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英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.23 完結
国木田「太宰! 貴様は毎度仕事もせずに社を抜け出して──!」
太宰「怒りすぎは禿げるよ」
探偵社の扉の向こうには、全社員が揃っていた。
何時も通りの賑やかさ。
乱歩「桜月ちゃんに彼氏君、そしてテニエル。この世界のヨコハマはどうだった?」
「私達の世界と変わらないな、と思いました。あとはパンケーキとクレープが美味しかったです!」
テニエル「ま、楽しかったぞ」
乱歩「それは何より」
彼氏君「なぁ、名探偵。もしかしなくても彼氏君って俺のことか?」
乱歩「君以外いないでしょ。ちゃんと名前も変わってるし」
彼氏君「本当じゃねぇか!?」
凄いメタい話してる。
というのは置いといて。
ルイスさんは探偵社に来る前に買った駄菓子を乱歩さんに差し出した。
わーい、と直ぐに開ける乱歩さん。
可愛いぃ…
するとチラッとこっちを見て、駄菓子を差し出し______
……差し出した!?
乱歩さんがお裾分けっ…!?
取り敢えずお礼を云ってお裾分けを受け取った。
めっちゃ嬉しいし、かわいすぎだよね!?
かぁいいよ…
そして美味しい。
福沢「済まない、ルイス」
ルイス「別に気にしないで良いよ。いつものことだし」
テニエル「いつものことなんだな」
福沢「……桜月、始めてあった時に云ったことを覚えているか」
えーと、…社長室で色々あったことは一旦置いといて、
「はい! あ、でも全然ルイスさんのこと守ったりは……」
福沢「いや、充分だ。ルイスと共にいてくれたこと、感謝する」
何か大した事出来てないのにこんなに感謝されちゃうと逆に申し訳ない…
最後の方とか私がやらかしちゃったし…
でも、そんな感情も、社長の柔らかい表情を見ると一瞬で消えた。
よかった、って。ただそれだけ。
ルイス「……僕、別に無理してないんだけど」
福沢「銃で撃たれ、毒を盛られ、足にナイフを刺され、蹴り飛ばされ、自ら剣に刺されにいったと聞いたが?」
ルイス「ちょっと待て、最後のは#アリス#だ。僕じゃない」
あ。
案の定こちらを振り向くルイスさんに、目線を逸らす私とボス。
まぁバレバレな訳で。
ルイス「桜月ちゃんはともかく、君は後で絞める」
テニエル「嘘だろ」
「|首領《ボス》の時も気になってたんですけど、絞めるって何するんですか?」
ルイス「あー……」
皆が此方を見た。
…あれ、誰も知らな___
太宰「縄で縛って身動きを取れなくして、屋上から命綱なしのバンジージャンプだよ」
何で知ってるんですか太宰さん。っていうか結構物騒…
太宰「こんな風にね」
そう云って縛り付けられている太宰さんは立ち上がった。
私の世界では縛り付けられてるのは見たことないなー、
今度国木田さんに教えてあげよっと。
何て呑気な事を考えていた。
そして太宰さんはと云うと…
窓を全開で落ちようとしている。
国木田「太宰!?」
ルイス「あの馬鹿ッ──!」
異能力を発動させるルイスさん。
無事に戻ってきた太宰さん。
ルイス「馬鹿じゃないの!?」
太宰「失礼な。私は馬鹿じゃありませんよ」
ルイス「助けが間に合わなかったらどうするつもりだった!」
太宰「……DEATH?」
「カッコよく云っても面白くないですからね?」
太宰「DEATHだけに?」
「「……。」」
福沢「……国木田」
すると国木田さんは返事をしながら太宰さんを引き摺って行った。
あーあー、世話がかr……お母さんは大変だ。
福沢「さて、貴君らはそろそろ元の世界に帰るのではないか?」
彼氏君「そうだな。#アリス#さんにも感謝を伝えられたし、探偵社もマフィアへも挨拶が済んだ」
「後は特務課かな?」
微妙な表情をする中也。
安吾さんの事、好きじゃないんだろうなぁ…
ルイス「改めて、今回はありがとう。特に、太宰君のお陰で仲間を救えた。お礼をしてもしきれないよ」
福沢「貴君は探偵社の一員だ。仲間を助けることなど、当然だろう」
すると一瞬固まったルイスさん。
も、すぐに復活。
ルイス「じゃあ、そろそろ行こうか」
微笑みながら、そう云った。
敦「また会いましょうね」
ありがとう!また、会おうね。…あぁ、敦くんは何処の世界でも優しい……。
太宰「元の世界に戻る前に私と心中してはくれないだろうか!」
心中はダメですけどまたお喋りしたいですね…!
国木田「貴様、それが別れの言葉で良いのか?元の世界の太宰にも気を付けろよ!」
ありがとうございます!国木田さんも、太宰さんの世話頑張ってください!
乱歩「バイバーイ!」
ニコニコの笑顔で手を振って居る乱歩さん、可愛い…!
ばいばいっ!
福沢「無理はしないようにな」
ありがとうございます!
社長……探偵社の皆さんも、この世界の皆さんも、これからの出来事に気を付けて。
鏡花「またクレープ食べに行こうね、桜月」
ふふ、ありがとう、鏡花ちゃん。次はいつもと違うクレープを食べてみようかな。
一人一人の別れの挨拶に、心の中で答えて云った。
「うん、またね!」
彼氏君「世話になったな」
テニエル「異能使うぞ」
そしてボスの異能で特務課入り口に到着。
安吾「……いきなり落ちてこないでくれます?」
ルイス「しょうがないでしょ。それがテニエルの異能なんだし」
解り易くため息を吐く安吾さん。
隈が酷い。寝てないんだろうなぁ…。
これ以上の厄介を招かない状況だったら、不死鳥を使ってたんだけど…。
安吾「とりあえず中に入りますか?」
ルイス「大丈夫なの?」
安吾「長官に許可は取ってあります」
流石安吾さん。
会ってからハッとした。
私の世界の安吾さんとは違って、私の世界でのギクシャク?はこの人は知らない。
私とどのような関係なのかも多分。っていうか絶対だけど知らない。
今は気にしないで話そーっと。
種田「待ってたぞ、ルイス」
ルイス「……本人がいるのは聞いてない」
安吾「云ってないので」
種田「今回の件は大活躍だったな。もう会えないかもしれないと知ったときは驚きを隠せなかった
が」
ルイス「#アリス#が起きなかったからね」
その節は本当、お世話になりましたしご迷惑おかけしましたし、すみません…。
そのあたりの話をするために、ルイスさんと種田長官は席を外すらしい。
え、こっちの面子大丈夫じゃ無くない…?
「「……。」」
ルイスさんが居ないって…
めっちゃ気まずいし何この空気。
誰も喋らずに、5分が経とうとしていた。
安吾「……お二人はいつ元の世界に帰られるのですか?」
「今日……だよね?」
中也「あぁ」
中也一寸は愛想よく!!
ねぇ!!
会話終わるの早いよ!!
えー、なんだろ。
「あ、あの……私と中也のことを誤魔化してくれてありがとうございました」
安吾「政府関係者としては絶対に駄目なのですが、ルイスさんとの約束でしたので」
テニエル「約束?」
安吾「……いえ、何でもありません」
すると一息置いてから安吾さんは話し始めた。
安吾「ルイスさんから説明があったかもしれませんが、登録されていない異能力者というのは中々に面倒なんです。中原さんやテニエルさんはまだ良いのですが、泉さんの場合は同じ人物がいない」
中也「つまり、もう一人がやったことに出来ないのか」
テニエル「俺に関しては、もう死んでるんだろ? どうしたんだ」
安吾「……泉さんとテニエルさんの異能を見たのは誰でしょうか」
「えっと、最後の方に戦った人達だから──」
三月ウサギちゃんとマッドハッター。それから、シヴァ。
その人達以外は、私を見ていても異能力者なのは知らない。
テニエル「……なるほど」
「え?」
テニエル「帽子屋の二人は俺達の味方だ。俺達三人なんて居なかったことにしたのだろう。シヴァの方は虚言として特務課は判断した」
中也「表向きにはルイスさんと探偵社、マフィアの一部のみで対応したことにしたのか」
安吾「はい。お三方の活躍を消すようなことなってしまい、本当に申し訳ありません」
「謝らないでください! 安吾さんのお陰で助かったこともありますから」
中也「桜月の言うとおりだ」
テニエル「でも、異能を使わざるをえない状況にしたルイスが悪いよな」
ルイス「はいはい、僕が弱かったせいですみませんねー」
ボスに反論しようとすると、後ろにルイスさんが立っていた。
吃驚して振り向く。
種田「ほら、大丈夫だっただろう?」
ルイス「喧嘩とかはしてなかったけど、僕の悪口で盛り上がってたね」
笑顔なんだけど目が笑って無い。
怖い。怖いですルイスさん。
安吾「此方、僕や長官しか閲覧できない方です。一応ご確認よろしくお願いします」
何か書類を差し出す安吾さん。
ルイス「ありがと」
種田「安吾が担当したし、不備はないと思うが大丈夫そうか?」
ルイス「……何徹したの?」
苦笑いの安吾さん。
ルイス「ま、此方の資料も貰っておくよ。三人とも何かやり残したことない?」
中也「特に思い付きませんね」
自分の世界に行ったら多分私がされる側になっちゃうし、今のうちに言っとこ…((
「中也に女装してもらってないです! ついでにボスも!」
テニエル「何で俺まで」
中也「絶対しないからな」
ルイス「それじゃ、僕達は行くね」
ルイスさんが指を鳴らすと、ワンダーランドに戻っていた。
#アリス#「あら、おかえりなさい」
「アリスさん!」
そして、ただいまです、と駆け寄る私。
「あ、そういえば帰る方法は……」
ルイス「予想通り、テニエルの異能力だよ」
中也「あの落ちる感じ少し苦手なんだよな。まぁ、仕方ねぇけど」
テニエル「忘れ物とかないならすぐ送るぞ」
「ちゃんとお別れさせてよ!?」
ルイス「最後まで楽しそうだね、君達」
何だか、切なくなってきた。
ここ数日ずっと一緒に過ごしてきたけど、お別れ。
こんなにのんびりと会うことが出来る事も少ないだろうし…。
何て、しんみりと考えていた。
???「だーれだぁ!」
「え、三月ウサギちゃん!?」
???「声に騙されたね、桜月ちゃん」
思わず勢いよく後ろを振り返った。
「マッドハッターさん!?」
三月ウサギ「ドッキリ大成功だねぇ」
マッドハッター「これ、ドッキリなの?」
#アリス#「思ったより嬉しそうじゃないわね」
「いや、会えると思ってなくて吃驚が勝っちゃいました……」
マッドハッター「元の世界に帰るなら見送りに来るさ。迷惑も掛けたしね」
三月ウサギ「えへへっ、ヨコハマ観光は楽しかったぁ?」
「はい!」
そして、行く先々での出来事を話す。
「あ、そういえば、ルイスさんがロリータ服着てたんですけど…」
三月ウサギ「えぇ!?ルイスが…」
マッドハッター「え、一寸見て見たいんだけど。写真とかある?」
半分笑いをこらえているような感じのマッドハッターさん。
そう聞かれて、一枚の写真を差し出した。
「これ、さっきこの世界の|首領《ボス》から貰ったんです!」
三月ウサギ「これはぁ……」
マッドハッター「まぁ……うん、似合ってるんじゃないか?」
ルイス「ちょっと待てぇ!?」
テヘペロ(((
お願いしたら印刷してくれた。
持って帰ったら額縁に入れて飾ろうかな…
#アリス#「良いじゃない、ルイスちゃん?」
ルイス「ここぞとばかりに弄らないでくれるかな?」
三月ウサギ「今度、一緒に可愛い服着ようねぇ」
ルイス「嫌だよ!?」
マッドハッター「僕は良いと思うよ。カメラマンは任せてくれ」
ルイス「なに勝手に話を進めてるのかなぁ?」
中也「エリス嬢巻き込んだら、|首領《ボス》が洋服代とか出してくれそうだよな」
「絶対出してくれるね。あ、その時に中也も女装──」
中也「しねぇからな!?」
えぇー、と残念そうに呟く私の顔を見て、ウッと言葉に詰まった中也。
私は、してやったり!と笑みを浮かべた。
ルイス「そういえば、君はどうするの?」
テニエル「……俺?」
ルイス「元々彼女達の世界の住民でしょ。帰るなら、このタイミングがいいと思うけど」
少し考え込んでいるボス。
でも、私は云った。
「一緒に帰ろう」
テニエル「……え?」
「ボスは悪い人じゃないし、説明すればみんな判ってくれるって!」
ルイス「まぁ、僕としても架け橋になってくれると嬉しいかな。|異能空間《ワンダーランド》なら
いつ来ても構わないし」
テニエル「……良いのか?」
「うん!」
中也「桜月を傷つけたら許さねぇがな」
良かった。
出会いの時はどうなる事かと思ったけれど、仲良くできそうだなぁ…。
「ルイスさん、本当にお世話になりました!」
ルイス「此方こそ、色々ありがとね。……巻き込んで申し訳ない」
「謝らないでください。またこうやって会えたから±0ですよ」
ルイス「……そっか」
お別れは笑顔で。
最初からそう決めていた。
だから、泣くのは今じゃない!
ルイス「本当はもっと早くに渡したかったんだけどね」
そう云って、ルイスさんは一冊の本を私に手渡した。
「あ、中に鏡……?」
ルイス「これは面白い鏡でね。どこでも通信できるんだ。それこそ、世界が違くてもね」
「へぇ……って、え!?」
テニエル「お前の異能力か?」
#アリス#「正確には私達の異能、だけどね。異能力で創ったものだから太宰君に触れられたら消滅し
てしまうわ」
「絶対太宰さんに触らせないようにしよう……」
ルイス「中也君と喧嘩したら気軽に連絡して良いからね!」
中也「何でそんな満面の笑みで云うんですか!?」
フフ、と笑った。
時間があるときは連絡して、無理しちゃ駄目だとかちゃんと云っとこ…。なんて。
ルイス「ほら、僕が引き留めてたけどあまり遅くなると君の世界のみんなが心配するよ」
「あ、二週間ぐらい開けてたんだっけ……」
中也「……|首領《ボス》に報告書を出した方がいいな、これ」
#アリス#「また会いましょうね、二人とも」
三月ウサギ「あ、そうだぁ!」
三月ウサギちゃんがマッドハッターさんと急に内緒話を始めた。
と思ったら、私に云った。
アーサーに、エマ。
「あの、それって……!」
三月ウサギ「私達の本名。この名前は英国軍にいた頃を思い出しちゃうからあんまり使いたくないんだけど──」
マッドハッター「君と友達になるなら、僕達自身のことを知ってもらいたいからね」
思わず、笑みが零れる。
三月ウサギ「あ〜、ルイスが話に入れなくて拗ねてるぅ!」
ルイス「ちょ、拗ねてなんか──!」
マッドハッター「拗ねてるな」
中也「あれは拗ねてるだろ」
「拗ねてるね」
#アリス#「話に入れなくて残念だったわね」
テニエル「顔真っ赤にして面白いわ」
ルイス「皆して馬鹿にするなぁ!」
本当に、楽しい。
そして、帰る時間。
時刻を見ると、もう日付が変わろうとしていた。
ルイス「……またね、桜月ちゃん」
「はい! また会いましょうね、ルイスさん!」
そう云って瞬きをしたら、既に元の世界だった。
「…本部に、戻ろっか。」
中也「あぁ。そうだな。一応行方不明だった訳だし、早めに説明した方が良いか。」
「ね、ボスもマフィアに来ない?」
ボス「は?」
「だって、」
中也「だって?」
「…やっぱ何でもない!、何となく、離れたくないから!」
ボス「…まぁ、今は取り敢えず行く。その後の事は、行ってから考える事にするか。」
「じゃあ、帰ろっか。」
元の世界の皆に、思い出話をしてあげるんだ。
それから、ボスの事も紹介して、それから、今も手に持って居る本で、ルイスさんに連絡を取るの。
だって、早くも寂しくなってきちゃってるもん。
先ずは何から話そうかなぁ。
戻ってきた私達を見て慌てた様子の黒服さん達を横目に、
私はそんな事を考えていた。
はい。
終わっちゃった。
楽しかったよぉぉぉーーーーー!!!!
完結嬉し悲しいーーーーーーーー!!!((どっちやねん
うん。
えっと、ストーリ-最高でしたね。
脚本最高物語最高伏線最高全部最高神。
中国語みたいになってるけど全部日本語の漢字です。
さて、凄くふざけた変な🍄テンションは此処で終わりで、挨拶に入りたいと思います。
ここまで素敵なストーリーを書き上げてくださって、
二度目のコラボをして下さった海嘯さん、本当に素敵な物語をありがとうございました。
そして、最後まで読んでくださった皆様、沢山の応援とファンレター、ありがとうございました。
このコラボに関わってくださった皆様に感謝を伝えたいです。
改めて、本当にありがとうございました。
もしかしたら完結後の話少し投稿するかもです。
良ければ其方もご覧ください。