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異能力者と仲間達
ちびちび書きます。気長に読んでね。
20xx年、人類にぽつりぽつりと現れ始めた、『異能力』。一般人に使えばいくらでも殺人できるほどのちから。そんな強大なちからに人々は怯え、差別的な偏見が蔓延っていった時代だった。異能力の発現は遺伝子と遺伝子の不規則な絡まり合いによって出来上がるとし、その絡まり合いは人の力ではどうにもできぬほど強力だった。
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日本で、ある夫婦が子を抱いていた。
小さなその子は、母の指を咥え、泣いていた。
突如としてその子は泣くのをピタリとやめ、ふっくらとしたその手で涙を拭った。目を大きく見開き、母を見やった。
それから母の胸から飛び降り、その後夫婦とその子が会える日は来なかった。
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おす。私は|結亜《ゆいあ》。異能力を持った15歳。私が持ってる|異能力《ちから》は何かって?私が持ってるのは「みる」|異能力《ちから》。この|異能力《ちから》のおかげで、今まで視力はAキープ。このデジタル社会では、もう珍しいことなんだぜ〜。
それより、私はこの春、「異能力増強専門高等学校」に入学する。「名前長くね?」って思っただろ。正直最初は私もそう思った。でも、その異能力増強専門高等学校には異能力持ちが集まるから、差別や偏見を受けにくいんだ。
あ、L○NE来た。
ふはっ、あ、えと、ごめん。中学時代、私にただ一人だけ出来た友達、|水琴《みこと》が、送ってきてたんだ。
『元気してる〜?我暇なり〜』
返信、しないと。
「元気〜。水琴は、高校どこ行くんだっけ。」
『私は静岡の方まで行くんだよー!富士山見放題だわw🗻』
「いや場所によるだろ(笑)」
こういう何気ない話が楽しい。そういうのは、この頃知った。なんとなく会話を終わらせて、部屋から出た。
私には親がいない。
というか、私が逃げ出したらしい。今は親戚の叔母さんに預かってもらっている。両親は、私がいなくなってからしばらくノイローゼになり、何を思ってか海外へ移住していった。だが、移住先は誰にも伝えてなかったらしーんだ。私がどこからともなく帰ってきた時、叔母さんは泣いて喜んでくれた。
「叔母さーん、夕飯何ー?」
「ハンバーグよ。ほら、明日、結亜ちゃんの入学式でしょう?好物作っといたわ!」
「よっしゃぁっ!」
階段を軽やかに降りる。私のことを現状一番よく分かってるのは、きっと叔母さんだ。
「水琴ちゃんとでもL○NEしてたんじゃない?」
「こっっわ、エスパーかよ…」
軽口を叩きあえるのが、何よりの証拠なのだ。ちなみに叔母さんは、異能力なんか持っていない。普通の人。
私は気づかれないようにそっと心を「みる」。
(はあ、今日のハンバーグ味濃いかも…)
時々、私は人の心を「みる」ようにしている。そして、機嫌を取るのだ。
「このハンバーグ、味濃いめじゃね?これはこれでうめぇなぁ!」
「ほんと?良かったわ!」
明日からの学校生活も、機嫌とりをうまくやれば問題ない。
そう信じて、私はその夜、ぐっすり眠った。
終わり方が変ですね…
多分シリーズ化します。
応援よろしくね☆(ゝω・)vキャピ((