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第十一章 教えあいっこしようよ
愛を知らない私には、第十一章です。
今回は蓮斗くん視点で書きました。
読んでくれると嬉しいです。
くる、くる、くる……
静かなリビングの中。俺、幸川蓮斗は参考書とノートを広げ、ペン回しをしていた。
となりには突然できた義妹の下僕である杏。
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時は数分前。
「教え合いっこしない……?」
不安そうにそう聞いてきた杏。
普段の俺ならすぐに断るが今はそうもいっていられない状況だった。
(チッ……仕方ないか……)
「いいだろう、問題集を持ってこい」
なけなしの上から目線でそういうと下僕は目を光らせて、
「うんっ!!持ってくるねっ!!」
そういってリビングを走り去っていく。
上から目線を気にも止めない杏に不信感を抱く。
(普通ならこんなこというやつと教え合いっこなんてするわけないだろ……)
父さんから聞いた話だとあいつは虐待を受けていたらしい。
(だからって……なんであんなに素直なんだよ……)
そんなことを考えている自分に吐き気がして参考書を開いた。
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「蓮斗くん、これはどの公式を使ったらいいの……?」
手を止めて聞いてくる下僕。
(はっ、こんなこともわからんのか……)
「これは、この公式をこう当てはめて……そしたら、こっちの公式も当てはまるようになるから……」
参考書に書いてあったものをその通りに説明する俺。
「あっ、答えがでた!!」
「そう、こっちこの問題とやり方は一緒だからやってみな」
またもや、参考書に書いてあったことを言う。
すると杏は目を輝かせて、
「蓮斗くん、ありがとう!!やってみる!!」
そういって問題集に目を向けた。
(なんだこいつ……俺は参考書通りに言っただけだぞ……)
ふと、あることに気づく。
(あれ、下僕参考書持ってないのか……?というか学校まともに通えてないって言ってたような……)
「下僕、お前どこまで学校通ってたんだ……?」
純粋に気になって聞く。
すると下僕は問題集に目を向けたまま、
「小学校低学年までだよ。その後は施設の小さい子達のお世話してたからね。」
すんなりとそう言う下僕。その態度から「当たり前でしょ?」と言っているような気がした。
(……まただ)
こいつの当たり前はいつも、俺らとはかけはなれているものだ。
小学校高学年はまだまだ子供だという俺らの当たり前と小学校高学年はもう、お世話係になる下僕の当たり前。
(……チッ)
こいつの当たり前について聞いているとなぜだか怒りがわいてくる。
「下僕……俺が習ってないぶんの勉強、全部教えてやるよ。」
気づくとそんなことを口走っていた。
すると下僕が口を開いた。
「……いいよ、蓮斗くんだって忙しいでしょう?中学までの分教えてもらってるんだもん、これ以上はだめだよ。」
「それに、蓮斗くんはサッカーだってあるんだし、私なんかにそこまで構わなくていいよ。」
私なんか、を強調して言う下僕。
(なんか、なんて。こいつ、なにも悪いことしてねぇんだよな……)
怒りが沸いてきて自分が嫌になる。
なんで、こいつなんかの……あ、
……俺、今こいつなんかって思った……?
はたと気づいてしまった。
(……下僕なんて、よくないよな……)
腹を立てているのに下僕なんて呼んで、本当に俺は自分勝手。
昔から、そうだった。
『蓮斗は僕についといで。』
親父の会社を次ぐために日々勉強をして、入学以来ずっと首席で生徒会長をやってる優斗兄。
小さい頃からずっと俺の面倒を見てくれてた。
でも、どうしてかムカついていっつも言うことを聞いていなかった。
『蓮斗、サッカー教えてやる』
強豪校のうちのサッカー部のエースであり、勉強も常に一桁代の成績のまさに文武両道を言葉にしたような悠斗兄。
サッカー教えてやるっていつも言ってくれてたのに全部やらなかった俺。
兄貴たちがいい成績で入学した高校にも俺は真ん中の順位で入学した。
嘘ついて愛想振り撒いて可愛い弟キャラのポジションをゲットして。
なんとか幸川三兄弟のうちの一人になれた俺。
そんなことしてた俺が勉強を教えてくれって……どこまで自分勝手なんだろうか。
挙げ句の果てには義姉を下僕呼ばわり。
ホントにやばすぎるだろ……俺……
あ、やばい……泣く……
ああ、本当に自分勝手すぎる……
「……っ……」
ずっと問題集を解いていた下僕が俺に気づく。
「蓮斗くん、大丈夫……?」
心配して聞いてくる下僕……じゃなくて杏。
やめてくれ、今そうゆう、優しいの一番心に刺さる……
涙が溢れてくる。
まじでなんで泣いてるんだろ……
なんでかわからない涙が止まらなかった。
いやー、だいぶ迷走してます。
プロットのときと比べて、結構変更したところがあって、キャラがぶれぶれです……
杏ちゃんは安定の優しさになってたでしょうか……?
教えてくれたら嬉しいです!!!
呼んでくださりありがとうございました。