子が隣の席だから!!
「というわけで、鏡、効かないそうです」「効かないの!?」そんな貘初めて知ったよ・・・と神様が絶望する。
「じゃぁ、様子見するしか無いね・・・ほんとに何も企んでないか、あかりに探ってもらうしか無いよ」「私が、ですか!?」「お願い!実は天界からも今回の件で助っ人を呼ぶことになってるの!」
「え!?助っ人呼ぶんですか!?」「まぁ助っ人って言っても、ある力のある神社の巫女さんをこっちに配置してもらうだけだけどね・・・何しろ『貘』だから、事態が事態なんだよ・・・というわけで、その巫女さんが来るまでの間、頼むね!」「は、はい」
1日目。
・・・何も起こらない。隣で勉強してたり、本読んでたりする。
貘も勉強できるんだ・・・まぁ、元人間、だしね・・・
ちなみに成績は馬鹿みたいに良い。こないだの小テストも満点だった。
2日目。
本日も何も起こらない。
転校生で入ってきた、というのに、前からいるみたいに馴染んでいる。誰ももう質問攻めとかはしない。
というか、誰とも話してない。
3日目。
帰りをつけていったら、化け物を倒していた。
そして例の『石』を回収して、どこかに去っていった。
ちなみに学校では何も起こらなかった。
「・・・こんな感じです」「嘘でしょ全然何もやってないじゃん・・・手がかりゼロじゃん・・・でも!」神様は握りこぶしを作る。
「明日、助っ人の巫女さんこっちに来るって!あかりのことは話してあるから、安心していいってさ!」良かった・・・!
「えー、水無月に続き、また転校生だ」先生の言葉にみんながざわめく。
入ってこい、と合図されて出てきたのは、端正な顔立ちをした少年。吸い込まれそうなほど奥の深い瞳。不思議なオーラを放っている。
「|葛西《かさい》|充希《みつき》。よろしくおねがいします」
はっきり言って、めちゃくちゃイケメンだった。
この先の展開は完全に読めて・・・葛西くんは一躍、女子のアイドルになった。
下駄箱にラブレターが何通も入っていたが、すべて断っているらしい。
そしてやっと、葛西くんから直接言われた。
「改めて、貘関連で派遣されてきた葛西だ。話は聞いている。うちのクラスだと、水無月ってやつが貘なんだろう?そして鏡でも祓えなかったと」「はい。本人談ですけど、力が相当強いらしいです」「そうか・・・なにかしでかす前に、速く祓わないと」
こうして、葛西くんと私のお祓い作戦が始まった。