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鬼滅の刃 if 3
ジブラルタル
尽きるのは、鬼か、人か。
私が11歳の夏、私と兄は家を追われた。その後すぐ、鬼舞辻家が原因不明の事故で壊滅したとの報告を受ける。何故か、無惨の遺体だけなかったそうだ。理由は、分かるような気がする。そして11歳の冬、私と兄は決別する。私は鬼の力を嫌い、鬼を見つけ出し殺す道へ。兄は鬼の力に酔いしれ、人を痛める殺戮の道へ。兄は積極的に人を喰らう。私は、鬼になってから一度たりとも人を喰ったことはない。
私は、数百年のうち、みるみるやせ細っていき、弱体化していった。そして、ある雨の夜の日のことだった。「うぐっ…ぐおおおおお…」私は人の代わりに木の皮などを喰って生きながらえていた。正直に言おう。不味い、臭い、満たされない。私の頭髪は、元の紅色から、うすれて桜色になっていた。肌は異常な白であり、目は落ちくぼみ、はっきりほとんど死んでいた。後悔はしていない。いっそ死んでやろうかと夜明けを待とうとしたとき、後ろで逆巻く熱風の気配を感じた。
ハッと後ろを振り向くと、私の首に闇夜に光る刀身が添えられていた。その刀の持ち主は、私の生涯を決める指針となった人間。始まりの呼吸の使い手、継国縁壱だった。
書いてて楽しかった。