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潜む
現パロ
成り行きで鉢屋とそういう関係になった。
はじまりはずっと前の事だったが、もう今となっては当然のような関係だった。
「はあ、……っちゅ、ぁ」
鉢屋は偶にこうして俺のアパートに訪ねては俺と寝る。今だってさっきまで、鍋を囲んで冗談を言い合って、流行りのクイズ番組を見ていただけだったのに。俺が少し部屋から離れていて、戻ってきてみればこういう事になっていた。
「ゔぁ……ぁ」
ああ、目が合わない。最近ずっとこうだ。
鉢屋がこうして俺の身体を強引にまさぐる時は、いつも顔が暗い。一体、何がそんなに不満なんだろうか。胸の奥が歯痒くて、腕や足までしっとりと汗ばんできてしまう。そんな事にはお構いなしに鉢屋はキスをし続ける。鉢屋はキスをするとき、俺の唇を少し食む癖がある。偶に歯を立て、ゆっくりと啄むように離してくれない。そうして何度も何度も角度を変えてキスされる。その直前で焦らすような悪趣味に俺はいつも耐えきれず口を開いて長くてあつい舌を求めてしまう。
「ふ、ぁんん………はあ、ちゅぢゅッ」
そうすればクスッと小さく笑って濃くてあまいキスがくる。ああ、あつくて苦しい。きもちい
唾液が溢れて、まざりあっていく。
深くもっと、ずっとこうしていたい。そう望んでしまう。
夢中になってお互いの肩や頬にがっしりつかまってキスを交わし続けていたら、途端に鉢屋が顔をゆっくりと離した。
「んぁ____ッさぶろぉ?」
直前までキスをしていたからか、顔も声も服だって乱れ、絆されてしまっていた。
「っふふ、勘右衛門……ゆるみきってるぞ、」
恥ずかしくて照れ臭くて、でもこういう無防備な姿に三郎が喜ぶ事を知っていた俺は意地汚くも、とろんと熱のこもった瞳でじっと見つめて、愛らしく微笑んでみせた。そうすれば三郎は俺の服を乱暴に脱がしてなぶるように、抱いてくれる事を俺は知っていたからだ。
だから、どんなにあざとくとも視線と仕草で目一杯『抱いて』と訴える。三郎の胸元の少し開いていたシャツに指先をギリギリに触れて、上目遣いで視線を逸らさず、顔をゆっくりと近づける。ああ、触れたい、キスしたい。もっと苦しくて熱くて重いキスをして。そう言ってしまいそうな欲望を抑え、すんでのところで喉元へふうっと息を吹きかける。ああ、三郎の耳が真っ赤になって心臓がずっとはやくなり続けている。
そっと手を離し、そのまま乱れた服を整えながら、縛っていた髪を解いて、三郎に背を向けて寝室のドアを開けた。そのままセミダブルベッドの横でゆっくり見せつけるように服を脱ぐ。一枚一枚、時間をかけて脱いでいると、リビングから床を軋ませる足音がだんだんこちらへ近づいてきた。そのままドアの蝶番がきぃぃと歪んだ音が鳴るのを背中越しに肌で感じた。