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簡易契約の死神ちゃん 第三話:七不思議
幸せなのに、不幸を演じる。不幸なのに、幸せを演じる。人間なら、そんな感情があるかもしれない。幽霊の類いならどうだろうか。周りに合わせ、周りの求める自分になっているのだろうか。少女は、今日も偽りの笑顔の面を貼り付け、逝きる。
琉斗「んで、七不思議って具体的になんなんだ?」
死神「えっそんなのも知らないの?君本当に人間?」
琉斗「失礼なっ。そうじゃなくて、七不思議は何があるんだって聞いてるんだよ!」
さっきからそんな茶番を言いあってるのは俺、白金琉斗。学校の遅刻常習犯だ。
と、死神ちゃん。その名の通り死神だ。
俺が何故今死神と会っているのか。それにはれっきとした理由がある。
俺は、いつも通り遅刻スレスレで登校していた。
親友の青山スバルと桃縄花枝と会い、教室に向かっていた。
ここまでは普通だが、その後大変な事が起こった。
俺は階段を駆け登っている最中、転んで落ちて、死んだんだ。
俺はそのまま意識を失い、気づいたらここに居た。
そうしたら、彼女…死神ちゃんがいたんだ。
彼女の仕事は、死んだ人間をあの世へ連れて逝くこと。
死神ちゃんは死んだ俺を仕事通りあの世へ連れて逝こうとしたんだ。
だけど…彼女はなんと、俺の成仏されるまでの期間を1年間伸ばし、代わりに学校の七不思議を解決するという簡易契約を持ち掛けた!
そして俺は情け無い事に簡易契約を結んでしまった。
まぁ幽霊は嫌いじゃないし、ペナルティーはそこまでなさそうだ。
「ちょっと、琉斗くんったら聞いてる?」
「あぁ、ゴメン。脳内読者に解説してた。」
「なにそれ…」
…なんで幽霊とこんなに会話が続くのか、意味はまだ分からない。
「んま、それでさ。君の通っている市立單篇(たんぺん)高校、まぁ、略してタンコウには、七不思議があるの。」
「あー、なんかそれは知ってる。スバルが言ってた。」
「その七不思議が、その1:トイレの唯子さん、その2:歩くガイコツ模型、その3:徘徊する幽霊警備員、その4:鳴り響く轟音大太鼓、その5:人を呪う黒い本 なの。」
「ふむふむ。で、6と7は?」
「それがね…」彼女は言葉を区切った。
「まだ、分かってない。」
内緒話でもするかのように、言った。
っっって、はぁ!?
「分からないって…それじゃ七不思議じゃなくて五不思議じゃんか!」
つい食ってかかる。
「あーあー、違う違うぅ。6と7はまだ分かんないのー。あっもしかして君、私が言い出しっぺで七不思議って言ったとでも?鈍感ーっ。能無し〜」
「シンプルに悪口言うなや!普通に傷つく!」
「えー、こんなんでww?」
ったく、なんなんだよ💢だけどなんかガチギレ出来ないんだよな…何でだ?
「そういえば、お前スバルと花枝にあって無いんだっけ?」
「?誰それ。私が連れて逝った名前には無いなぁ。」
「そりゃそうだろ。生きてるんだから。スバルは俺の親友。フルネームは青山スバルで、何でもできる秀才だ。欠点は自分を取り巻く女達を犬だと思ってる事。
で、花枝は俺の腐れ縁だ。お前みたいな性格してるよ。苗字は桃縄。でもな…苗字や生い立ちが書き換えられてるって噂があるんだ。まぁ、そんな訳無いはずだけどな!
…本当にどうしたんだ死神ちゃん。大丈夫か?」
さっきからずっと上の空だ。
「…?あ…れ?なんだ…っけ」
「おい。大丈夫か?おい。」
「…あっっ!ごめんごめん。ちょっと…ね。」
「そうか(ちょっとなのか?)。」
「あー、そういうことで、現実に戻るよっ」
「え?急に!?」
「だって君、遅刻寸前何でしょ?なのに時間取ってちゃあさ。」
「あっっっっ…」
「さああああっ、行くよ!」
「わああああああ!」
意識が途切れる中、死神ちゃんが何かを思い出したのように上着を探る。
「これこれ。これが無いとね。」
内ポケットから何かを取り出し、琉斗の手首に貼り付けた。
そしてまた、意識が途切れた。
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〜現実世界〜
「どうしよ…スバルくん」
「どうにもこうにもならないよ…」
ビクピクッ
「…?あっ!」花枝が声を上げる。
「スバルくん!りゅーちゃんが!」
「え…?あっ!!」
「うーん、、、ハッここは…現実世界…学校か?」
琉斗が起き出した。不思議なことに、血は止まっている。
それに右腕には…三途の家で見た不思議な文様の包帯が巻かれている。なんだこりゃ。
「りゅ…りゅ…」2人とも目に涙を溜め、
「琉斗おおおお!」「りゅーちゃああああん!」同時に叫び、琉斗に抱き付いた。
抱き付かれた勢いでお尻を廊下に強打し、ゴツと嫌な音が鳴る。
「って!落ちた時より痛いわ…。」
だがそんな琉斗にはお構いなしに、2人はワアワア泣き叫んでいる。
「おいおいお前ら。生き返ったんだからいいだろ。」
すると2人は泣くのをピタと辞め、
「生き返った?」「ってことは、死んだのを自覚してたの?」詰め寄られて琉斗は、
「ま、まぁな…」と、言葉を濁す。まさか死神の事を言う訳にはいかない。
それなのに…
「まぁな、じゃ、無いよ。ちゃんと説明しなさい。」
頭上から声が聞こえた。最近聞いた気がする。まさか…
「死神ちゃん!?」
「あったりー♪耳はいいのね。」
死神ちゃんはふわと降りてきて、琉斗にそう言った。
死神ちゃんの声はスバルにも花枝にも聞こえたらしく、目を丸くしている。
「り…琉斗?その子は一体…」
そうだ。説明しないと分からないよな。何しろ普通の中学生女児(に見える)が天井から声をかけてきたんだから。
「あぁ、コイツは…」
「私は死神ちゃん!死神の仕事をしてるの。琉斗くんをあの世に連れて逝こうとしたけど七不思議解決のために1年間逝かせるのを辞める簡易契約を結んだんだ⭐️」
「おい!」
そんな説明で分かるかあ!常識な人間が!それなのにコイツらは…
「そう言うことか。」「なるほどお。よろしくね!」
と、2人とも納得している。
…いやマジで、頭大丈夫か…?おかしくなってんじゃないのか?だって普通こんなことを言われたら、こんがらがるよな、俺みたいに。
「琉斗くんは自分が普通って思ってるみたいだけど、結構異常だよー」
頭の中で思った事に答えるな!全く、調子狂う。
なのに何故ガチギレ出来ないのだろう…。
「まぁまぁりゅーちゃん。良い子そうだしいいじゃん。」
「そうだよ琉斗。協力してあげれば?」
「お前らなあ!」
「アッッハハハハハ!」
「笑うな死神ちゃんー!」
賑やかに笑い叫ぶ俺達を、遅刻を告げるチャイムが包んだ。
長いww七不思議、6と7は何なのでしょうか?
あ、そうだ。前書きにでる少女の話。誰だか、わかりますよね?
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結局遅刻しましたねー、琉斗達。
さて、次はさっそく七不思議に取り掛かって行きます!最初はトイレの唯子さん⭐️
お楽しみに!