公開中
私の大好きな盾
一話完結です。文字をギチギチに敷き詰める小説にあこがれて書きました。
たぶん一話完結の時だけしかこの書き方はしません。よろしくです。
もこフラってタグに入れてますが、そんなカップリング存在するのでしょうか。
存在しないとしたら作ります。自分が。
愛が重いのはどちらかが、という一方的なものではなく、
相思相愛であるときっとさらに美しいんです。
美しいかどうかは考えもんですけど適当理論なので信用はせずに。
ちなみに最後の1文だけおもくそこだわりました。最初はフランちゃん視点です。
いってらっしゃいませ。
竹林に迷い込んだ時に護衛をしてくれたあの人間が私は大好きだ。
なんで護衛をしてくれたのかとかは全然わかんない。だけど大好き。明確な理由なんていらないはず。お姉様や咲夜よりも、比べ物にいならないくらい、私にはかっこいいように見えちゃった。
あの時の夕焼けは初めて見た夕焼けだったんだ。ずっと地下室に閉じ込められていて、天井のせいでそんなもの見えなかった。見ようとも思わなかった。
夕焼けがこんなに綺麗だなんて、思わなかった。あの人と逆光が合わさると、余計素敵に見えたんだ。傘越しでもわかったあの光は、きっと私の希望なんだ。
あの人は幻だったのかな。ただ、私が夢で見ただけかな。
いやだ、いやだ、そんなのいやだ……。でも、夢じゃないとしたら、なんでこんなに……。なんで、なんで、いくら探してもいないんだろう。
あの人、あの時盾になってくれた人。
「なんで、なんでえっ……!!!」
白い息が一層、純白になる夕方と夜の境界。私はお姉様なんかには内緒で、あの竹林にでかけていた。文字通り夢にも見るあの人がどうしても見たかったから。後で怒られたってどうでもいい、あの人に会えれば、また怒られたってすがりつくことができる。たくさん泣いてもあの人だったら許してくれる。そう確信したんだ。あの優しさからもうわかっちゃったんだ。
……そういえば、私はまだ《《あの人》》の名前を知らなかった。
いや。そんなこと考えてる場合じゃない。夜の竹林は体験したことないくらい寒く、手がかじかむ。頬の感覚もなくなってきて、身体がいうこと聞いてくれない。
あの人が本当に人間なのかも知らない。あの時おなかがいっぱいでいてよかった。もしかしたら襲っていたのかもしれない。指先だけでも軽く、吸って舐めて。襲い方を知らない私でも、人間にとってそれが少なくとも嬉しいことじゃないってことはわかる。
「はぁ、はぁ…」
もう全部幻だったってことにしたい。視界が薄まる。息が薄くなる。せめて何か言ってから出かけるんだった。どうしてこんなバカなことをしたんだろう。
---
「…??」
気が付くとそこは紅魔館、いつもの部屋だった。視界に映る人が誰なのかはさっぱりだ。だけど感覚における、とてつもない魅力を感じた。
それに知っている空気が流れる。少なくともその空気は紅魔館の空気じゃないってことがわかった。
「……ぉ。目、覚めたのか。よかった…」
その一言を聞いた瞬間に興奮が止まらなかった。聞き覚えるのある声で、あの時私の盾になってくれた人だ。聞きたいことやお話ししたいことがたくさんあふれてくる。どれから聞こうか、どれからお話ししようか、心の中で迷う。
「あ、あなたの名前は?」と、震えてよく開くか心配だった口が言う。ああ、困らせちゃったらどうしよう。
「私は藤原妹紅だよ。で、こんな夜にどうして竹林なんかに出かけたのかな、お嬢ちゃん」
大好きだという感情が止まらなかった。ついでに現在の状況について目をやると、地下室ではない私の部屋のベッドに私が仰向けになって、その上から《《妹紅》》がのしかかってる。
どういう状況か改めてわからない。だけど今がとにかく「サービスタイム」であることはわかる。
「あ、あなたに会いたくて」
忘れかけていた話題を思い出してとりあえずの返答を出してみた。
「…私に……会いたかったのか?ああ、確かにこの前にも遇ったことはあるが……冗談はよしてくれよ」
「冗談なんかじゃないよ…本当にあなたに会いたかったのよ。」
「そ、そっか…お嬢ちゃん、さっきお姉さんが心配してたよ。」
せっかく忘れかけていたお姉様のことを思い出した。のしかかっていた妹紅は少し恥じらいながらも体制を正して立ち去ろうとしていた。
「ま、まって。」
急いで行かないでって伝えようとしたけど微妙に聞こえていないようだった。
「? ああ。ごめんね。ところで、お嬢ちゃん、名前は?」
もしかして私に興味を持ってくれたのかな。そう思うと今が頑張り時なのかな…。
「わ、私はフランドールよ。妹紅。」
ちょっと焦りながらもベッドから起き上がり、お姉様のところに行く準備をしかけた。できれば怒られたくないし、会いたくもないけど。
「フランドールちゃん、だね。ありがとう。それにしても見つけたときは大変だったんだぞ。」
「?」
「腕なんか真っ赤にして、相当辛そうだったから、先に永遠亭に連れて行こうかと思ったんだ。だから永遠亭に向かおうとしたんだけど、向かう途中でお姉さんとそのメイドさんに会ってさ。”あなたはもういいから、ここは私たちに”って言われたもんだから、やたらお嬢ちゃ……」
「フラン、でいいわ」
正直フランって呼ばれるのはちょっと恥ずかしいけど、呼んでもらうことにした。
「ああ、ありがとう。フランちゃん? が、心配になっちゃってさ。ここまで一緒することになったんだけど……迷惑だったかもな。本当に申し訳ないと思っているよ」
「い、いいのよ。妹紅。そんなに謝らないでほしいわ」
「…そっか。それよりさっきから、メイドさんがお薬とか用意してるけど、お姉さんが待ってるぞ。一緒に行くか?」
「一緒に…行く…。」
一緒に行くことにした。一人で行くには心細かったから。妹紅の腕をしっかりとつかんで、少し震えながら…。
---
「フラン!」
お姉様が開口一番に放ったのは、少し怒り気に呼んだ私の名前だった。
「…お姉様。夜に一人で、何も言わずに出かけてごめんなさい」
とやかく言われる前に、私から反省することにした。正直ドキドキしたけど不本意だった。
「…なんで呼ばれたかは、わかっているようね。とにかく、もう絶対に今日みたいなことはないようにね? 夜は危険だわ。それより昼だって、日光に弱い私たち吸血鬼にとっては危険以外の何でもない。それをちゃんと理解しているわけね?」
「………はい」
「わかった、戻っていいわ」
とても怖かったけど、お姉様は許してくれたみたいでよかった。部屋からゆっくりとしてどこか重い足取りで出た。気分が良くなかったんだ。
「そろそろ私は帰ろうか。こんなに入り浸ってちゃあそろそろ、本当に迷惑だからさ」
妹紅はそう言って帰る体制になった。
「まって。後、ちょっとだけ待ってくれる?」
……だめ。まだ帰らないで。未練があるんだ。そう言わんばかりに妹紅を引き留めてしまった。
「?」
気づく前に私は妹紅にもう抱き着いていた。
「…っ!? ふ、フラン…お嬢ちゃん?」
「お嬢ちゃんって呼ばないで。フランでいいって言ってるじゃない?」
そう言い聞かせ、恍惚とした視線を妹紅に送ってみた。
「…」
二人が舌を絡ませ、そして誰もいなくなった。
何言ってんだか(笑)。なに「そして誰もいなくなった」を
なに変な使い方してんの。二人が舌を絡ませ、って(笑)おばか。
もうダメだってこれ(笑)。駄文だってこれ(笑)。
というのはまあまあさておき。一話完結というか、こう、カップリング?を
描いた感じの物語がもっと欲しいから書いてクレメンスという欲望が
ありましたらお伝えくださいませ。できる限りかなえさせていただいて。
つうか妹紅さんはなんで恍惚とした視線をガン無視こいてキスしてんの。
おかしいだろいろいろと。あー変なのお。
なんでこんなの予約投稿とかしちゃうかなあ自分。変なのお。
ごく一部の期待が無駄だろ。馬鹿な自分ったら。
いやこれに関しては(笑)で済まされないですねすみません。
まあいいです。こういう変なのも書きます。これの続編あるかも。終わり!!!