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collaboration.11
「英国出身の迷ヰ犬」の番外編(?)になります。
ののはなさんとのコラボです。
collection.1
https://tanpen.net/novel/67ced1c3-dad6-446e-83d1-522b3741e934/
「ルイスさぁぁぁぁんっっ!!」
うわっ、と僕はどうにか桜月ちゃんを受け止める。
「だ、大丈夫?」
「うぅ、、ルイスさんの方が、大丈夫じゃないでしょう(´;ω;`)」
「いや、僕はだいじょう──」
そこまで言った僕は「あ」と言葉を漏らす。
普通に大丈夫と言える状況ではない。
「如何したんです……かぁぁぁぁぁっっ!? え、ちょっルイスさん!? 目がっ……」
「え……?」
「る、ルイスさ……」
「_( _-ω-`)_」
「だ、大丈夫かい?」
「真坂……」
「鏡花ちゃんと同じような……?」
「ほ、本当にあの穴に落ちたんですか!?」
「うn」
「えぇぇぇええぇぇぇええぇえええぇぇえぇえええええええ」
少し、耳がキーンとなった。
「五月蠅ェなオイ」
「桜月、五月蠅い」
「黙れ。叫ぶ事しか出来ないのか……?」
最後だけ悪口で、思わず笑ってしまった。
マフィアってこういう時のノリ良いよなぁ。
「芥川先輩!桜月はそういう性格なので許してあげて下さい!」
「え、お二人共…というかさっきの発言は全員酷くない?」
「やっぱり私に似て来たねぇ」
「え」
太宰くんに似てきた、か。
元の彼女を知らないから何とも言えないけど、確かに雰囲気は似ているかもしれない。
「──断固拒否」
「グハッ」
「ドンマイ、太宰君…?」
「ってあぁっ! す、すいませんルイスさんっ!」
今頃になって桜月ちゃんは僕から離れた。
少し中也君からの視線が痛かったから助かったのは、ここだけの話。
どうにか重力で潰されない方法を考えていると、ふと彼女が声を上げた。
「ルイスさん、結局それは如何したんですか……?」
それ、について心当たりはあった。
まるで炎のように真っ赤な瞳。
僕の脳裏に、また嫌な光景が浮かび上がった。
少しだけ奥歯を噛み締める。
「えぇー、と……」
「穴に落ちた。だけでしょう?」
「う、うん!」
「そうですよね……」
桜月ちゃんは少し寂しそうだった。
僕は彼女に話せていないことがある。
そのせいもあってか、胸が苦しい。
「桜月ちゃん?」
ぼーっとしている。
何度か声をかけてみると、やっと反応が返ってきた。
「えっあっはいっ!?」
「大丈夫? ぼーっとしていたけど……」
「す、すいません……」
「僕よりも桜月ちゃんの方が……」
苦しい筈なのに。
「いやいや! 私は元気ですよ!」
「そ、そう? 善かった……」
胸を撫で下ろした、その時。
僕の視界に《《アレ》》が見えた。
僕達へ向けてまっすぐ向かってくる。
「みんな避けてっ!!」
桜月ちゃんの叫び声と、光。
前のように空く穴。
砂埃で辺りが見にくいが、敵襲なことはすぐ判った。
魔人君の言っていた第二軍──|首領《ボス》を狙う敵。
ここで決着を。
「無事、ですかっ?」
「僕は、大丈夫、だよ!」
「わ、たしも大、丈夫」
「た、すかったよ桜月ちゃん、」
「兎に角、全員無事、な様だ」
次の攻撃はいつくるのか。
異能力の詳細が分からない今、無闇に動くわけにはいかない。
「取り敢えず皆、危険の無い程度に広がりましょう!」
桜月ちゃんの言葉で全員が距離を取る。
「──来た」
今度は、一本の光ではなかった。
パッと見た感じでも5本以上はある。
手加減されて、ナメられていた。
確かに僕達にはこの攻撃を防ぐ術はない。
でも今の僕は、何でもできる気がした。
沸々と、体の奥底で何かが湧いてくるのだ。
「本当、許さないから」
砂埃の先に見えた、ボスと見られる人物の姿。
僕は周りのことなど何も見ていなかった。
ただ、異能力を発動させる。
--- 『|不思議の国のアリス《Alice in wonderland》』 ---
困惑している間に僕は敵を捕縛した。
|現実《リアル》に戻ろうとすると、《《彼女》》はそこに立っていた。
「桜月ちゃん!?」
「ルイスさん! すいません私が彼奴に触れていたから多分……」
「大丈夫大丈夫!」
周りを見ていなかった僕が100%悪い。
「で、此奴どうする?」
「え……」
魔人君から聞いた話だと、横浜の奪取を目論んでたはず。
なのにとても簡単に捕らえてしまった。
僕のことを知っているなら、異能力に驚くこともないだろう。
まぁ、偽物だとしても──。
「どうしようかな……」
「取り敢えずこの縛ってあるまま、元の世界に戻りましょうか」
「そうだね」
異能力を発動すれば、すぐに元いた部屋に戻ってくる。
敵軍が混乱していたら探偵社とマフィアが何とかしてくれる筈。
でも、戦闘音が聞こえてこない。
「皆が居ないの?」
「真坂此奴は……」
「ダミーさ」
背後から声が聞こえた。
多分、聞いたことはない。
この世界の住人か、それとも僕の世界の住人か。
今の僕には判断できなかった。
「な、なら貴方が」
「そう。この組織のボスは俺だ!」
ハイテンションだな。
それで、と僕は偽物を異能空間に置いてきた。
「一体全体何を企んでいるんです?」
「ただこの横浜を俺の物にしようとして居るだけで」
「違います、よね?」
「なら、何故僕をこの世界へ?」
否定すれば、少し驚いているようだった。
それだけなら、僕を呼ぶ必要がない。
魔人君の言葉を信じていないわけではないけど、彼のことは信用できない。
「それは、この計画に彼女が邪魔だったからだよ。そして、ルイス君。君の異能力──」
「え、私? とルイスさんの異能……?」
「桜月ちゃん? 彼女が如何かしましたか」
「彼女の異能は厄介でね。大抵の一般人は手出しできないんだ。俺でさえ、な」
「成程。僕を呼び出した時、即ち彼女が僕を発見した時、乱闘にしようとしたのか」
「え、でも何、で」
少し言うのを躊躇う。
「彼の異能力、|不思議の国のアリス《Alice in wonderland》は知っているだろう?」
「は、い。知ってます」
「その異能だけが、君の異能を止められるんだ」
異能だけじゃない。
もしその気があれば、命を奪うことも難しくない。
ツー、と冷や汗が流れる。
我ながら本当に嫌な想像をしてしまった。
彼女も、この世界の彼らも僕が守る。
「しかし、貴方の計画の内容は一体」
「さっきも言っただろう。横浜を手に入れる、と」
でも、と続けようとした僕を桜月ちゃんが止める。
「ルイスさん、これは本当の事を云ってる……。だから、フョードルが阻止したがっていたんですね」
「あの裏切り者に用は無い!」
そう、男は声を荒げた。
魔人君はもう撤収したのだろうか。
というか、何故彼が裏切ったことを知っている。
本人が言ったのかな。
「俺は──手に入れる」
その目は、僕を見ていた。
「そしてお前を、殺す」
その目は、桜月ちゃんを見ていた。
「ルイスさんが貴方の味方に付く訳が無いでしょう」
「僕は貴方の味方にはつかない」
そして、彼女を殺させることも絶対に。
「ならこう考えてみろ。お前たちの仲間は、俺の異能の手の中だ、とな」
そうだ。
この場には今、僕達三人の姿しかない。
例の光で全員穴に落ちてしまったのだろう。
(考えろ)
どちらも助ける方法を。
彼奴の命令に従わず、僕を信じてくれた彼らを助ける方法を。
無理やりにでも異能力を発動させる。
──否、僕達は操作系の異能力を持ち合わせていない。
転移先を割り出す。
──否、《《今のまま》》では不可能だ。
魔人君と連絡を取って、転移先を推理してもらう。
──否、そもそも連絡先なんて知らない。
他にも様々な案が浮かんでは、消えていった。
太宰君や魔人君のように、僕は頭の回転が異常に速いわけでも、未来が見えるわけでもない。
思い付く案の数など、たかが知れている。
「さて、如何する? 《《戦神》》。そして、《《紅い天使》》」
脈が早くなる。
途中からも思っていたが、彼は僕のことを知っていた。
なら|戦神《その名》について知っていても、何もおかしくない。
どうにか息は乱れないように、この感情を抑え込む。
桜月ちゃんに迷惑を掛けるわけにはいかない。
その時、ふと理解した。
僕の瞳が赤くなったのは、この男の厭がらせか。
いよいよ最終決戦ですね。
ルイスくん頑張ってくれぇ…
コラボ小説の終わりが近づいていると考えると、少し寂しいですね。
此方だと誰が話しているか分かりにくいので、絶対にののはなさんの小説を見に行ってください!
うちのルイスくんがごめんよぉぉぉぉ桜月ちゃぁぁぁぁん。
てことで、次回もお楽しみに!